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信頼なんか、できなくていい。

忘備録:信頼なんか、できなくていい。

不安な時、私は私の不安と一緒にいる。
ひとりぼっちの寂しさの寒さのせいで死にかけている私の隣には、いつでも面倒見がよくて、優しくて気のいい”不安”が静かに座る。そして、私を優しい透明な目で見つめ続ける。

私のための、私だけの、私だけを見る静かで透明な目が私を見つめ続ける。

私は私のための、私だけの、私だけを見る静かで透明な目が私を見つめてくれるから、安心して無防備に不安を感じていられるのだ。

信頼などできなくていい。信頼への憧憬は幻想である。

帽子屋:さようならば、しばらくの間、一緒にいよう。
:しばらくってどのぐらい?

帽子屋:今の鼓動のひとつから始まって、永遠より少し手前のところぐらいまで。
:どうやったらそれがどのぐらいかがわかるの?

帽子屋:永遠の向こう側まで行って、そこからこちらを見ると分かるだろうね。
:そんなの意味が分からない。不安で居ても立ってもいられないの。

帽子屋:居ても立ってもいられないあなたの代わりに、「意味」があなたの役に立つって塩梅にはならないだろうよ。愛しいあなた、不安で居ても立ってもいられないあなたと、私はしばらくの間一緒にいよう。居ても立ってもいられない、転がりまわって丸まって、静寂が聞こえてくるまで土の中にいるとするかい?

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