喪失
コロナが広がり出したのは2019年の終わりの頃だった。2019年11月、私はポートランド であったファミリーコンステレーションの年間コースの最終合宿に来て、そのままポートランド の友人宅に1週間泊めてもらい、続いてポートタウンゼンであった別のコンステレーションに参加した。
2020年が始まり、年が明けて新しく始まったファミリーコンステレーションの年間シリーズの合宿に参加するために再度ポートランド に来ていた。その年の年間コースの合宿に参加するため、2020年には後3回ポートランド に来ることになっていた。1月末の合宿以来、2020年はリトリートの仲間に会うこともできず、翌年リトリートのために支払っていたお金はリファンドされてきた。
同じ頃に、ポートランド に行く度に泊まっていた友人が、大ドラマの末に家を売った。大きく美しいマグノリアの木があったあの家が今どうなったのか、友人は同じ町の違う場所へ引っ越した。その友人は、私が渡米し帰国する時には、いつも空港まで送ってくれた。ポートランド エアポートの停車場で、私たちはハグをして別れた。
記憶を辿ると、最後に私たちが別れた時、もしかしたら、私たちはハグをしなかったかもしれない。私たちはどちらも、疲れ果て、睡眠不足で、将来の見通しもなく、どうにもならないトラウマを抱え、喜びを渇望し、そして、消耗しきっていた。
2021年は喪失の年だった。
私は、私が親密になることを望んでいた人のほとんどが正気を失ってしまったと思っている。私が属したいと願っていたコミュニティ、私が帰る場所、は喪われた。
私は今日も今日を生きている。
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