【読書記録】『山猫珈琲 上巻』【食わず嫌い】
湊かなえさんのエッセイを読んでみました。
10年ほど前、よく本屋さんの一番目立つところにたくさんの彼女の小説が平積みされていましたが、私は1冊も手にしていません。
ここ数年は、子どもたちと図書館に行ったり本屋に行ったりして、再び紙の本を手にする生活をしています。
しかし、子育てが始まる直前の当時、仕事の本は年に1作くらい買っていたでしょうが小説の類を買った記憶がありません。本が物理的に場所を埋めてしまうので、配偶者もkindleで本を読むようになった時期だと思います。
加えて彼女の作風。読んだら嫌な気持になるらしい。
お好きな人はそれを求めて、彼女のミステリーにはまるらしい。
そういう認識で湊かなえをスルーしてきました。
図書館で背表紙の「猫」の文字が私を呼びました(その上に「山」がついていますが)。しかも好きな猫ばかりでなく、愛飲する飲み物「珈琲」までタイトルに。
嫌な気持ちになるエッセイだったらどうしようかと思いつつ、恐る恐る目次を眺め、1編2編と試し読みをしてみるとこれはいけそう。
家に帰って隙間時間に少しずつ読み進めました。
新聞に掲載されたエッセイを集めており、売れっ子になった彼女が自分の振り返りまとめたものです。
目次を眺めて、気に入った題のものから読んでいきました。
「一級への道」「修学旅行の思い出」などはあ~ある、あると共感してしまい、手に取る前に持っていた印象を完全に裏切られました。
どのエッセイもさらっと読みやすく、こんな風にnoteで書けたらなぁなんて思いました。
上巻の最後には、おまけに特別収録のイマジナリー・ノベル『Aokage』が収録されています。
思い浮かんだのは自転車のペダルをこいだことではありませんが、「雲をも掴む民」を聞きながら車を走らせた広島の道が思い浮かびました。
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