【日常】29歳の女は忙しい
最近、毎日忙しい。
普通に生きているだけなのにとっても忙しい。
まずひとつ、毎朝起きなきゃいけない。
だから夜は早く寝なきゃ仕事に響く。
でも仕事が終わって家に帰ってきたら掃除洗濯…を省いたとしてもお風呂に入ってご飯を食べなきゃいけない。
お風呂に入る。
文字にしたらこんなに短く簡単そうなことなのに、仕事終わりにこれをするのはかなり至難の業。
まずはメイクを取らなきゃいけない。
時代が進むにつれ、性能が良いコスメが出るからマスカラは一筋縄では落ちない。
そのために部分的なクレンジングが出来ている。
マスカラにはマスカラクレンジング。
リップにはリップクレンジング。
この前同級生の家に泊まらせてもらったときは頭皮クレンジングなんてのもあった。
なんじゃそりゃ。
朝に時間をかけて付けたものを、夜に時間をかけて落とす作業が長い人生で見たとき、すごく無駄なように感じてしまうけど、
これ以上深く考えたら明日から「暮らし」が出来ない気がするから脳死でとりあえずメイクを落とす。
まだ帰ってきてからメイクしか落としてない。
ここから頭を洗い、体を洗い、(あ〜ここのお肉取れへんかな〜とか思いながら)全身を整えて体を拭いてスキンケア。
スキンケアにもいろんな種類がある。
肌に合うもの、合わないもの。
自分の肌に必要なもの、必要でないもの。
これが一目瞭然で分かれば苦労しない。
しかも数日間使い続けた末に効果があるのかないのかが分かるということも、忙しい人間とは相性が悪い。
手間暇かかっているから丁寧な暮らしの一部かと思うけど、これはただの人間の暮らしの一部。
合うか合わないかまだ判明しないスキンケアを終わらせたら次はドライヤー。
髪が多く長い私には、これまた相性が悪い作業。
考え出したら手を止めてしまうので、なるべく脳死させて作業続行。無心でドライヤーを頭に向けて時間が過ぎるのを待つ。
髪の毛が乾いたらここで夜ごはん。
毎日できあいのものを食べると栄養が偏って太るしせっかくスキンケアしているのに肌にも悪影響を与える(気がする)。
自炊の方が節約というが、最近の野菜の高騰に節約家の私が唸る。
もはや惣菜を買った方が安くつくのではないかと思うけど、考える余裕がないのでとりあえず高い野菜たちを買う。
「自炊の方がお財布に優しい」
この固定概念が覆されない限り、わざわざ高い野菜を買い続けるのだろう。
ニンジンや玉ねぎといった、年中、出回っている野菜たちまで高いから目を見張るものがある。
今日も今日とて、高級食材たちを駆使して名前のない料理をする。
料理をしながらチャンネル登録してるYouTubeチャンネルのチェック。
新着動画を観ながら黙々と手を動かす。
その時点でだいたい20時過ぎ。
出来上がって食べ始めるのが20時30分頃。
出来上がった名前のない夜ごはんを食べながらYouTubeを観てスマホでは漫画を読む。
毎日読まないとログインボーナスがもらえないから読む。これもまた忙しい要因。
「ながら食べ」は行儀が悪いしダイエットにも良くないと聞くが、なんせ忙しいので仕方がない。
ダイエットは他で頑張るし、
行儀悪いのは、外と親の前ではしないようにするから許してほしい。
なんなら「ながら食べ」が至極幸せな時間なので私から取り上げないでほしい。
ここまでを心の中で神様に訴え、のんびりと食べ進める。
ここまで来たらもう「生命活動」も終盤。
食べ終わったらようやく「趣味」の時間。
映画を観たり本を読んだり調べ物をしたりnoteを書いたり。
お香やアロマキャンドルを焚きながらフレーバーティーを楽しむ、なんてのもいい。
これぞ丁寧な暮らし。
だが現実はお腹もいっぱいになり、明日も仕事で6時半に起きなきゃいけない憂鬱さを持ちつつ、もっと現実的なことを考える時間にあてている。
例えば、次の休みの日の計画。
暇そうなら予定を入れなければいけない。
なんなら休日前夜、一緒にごはんを食べてくれる人はいないだろうか。
例えば、日用品の買い物リストの作成。
歯磨き粉がなくなりかけている。明日、駅前のドラッグストアに寄る時間と体力はありそうだろうか。明日は残業しそうだから厳しいか。あと何回分残っているだろうか。Amazonで買った方が早いだろうか。でもAmazonで買うと段ボールの処分が面倒だ。出来るだけ現地調達で済ませたい。
例えば、両親・祖父母の健康観察。
自分のことばかり考えてはいけない。
孝行したいときに親なしとはなんて悲しい言葉。
いつまでも元気で居てほしいから実家に変わりはないか、とりあえずLINEを入れておく。たまに母親と長時間電話をして近況を伝え合うときもある。
あ、ネイルが欠けている。塗り直さないと。
そういえば足の爪、なが。切らないと。
そろそろシーツを冬用に替えないと風邪を引くだろう。
まだエアリズムのシーツ(夏用)だわ。
ロフトに保管している無印の年中用のシーツを取り出して、エアリズムのシーツを洗濯して、、、
あぁもういいやまた今度にしよう。
今夜もエアリズムの上ですやすや眠ろう。
そんなことを考えていたらすぐに眠くなる。
実は料理をしているときから眠かった。
大晦日でも22時に寝る母親に似た私は、年々就寝時間が早くなっているのを感じている。
22時に布団に入り、まだ寝たくないと抗いながらスマホを片手にしているが、瞼も瞼で、早く寝たいと抗う。
ちなみに寝る前のスマホも睡眠に良くないと聞く。
だが、忙しいので仕方がない。
寝る直前まで考えることが多いのだ。
眠りかけの目で、ZOZOTOWNを開いて、今流行りの服を調べ、現時点のクローゼットの中身と照合し、必要なアイテムを考える。
今年の冬服は何を買おう。何色にしよう。
私は何色が似合うのだろうか。
いい加減、ナンチャラベースの春夏秋冬を調べないといけない。またタスクが増えた。
急にデートの予定が入ったときに慌てないように、デート服も用意しておく必要がある。
入眠3秒前までは服のことを考えている。
そしていつの間にか朝が来て、考える暇もなく仕事へ行く。
この繰り返し。
あぁ、忙しい。
生命活動時間が多過ぎて、趣味の時間が圧倒的に少ない。
あぁ、忙しい。忙しい。
この生活を忙しいなんて言っちゃダメだ、私の時間の使い方が下手なんだ、と、自責の念に駆られていたとき、全く同じような生活をして
「最近忙しくてさ(笑)考えないといけないこと多くて(笑)」
と笑いながら話してくれた友人のおかげで、これを「忙しい」と言っていいんだと自信が持てた。
「え?!そうよな?!忙しいよな?!!」
その夜は忙しい話で盛り上がった。
自責の念を解放させてくれるのはいつも友人だ。
どれだけ忙しくても、友人と会う時間は絶対に確保する私は、しごでき人間だ。えらいぞ、私。
これからも忙しさの中に楽しさを見つけて、自責を減らして生きたいと思った。
笑いながら「忙しい」と言える29歳の女になろう。
今日も働いて生きていて、えらい。
私も友人もみんなみんな、えらい。
明日からも、がんばろう。
談笑できる友人がいてくれたら
忙しいのも、そう悪くないな。
(着地点が全く分からない文章だけど最近の脳内をまとめられて案外満足した)