東憲也(日本大学4年)×大西将亜(静岡産業大学4年) 「四中工魂」
【僕たちのルーツ、四中工】
“今”を作るあの頃、僕たちの3年間
−各々の決断で大学を選んでもうすぐ4年。大学に入って感じた「四中工の強さ」は何だと思いますか?
憲也
四中工出た人ならメンタル面での苦境、大概の苦しいことには対応できるかなと思う。他の人と比べて、やっぱりそうゆうメンタリティの部分とかは差がある。メンタルが鍛えられたと思う。
将亜
本当に強いね、四中工のメンタルは。俺もそこだけは四中工で自信ある。四中工に入ってなにが良かったかって俺はもうそこしかないかな。サッカーで上手くなった保証は本当にないけど、そこの芯の部分は本当に強くなった。高校を卒業して、大学に入って、要は外に出たときに初めて分かった。
憲也
確かに、俺らの基準はそこだったもんね。
将亜
高校の時はそれが普通だと思ってた。でも、だから四中工の選手は高校の時活躍できなくても個人で活躍していくんだと思う。当時は指導者に言われていたことが分からなかったけど、今でこそ四中工の人間は強いし、どの分野でも活躍できると思う。他の高校ではない苦しいことも、乗り越えなきゃ3年間「四中工サッカー部」としてやれなかったから。それを乗り越えているから基本的に今起きている苦しいことを、高校の時よりマシだと思える。みんなからしたら苦しいと思うことも、ああこれくらいか、高校の時の方が辛かったっていうのはすごくあるかな。だからブレないよね、ちょっとしたことで。
憲也
そうそう、こんなもんかって思う。高校生の頃は言ってしまえばまだ子供で、だからスタッフの言うことには「はい」だけだった。だけど今、大学生になって大人の人と話す機会も増えると、そのメンタリティ+選択肢も増える。今はサッカーでこうゆう話をしてるけど、サッカーが関係ない就活でも全然メンタルが落ちないっていうか、サッカーじゃないところでもすぐには折れない、と思う。
将亜
今の時期、大体同年代のリリースが出てきて。俺らが知ってる選手も内定が出ているけど、俺が知っている決まっていくやつは、大体覚悟決まってたと思うかな。「サッカーで食ってく」って決めてたような奴が決めていく。だけどプロに慣れなかったとしても、四中工の人ってやり遂げる力とかはすごいのかなと思う。表現するのは難しいけど、やっぱりその辺にいる人たちとは違う、メンタリティ。俺自身も、自分より才能あるやつのことをいっぱい見てきたけど、年齢上がるに連れて自分の立ち位置も上になってきてると思う。高3の時俺より上手いキーパー100人いたとしたら多分今は50人くらいになってると思う。で、俺が今この熱量を持って今の努力続けたらその人数はもっと減っていくと思う。継続力とか小さいことの積み重で、大きくなっていくっていうのが四中工の選手の強さだと思う。ちょっとした積み重ねが何年後めっちゃ大きな差になってる。それに気付けてるか気付けてないかも大事だと思うし、だから俺は20代後半とかになった時、今の同年代で自分より上にいる人より上にいってるなと思う。俺に能力がないから時間はかかるけど、継続すれば立場は入れ替われるなって実感はある。
―高校を卒業してから「四中工の強さ」を感じた2人が考える、今のお互いの強みは何ですか?
将亜
俺はいっぱいある。サッカーでいったらヘディングと、やっぱりシュートブロック。そこは本当に強いと思う。ボールに対して逃げないというか、やっぱりプレーに魂が入ってる。人間的な部分では、落ち着いた感じがするかな(笑)まあこれは多分四中工だけで集まったりしたら、そんなことないんだろうけど(笑)
憲也
まあ立場もあるしね、それは絶対そう。将亜は、プレーでいったら、なんだろう、なんでもできる。キックも上手いし、セービングもできるし、的確な指示もできるし。あとはキーパーとしてのボールへの執着心。近距離からのシュートもバチバチに行くし。そういうのはやっぱり、キーパーとして1番欠けちゃいけない部分。キーパーとしてっていうか、まあサッカーとしてでもそうだけど。これぞキーパーって感じ。
将亜
めっっっちゃ嬉しいな(笑)
憲也
そう(笑)やっぱりあとは、サッカーでもサッカーじゃないところでもそうだけど、しっかりズバッと言える、ところも強みだと思う。向上心は計り知れないし、やっぱりしっかり大きく夢をどかんと持ってるのは、本当に大きい。将亜はそこをブラしてないから、簡単に周りの外的要因にもメンタルブラされないと思うし。あとは将亜も落ち着いたと思うかな、かなり(笑)
将亜
それはもう間違いなく(笑)実家に帰った時、親にびっくりされるくらい。(笑)高校の時も中学校の時も多分もうサッカーこそ本気だったし真面目だったけど、サッカー以外は…(笑)でも本当にサッカーだけは真面目にやってた。
憲也
やっぱり大学来て、関わる人も増えるからその分吸収することも増えるし、すごく大人になったと思う。落ち着くよね、結局。
将亜
でもなんの後悔もなくない?高校の時はしゃいでいたことに対しては。あの経験がこうなったのかなとも思うし。
憲也
間違いないね、戻りたいとは思わないけど(笑)でも本当に高校時代に経験はすごく糧になった。
将亜
戻れないね、あれは多分。四中工のベース。それこそ高校時代に負けたチームはたくさんあるけど、これからは人間的な力でいったら俺は大きな差になっていくと思ってる。積み上げたものが全然違うよな。
憲也
他に強くて上手いチームはいたけど、人としての成長は全然違うと思う。
将亜
積み上げたものが違う。当時も指導者に言われていて、その時はあまり分からなかったけど、今になって本当に感じるかな。当時から他の高校に進学すればよかったという気持ちはなかったけど、改めて他のチームとは比べものにならないくらいの積み上げをしたなと。
―当時のその他のチームメイトである先輩、後輩、同期の活躍はどのように感じていますか?
憲也
なんていうのかな、やっぱり四中工生の活躍を見ると、眠ってはないけど、うちに秘めてた四中工魂を久々に感じる。やっぱりこいつ「取り組み」出たな、と思うし、すごく嬉しい。
将亜
俺も感じるよ、すごく。でも嬉しいはずなのに、悔しい気持ちもある。すごく練習してて、取り組んでいるのも知ってるから。嬉しいけど、悔しい。
憲也
わかるよそれは。やっぱり、活躍を見て負けてられないと思うのは絶対当たり前だから。でも、最終的に絶対自分が成功することを信じてやってるっていうのは本当に一緒だなと感じる。経験してきてる過程が同じだから。
将亜
四中工の選手はどんな状況でも自分に向き合い続けられるんだと思う。
憲也
うん、し、やっぱり逃げない。嫌なこととか壁にぶつかっても、絶対。遠回りになろうとも絶対成功する。その力は今でも、社会人になっても誇れるかな。
将亜
どういう自信なのかは分からないけど、次違うことをしてもこの熱量とか注げれば、絶対勝てると思う。
―高校時代では、憲也くんが大きな怪我を負いながらキャプテンという立場を担っていたこともとても印象的です。当時を振り返っていかがですか?
憲也
キャプテンになって1ヶ月くらいで怪我をして。その時はもう本当にサッカー辞めようかなと思った。プレーできないキャプテン、プレーで示せないキャプテンってキャプテンじゃないなと思ったし。その後1ヶ月くらい入院して、グラウンドにも全然いってなくて、初めていったのが初蹴りとかだったかな。そこで結構まだキャプテンに成り立てだったけど、みんな待っててくれたという気持ちを感じて。そこで、「ああ俺このチームやっぱり勝たせたいな」と思った。プレーは出来ないけど、ミーティングとか、やれることは色々あるし。気持ちの面では、やっぱり勝たせたい気持ちが1番あったかな。
将亜
本当にチームのこと思ってくれてるのはめっちゃ感じてた。
憲也
でもまだ、高校生だったから、何していいのかも全然わかんなくて。なんだろう、本当に何をしていいのか分からなかったのが1番大きかったかな。何をしていいのかも分からないし、プレーできてない分プレーに対して強く当たるのもなんかな、と思ったり。8ヶ月プレーはできていなくて、もちろん最終的に早く治して出たいって気持ちはあったけど、将亜中心に出てる3年生が全然頼もしかったから、頼れた部分があったかな。だから俺も安心して自分のリハビリに専念できたし、だからあんまりそんなに、早く治さなきゃ、自分が自分がって気持ちにはあんまりならなかったかな。
将亜
憲也の復帰戦は本当に、本当に覚えてる。憲也が丸坊主で最後の方出てきて、俺もうすごい嬉しくて。本当にあの時は、トップチームのみんなが喜んでたし、憲也の復帰戦って、みんながおかえりって感じだった。
憲也
覚えてる。名前呼ばれた瞬間泣きそうだった。本当に懐かしい。
将亜
憲也サッカー人生で色々な挫折あるだろうけど、あれ1番じゃなかった?
憲也
余裕であれが1番。
将亜
そうだよね、なんかあれ乗り越えてたら何でも乗り越えられる気がする。
憲也
本当にそれ。しんどかったな。
将亜
3年のキャプテンになったあの時期に、やっぱりあれは普通にキツイ。思い出しただけでもキツイ。
憲也
多分キャプテンじゃなかったらまた違う悩みだったと思うけど、やっぱりキャプテンで、あれを乗り越えたった言うのが…。
将亜
だから帰ってきて嬉しかったんだと思う、みんな。だからあれを乗り越えて、大学で3年生でキャプテンで試合出てる姿を見て、やっぱりな、と思った。もちろんめちゃくちゃ信頼はあったけど、やっぱりすごいなと思ったし、だからこれから何しても勝つだろうなと思う。サッカー続けたとしても絶対勝つと思うし憲也は絶対這い上がってくる。
【激動の高校時代を経て】
今だからこそ感じる、自分たちだけの強み
―高校では怪我を負いながらもキャプテン、そして大学では副キャプテンを担った憲也くんと、大学でキャプテンになった将亜くん。2人が考える、理想のリーダー像はなんですか?
将亜
俺は上手くいかない時こそ、俺が表に出て行くことを意識しているかな。チームが上手くいってたり、いい波にのってたいたら、それはみんなにいい思いをしてもらえばいい。俺はチームが苦しんだ時に、引っ張っていける存在にはなりたいと思ってる。調子いい時はもうみんながワイワイ勝手にやってくれるから、その時は客観的にチームを見て。チームがどん底の時とかに、俺が表に出られるかどうか、っていうところを意識しているかな。あとは、何より信頼してもらわないといけないと思うから、とにかく、4年生でキャプテンだけど、練習を1番頑張る。
憲也
俺は、理想というか(今は)キャプテンっていう立場じゃないから、1番上ではないわけで。俺は高校の時までは本当にもうめちゃくちゃ引っ張って、プレーで魅せて、声だして、っていうアグレッシブなリーダーが、もうリーダーって感じかと思ってた。だけど、大学に入って副キャプテンの立場になってからは、は引っ張るより結構下からこう支える感じかな。
将亜
俺は、高校の時からずっと憲也はそっちのタイプやと思ってたし、引っ張っていくのは勝手に俺だと思ってた。(笑)
憲也
(笑)でも、頼ってた。言葉にはしてないけど、頼ってた部分はめちゃくちゃある。
将亜
俺は人を巻き込んでこう引っ張っていくのとかは得意だったし、そういうのは俺で、逆に俺にないものが憲也にはあると思ってた。だから今もそうだけど、当時から憲也がめっちゃ引っ張っていって、とかなんかそういう感じのキャプテンではないと思ってたかな。憲也には憲也にしか出せない安心感とかがあるから。俺はキャプテンってみんなが別に引っ張って行かなくていいと思うかな。色んなキャプテンがいるし、色んなリーダー像があると思うから。
憲也
俺が意識して取り組んでるのは、色々な輪に転々と入って、後輩たちを含めて多くの意見を聞くことかな。やっぱり下の学年は絶対、リーダーに直接言えるやつは少ないし。上にもう1人いるっていう安心感がある上で、やっぱり副キャプテンはそういうパイプになる役割だから。選手とスタッフを繋ぐパイプでもあるし、選手間のパイプでもあるし。だからこう、チームが円滑に回るであったり、チームの雰囲気とか空気を変えられるのは俺らの仕事なのかな、と。キャプテンからガツンというのもすごく大事だけど、そこで響く人と響かない人は絶対居るし。そういった場面でそこにアプローチできるかどうか。
将亜
憲也ってやっぱりそれができるよね。
憲也
俺多分、そっち側なんよね。
将亜
多分そうやねんな、なんかむしろ憲也って人にハッキリ言うのちょっと気遣うでしょ?
憲也
うん、遣うね(笑)
将亜
だからそっちの方が向いてる。俺はその立ち位置が、憲也がサッカーでパフォーマンスを出す上で、1番いい位置だと、高校の時も今も思っているかな。一人で背負いすぎちゃう部分もあるから。だから、憲也自信のパフォーマンスを発揮することを考えた上でも、今の立ち位置がすごくいいと思う。
憲也
そうだね。今の俺らのキャプテンもアクションを起こす人だけど、俺は全然アクションというよりリアクションのタイプ。何か起こったことに対して、対応するという感じが1番多いかな。だからこそ視野は絶対に広がるし、何かに対して違う意見も出せる。高校でキャプテンもやれて、で今は大学で副キャプテンもやれて。やっぱり仕事量とか責任感も絶対少し違うけど、またなんか違う180度違った見方が出来てると思う。
―役職関係なく、個人として意識していることはありますか?
将亜
多分取り組みなんだよね。多分こうゆう場面になったらこうゆう風に活躍するっていった時ってだいたい当たる。能力がないからこそ、そういう日々の積み重ねとかが大事になってくる。
憲也
それよね、やっぱり。そういう自信ってやってこないとできないものだから。だから、本当に細かいところに拘ってるし、そしたら本当に見えない力ってあると思う。
―お互いの活躍に刺激を受けている中で、大学で別の道に進んでお互いに対する印象の変化はありましたか?
将亜
俺は高3年の冬の怪我の憲也の苦労も知ってるから…。冬には間に合わなかったけど、その苦労も知ってたから、大学で3年でゲームキャプテン巻いてずっと試合出てた時はやっぱりすごいなと思った。やっぱりタフだなと思ったし、あの大怪我を知ってたからそこはより感じたかな。それこそ、大学は特待生とかユースの子たちがいる中で、下っ端からのスタートだったと思うし。
憲也
本当にそう。
将亜
そこでこう、信頼を勝ち取っていって3年でゲームキャプテンで試合出るっていうのはやっぱりすごいなと思う。そこでもし憲也がメンタリティなかったとしたら、そのスタート位置から取り組むのは絶対無理だったと思う。そうゆうところがやっぱり信頼できる人間だなっていうのは思うし、大学いってもそこは変わらなくて嬉しかった。何様って感じだけど(笑)
憲也
いやいや。
将亜
だって一歩間違えたら遊んじゃうで。才能がある選手でもそんな選手はいっぱいいるし。そうゆう取り組みの部分で、差がついてるのかなとは思う。でも逆に、そうゆう才能ある選手が俺とか憲也みたいなメンタリティ持って取り組んでたら、もっと活躍してるのかなとも思う。
憲也
当たってる。間違いなく活躍してると思う。本当に、なんていうのかな。やっぱりそうゆうところは強者より弱者の方がやっぱり力の価値を知ってると思う。
将亜
やっぱりその辺俺らは強いなと思うね。取り組みの話で言えば、それこそ3年生の時俺がMOMとった次の試合で憲也がMOMとって!!!
憲也
そうそうそう(笑)
将亜
あんなことないよね。
憲也
ない。将亜のMOMを見て、すごい!と思った。キーパーってやっぱりPKが見せ場だから。たまたま止められるっていうのはもちろんあるけど、将亜はそれじゃないなと思ったし、なんかやっぱりやってきている人間は違うなと思った。
将亜
俺は3年目のシーズン開幕戦しか試合に出てなくて。で、オーバートレーニングで両膝使えなくなって、20試合くらい空いてる試合だった。だけど、俺が全国出たらMOMとれるくらいできるって周りにもいってた。し、そうしたら、本当になった。全国前にちょっとずつスタメンを奪い返して、俺が出たら大活躍する、みたいに周りにいってた。そうしたら本当になったから本当にビックリした。
憲也
俺は将亜がMOMになって、四中工の名前が上がって、ちょっと悔しかった。やっぱり俺もやったらなと思って。見えない力といえば、その日本当にたまたま、グラウンドでトイレに行った時にゴミ箱の周りが散らかってて。それがすごく気になって、全部片付けた後、点を取ってMOMも取って。言葉で表せないけど、本当にたまたまその日だけ、それが気になって。関係ないことも含めて本当に「取り組み」だし、見えない力って大きい。
―2人がそこまで真っ直ぐ継続して「取り組み」続けられる秘訣は何ですか?
将亜
俺はわかりやすくいうと2つあって、1つは本当に「キーパーが好き。」本当にただただキーパーが好きだから、努力より夢中が勝つっていう言葉に近いような感覚はある。本当にキーパーが好きだから。あともう1つは、「人を巻き込む」かな。家族もそうだし、高校の時の仲間、中学校の友達もそうだし、人を巻き込んでるかな。色々な人を巻き込んでるからこそ、今は俺だけの夢じゃないと思えてる。
憲也
なんだろう…。もちろん成功したかったら継続しないって選択肢はまず消えるかな。いい意味でやるのが当たり前だし、すぐ辞めるような育ちもしてきてないから。続けられないっていう思考がまずなかった。
―取り組みが実を結び、MOMを取ったatarimaeni CUP から半年。今年の大臣杯はどうでしたか?
将亜
俺ら2人とも負けるっていうのもなんかあるんだろうね。あそこで試合できなかったのも多分必然なんだろうなと思う。
憲也
どっちも文理にやられるってな。(笑)
将亜
俺は日大が文理に負けて、悔しかったけど、もし自分たちが文理に負けて、憲也たちが勝ってたら、それはそれで悔しかったと思う。絶対。俺は負けたけど、憲也は勝つっていう状況。頑張って欲しかった。もちろん憲也が負けて悔しかったから、素直に頑張って欲しかった気持ちはあるんだけど。
憲也
ああ、まあね、それはわかる。高校の同期で頑張ってる奴の活躍。それがあるからやっぱり頑張れるよ。
【例えサッカーじゃなくても】
引退を目前にした2人が考える将来のビジョン
―これまでサッカー1本で頑張ってきて、次のステップを目前に控えた2人。自分たちの将来に対して不安はありませんか?
将亜
親にも地元の友達にも、大卒でJリーグの世界に入るっていってるから、なれなかったらっていう時の不安はもちろんある。でも俺はなるよ。俺は自分の中で価値を出せると思ってるから、絶対にどこかがとってくれると思ってるかな。自信のなさとかって絶対に伝わるから、そういう意味でも常に自信は持つようにしてる。とにかく「俺はこうゆうプレーヤー」とか、俺はこうゆうことできるって言うのを常に出し続けるしかないと思うかな。絶対に誰かが見てくれてると思うし。もしかするとそれは大卒のタイミングじゃないかもしれないけど、もしそうなっても俺の中で失敗じゃないかな。
憲也
俺は不安になることはないかな。もしサッカーがダメでも、その道を諦めることになっても。親孝行したい気持ちの方が大きい。もちろんプロに行って恩返ししたいとは思うけど、ここまで好きなことさせてもらった分、今は親孝行したい気持ちがすごく大きくて、その理想の社会人、大人っていうのになるために、サッカー選手でもなんでもそれはただの手段なのかなと思う。
将亜
俺もその気持ちはすごく強いけど、俺は3人兄弟の中で、他の兄弟にはできない、「プロになってJリーグのスタジアムに呼ぶ」って言うのは俺にしかできないから。どうやって親孝行する価値かは人によって価値観が違うし、どんな形であっても親孝行したいという気持ちは一緒なんだと思うけど、今、俺の中ではそれが1番の親孝行やと思ってるかな。
憲也
俺は就活で久々に地元に帰った時に1年半ぶりくらいに親の顔を見て話す機会があって、そこで「親の側にいたいな」って感じたかな。そばにいてあげた方が親孝行になるかなと感じさせられるような話もあって、そこからちょっと考え方も変わったかな。俺だけ大学にも行かせてもらって学費も払ってもらって、ってしてるから、とりあえず早く楽にさせてあげたい気持ちはあるかな。だからといってサッカーを諦めるってわけじゃないけど。東京にいたい、まだ三重に帰る気はないってずっと思ってたから…。思ってたけど、東京で就職するくらいなら…とかも考えてるかな。これから決まっていくけど。
将亜
正直、高校の時はそんな気持ちになれなかったよね。
憲也
なれなかった。大学に来て、本当に感謝しなきゃいけないなと思った。
将亜
俺は選手権負けた時、帰り道親2人とも泣いてて。それで俺は本当に3年間何もできなかったから、本当に本当に恩返ししたいなと思った。サッカーで。本当に俺以上に悔しそうで、今でも覚えてるから…。
憲也
そうなんよね、本当に間違いないね。もし企業に勤めたとしても、まだ未知だしだからもうそこ(頑張ることを変えることに対して)でエネルギーを使うか使わないかはまだ分からないけど、不安はないよね。でも、変えたくない気持ちは絶対ある。絶対十何年もサッカーやってきて、急にぽんとサッカーなくなったら絶対寂しいし、それは絶対あると思うけど、なくなるのはタイミングの話であって。いつかなくなる、っていうのは目に見えてる。大学まで後悔しないでやり切ったって自分で思える取り組みができれば、そこの思いのウエイトは低くなるだろうし。本当に分からない。でも、本当に就職もサッカーも大学卒業した時にもうまだなにも分からないところに飛び込むわけだから、まあその分からないからこそ不安はない、かな。俺個人の話で、新しい環境に対して不安を抱く人は沢山いると思う。でも、俺はなんか逆に楽しみだなってぐらい。そういう気持ちでいたほうが絶対に面白いし、無理に不安がったって、どうにもならないと思うかな。なるようになるから。
将亜
俺もそうだけど、憲也は自分の未来に対して不安より、ワクワクしてるんだと思う。俺は、憲也もさっき言ったけど、サッカーだけが全てじゃないと思う。俺にとってはサッカーが全てなんだけど。でも例えば、憲也がそうやってサッカーじゃない道に進んだとしても、俺の憲也に対する信頼感は一生ずっと変わらなくて。憲也がサッカーの道に進まず、違うことをやることになってもそこの信頼は変わらないかな。言葉にするのは難しいけど。憲也がいってた通り、サッカーは1つの手段、ツールだと思う。
憲也
めちゃくちゃわかる。やっぱり同じもの乗り越えて来たからこそ、ね。思ってることも一緒だし、考え方も絶対に似てるから。
将亜
うんうん、それはある。例えば憲也がサッカー辞めても、また次の目標に対して本当に頑張れって思うし。それがサッカーであっても、サッカーじゃなくても。
憲也
本当にそう。それは俺も同じ気持ちかな。
―残りわずかの大学サッカー。最後に、引退を控えた今、改めて2人の抱負を聞かせてください。
憲也
チームとしては結構厳しい状況。まず自力でちゃんと残留を決めて、後輩にバトンタッチすること。と、この1年4年生でチャレンジしてきた文化、チームを変えようと色々トライしてきた部分もあるから、やっぱりそれを根付かせたいし、新しい日大の文化にしたいし、っていうのがチームとしては大きいかな。個人としても、サッカーでやれるチャンスはまだ全然残っているわけで、で自分自身も全然諦めたわけでもないから、残りの節の中でアピールしつつ、まあチームの為にも戦う+社会人になった時のビジョンを考えながら、日々を過ごす、かな。引退まではとりあえずサッカー。チームが勝つ為に、自分が上にいく為に。チームの価値を上げる為に、何がやれるか、それだけかな。
将亜
素晴らしいな。俺は残りの節全部勝っても、全国行けるか行けないかは今の状況的に他力だから。1番はやっぱり近年全国でベスト8越えられてないから、そこを越えるのが1番のチームとしての目標だったけど、他力になってしまった今、俺らが残せるのはトレーニングに対する取り組みとか、1試合に懸ける想い。それを後輩に繋いでいって来年以降の静産大のパワーアップになれればなっていうのチームに対しての想いかな。個人としてはずっと言ってるけど、高校の時から「大卒のタイミングでJリーグの世界に入り込む」っていうのはあるからやっぱりそこ。俺はそのチャンスが今のるかのらないかのボーダーラインにいると思ってて。でも俺はワンチャンスでも1週間でも練習参加させて貰ったら絶対掴み取れると思ってる。今までやってきた自分の取り組みを信じて、大卒でJ3以上のステップ、スタートラインに立つっていうのは個人としての目標かな。
*憲也くん、将亜くんありがとうございました!2人のこれからの活躍に期待です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?