【万年筆】潜水艦モチーフでありながら人間工学に基づいたデザイン。その名も『サブマリン万年筆』!【ファーストインプレッション】
潜水艦。それは水面下に潜み、敵機を狙い撃ちする海の中の狩人。
我々の住む日本のように海に囲まれた国では、防衛において特に重要な役目を担います。
そんな潜水艦をモチーフに、人間工学に基づいて設計された「サブマリン万年筆」がようやく届きました!
Makuakeで購入して「届くのは12月だよ〜」と言われてクリスマスプレゼントか〜と思っていたのですが、早い到着でビックリしました。
台湾製万年筆はいいぞ
最近評価が爆あがりなのが台湾製万年筆。私も愛用しているツイスビーなど、とにかく品質が高いのです。
今回のサブマリン万年筆ですが、ドイツのIFデザイン賞、レッドドットデザイン賞、日本のGood Design賞など数々の受賞歴を持つ台湾文具ブランド『TaG』が手掛けた新作になります。
台湾やアメリカのクラウドファンディングサイトで大好評だったもので、Makuakeでも最終的に492%達成とか凄いことになっている万年筆です。
詳しいスペック等は上記Makuakeのページをご参照ください。
「人間工学に基づいてデザインされた、潜水艦型の回転吸入式万年筆」という一文でもう引かれたね。とにかくカッコいい。
箱からしてアート
届いた箱がこちら。So sweet...
潜水艦ということでソナー(音響探査機)をモチーフにしているのかもしれませんね。
外箱を外すとこんな感じ。外箱の穴から覗くと波紋が現れているようなデザインのようです。
ミリタリーものかと思いきや最初からお洒落。たまんねえ。
まさに潜水艦。性能も抜群
見てこの無駄のないスリムかつ流線型のデザイン。かっこ良すぎか。
潜水艦モチーフと言われなくても潜水艦だと言いたくなるビジュアルです。
見てよここ。潜水艦のスクリューを模したスクリュー型ノブ。バチクソかっこいい。
ペン先をインクボトルに浸し、ここをクルクル〜と回してインクを補給します。高級万年筆によくあるタイプのものですね。
軸の中にはコンバーターが入っていて、それをこのノブで操作する感です。
ペリカンやツイスビーのように本体軸一体型タンクじゃないので洗浄がカンタンです。
設計された書き味
本体の軸は真鍮製でズッシリ。なので軽いタッチで文字を書くことができます。
ただ万年筆において「重さによる書きやすさ」は「執筆スタミナ」とトレードオフ。
基本的に重い万年筆は持つ時間が長ければ長いほど疲れ……
……るかと思いきやそこは人間工学に基づいた設計なのか重心バランスが絶妙で長時間持ってても苦になりません。
私はプロット作りやその前段のアイディア出しで長時間使いますのでこれは本当に助かります。
ペン先もクール。黒く染まっています。
ペン先自体はドイツ製のもの。書き味はサラサラ7:ヌルヌル3くらいの割合。個人的には長時間書くのにはいい書き味だと思いました。
他の万年筆で比較するのはちょっとシツレイかもしれませんが、プラチナ万年筆から出ている傑作万年筆(個人的な感想です)プロシオンを気持ちサラッとさせた感じ。
あるいはLAMYのサファリ系統のペン軸のタッチがさらに上品になった感じ……と言えば使ってる人は伝わるかなと思います。
良かった点
・長時間使える
これが最高にいい。本体が重いことと、書くときのストレス&疲労感は基本トレードオフなのですが、バランスが絶妙すぎてずーっと書けます。
・とにかくカッコイイ!
潜水艦に興味があろうがなかろうがこの黒は上品さがあって目を引きます。
スクリュー型のノブがいいんだこれが。ミリタリーくささがないのに、確かにミリタリーというデザインも素晴らしい。
・箱だしで問題なく書ける
明示されずとも高い万年筆は調整(変態的に言うと調教とか言い出す人もいる)が前提なのがほとんどです。
これが敷居を高くしている問題であり、逆に万年筆を沼らせるポイントでもあると思います。調整できる人はそれだけで職業になりますからね。
で、このサブマリン万年筆はというと箱出しから完璧の状態で使えます。
掠れなし滲みなし。最高か?
もちろんインクの種類、書く紙の種類にもよるところもあります。
ですが、それを差し引いても品質が高い。素晴らしい出来です。
悪かった点
・現状購入する手段がないに等しい
Makuake締め切っちゃいました。
多分販売するところは出てくるかと思いますが入手難易度は高めになるかな〜なんて思います。
・ペンの重さが運搬時にクる
使っていて重さは全く感じないほどの絶妙バランスですが、それはあくまで使用時の話。
ペンケースに入れて持ち出すとその重量を否応なしに感じてしまいます。ちっちゃい文鎮入れてんのかい!みたいな。
パンパンに筆記用具を詰める人は特にヤバいかも。
・高価
Makuakeのサイトを見ればわかると思いますがこれは高級筆記具の部類に入ります。
好きでなければ中々手が出ないと思いますし、ただ「万年筆で書く!」というのであればプレピーなど500円前後の最安万年筆で十分です。
むしろそっちの方が万人向けかつボールペンの使用感に寄せているので、初めての人はそちらを選んだ方が良いと思います。
・ミリタリーに興味が無ければ魅力半減
ここが辛いところですが
「潜水艦モチーフなんだって!」
と鼻息を荒くしたところで興味ない人には
「ふぅん、そう」
で終わってしまうのが辛いところ。
まあ潜水艦云々と言わずともシャープで黒いシルエットはただただカッコイイですけどね。
結論、最高。
素晴らしいとしか言いようのない万年筆でした。
特に私のようにプロユース前提の人には最高。見た目もいいしそれだけで創作意欲が湧いてきます。
万年筆を使う人ならば是非ともゲットしていただきたい一品です!