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闘う人を見てお腹が空いた日(2023年4月8日、新日本プロレスを観戦して思ったこと)
全9試合が終わって、余韻冷めやらぬ中で感じたのは「お腹が空いた……」だった。
対戦カードは入場曲で発表となった第1試合から驚きの連続で、お祭り騒ぎのテンションになった。
どんどん濃くなっていく試合に引き込まれて、声援にも力が入る。
観客の身でも体力は消耗する。そんなことに、改めて気づいた日だった。
試合後、立ち寄った居酒屋で空腹を満たした。
あれこれと食べているうちに、思っていたより早く満腹になった。
そうだ、私は試合に出たわけではないのだと、はたと気づく。
応援しているうちに、選手と同じくらい消耗したと錯覚していたようなのだ。
忘れかけていた身体感覚を、プロレス観戦を通じて再認識する。プロレス観戦で私の心が動く理由の一つがそれだ。
プロレスが面白い、と観続けるうちに、闘う身体を自分のものにしているプロレスラーへの憧れや敬意は、同化をも引き起こし、私自身の身体感覚に錯覚をもたらした。……ということなのかもしれない。
これがまた不思議と、何だか幸せな感覚なのである。
身体がある、私が在る、そんな、当たり前のはずのことを、論理でなく体感で知ることができた。そんな気がする。
まだ私自身つかみきれていないけれど、この日感じた空腹感にまつわる思いも、プロレスの魅力の1つなのだろう。
そんなことを思った日だった。
さて、次はどんな試合を観られるかな。