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闘う人を間近で見た日(2022年9月11日、スターダムを観戦して思ったこと)

観戦前の考察

「プロレスを観ると元気になれる」
 その「元気」は、「生きる気力」だと私は思う。
 何となくやり過ごしているだけの日々に、プロレスというイベントが現れることで、色々なことをあきらめないで生きてみようという気持ちになる。
 祭りに似た効果なのかもしれない。

 何はともあれ、プロレスは面白い。

ある視点

 観戦のきっかけになった林下詩美選手を応援したくて、私は再び会場へ足を運んだ。
 チケット運に恵まれ、選手が控室へ引き上げる通路のすぐそばの席での観戦となった。

 勝者は、入場してきた花道で帰り、敗者は、何の飾り気もない通路で帰る。
 通路というか、柵もないただの通り道のすぐ横で、私は闘う人を見送ることができた。

 一人で痛みを堪えながら引き上げる人。セコンドについていた仲間に支えられながら帰る人。
 リングの上で闘う姿は力強さもあって大きく見えるのに、私の目の前を行くプロレスラーは、私とほぼ同じ目の高さの人に見えた。
 中には飛び抜けて背の高い人もいたけれど、「彼女たちも人間なんだ。私も同じ人間なんだ」と思った。

 当然の事実ではある。全く知らなかったわけではない。
 ただあの通路横という至近距離が、私に強い実感をもたらした。

観戦後の考察

「生きて闘っている人間」は虚構ではなく、確かに私の目の前にいて、私と同じように現実に生存している。

 その現実感があるからこそ、「闘う体を自分のものにしている」プロレスラーへの敬意と憧れが生まれ、「私も頑張ろう」という「生きる気力」につながっていくのだろう。

「プロレスを観ると元気になれる」
 それを実感すると共に、これまで私が興味を持ってきた物事と比較してみると、プロレスは一つの到達点のような気がしてきた。

 プロレスは現実感が強いから、現実を「生きる気力」に直結しやすいのかもしれない。
 生きている限り、「生きる気力」は確実に必要となる。
「生きる気力」を自分に供給するためにも、私はプロレスを観続けていくのだろう。

 さて、次はどの試合を観に行こうかな。

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