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ベルトをかけて闘う人の執念を見た日(2023年3月18日、東京女子プロレスを観戦して思ったこと)
ベルトは、プロレスラーの実力の証。
ベルトは、プロレスラーの自信とプライドを形にしたもの。
そんな考察をした稿がある。
ベルトの意味を再び考えてみたのは、またしても東京女子プロレスの試合だった。
3月18日。この日は、お祭り感漂うものから熱いタイトルマッチまで、ボリューム満点の全10試合。
ベルトのかかった3試合、結果は全て新王者誕生。
特にシングルのタイトルマッチ2試合は、タッグパートナー同士の対決。
インターナショナル・プリンセス選手権は、王者渡辺未詩選手 vs 辰巳リカ選手。
パワーで押す渡辺選手にジャイアントスイングをかけられながら、チョークで抵抗する辰巳選手。スリーパーホールドをかけてくる辰巳選手を担ぎ上げてぶん回す渡辺選手。
異次元すぎる戦い……!
それでも渡辺選手のパワーが勝るように見えた終盤、辰巳選手のホワイトドラゴンスリーパーが炸裂。辰巳選手が勝利し、東京女子プロレスの全ての王座に就くグランドスラムを達成。
何をしてくるか予測不可能な辰巳選手の真骨頂にも思えたし、ベルトを手にしたいという執念も感じる試合だった。
メインイベントはプリンセス・オブ・プリンセス選手権。王者坂崎ユカ選手 vs 瑞希選手。とても仲良しなタッグパートナーの印象が強い二人の対決は、二人らしい動機と意気込みと闘志がぶつかり、混ざり合っていく展開。瑞希選手が「ユカっち、なめるな!」と飛びかかったり、終盤にフットスタンプを畳み掛ける姿が印象的だった。
何度も挑戦して、届かなかったベルトへの執念を感じる試合でもあった。
執念。
少し怖い響きのある言葉だが、つまりは諦めないということなのだろう。
色々と諦めていたことを、実は諦められずにいたんじゃないか。
などと、我が身を振り返って息を呑む。
そんな風に心が動いた試合だった。
さて、次はどんな試合を観られるかな。