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ごめんとか、ありがとうとか
わたしは7SEEDSという漫画が好きです
7SEEDSとは
登場人物たちがごく普通の日常をすごしていたはずなのに、次に目が覚めた時には知らない人たちと知らない場所に放り出されていて
そこはなんと隕石で滅亡しきった地球でした!
君たちは選ばれし7人なのでここで頑張って生きてくださいねー、と滅亡前の日本政府から何も知らされずに託されていたのです
7人1チーム、春夏秋冬の4チームに別れた7つの種はそれぞれどう生きるのか、抱えてきた過去をどう精算するのか、人の醜さや美しさの真髄、人の強さと繋がりが描かれた超名作なんですね
その漫画の中に、安居(アンゴ)という男の子がいます
彼はまあかなり(というかめちゃくちゃ)悪役チックな立ち位置な人なんですが
過去に大切なお友達を亡くしているんですね
それも「自分と友達、どちらかが死ななければいけない状況で目の前で友達が自死した」ようなものなんですけれども
ネタバレになるので詳しく語れませんが
「対等でありたかった、ごめん、とか、ありがとう、とか、話したいことがあった」
そういう呪いのようなものを抱えて、彼は未来の種のリーダーとして歩いてきたのです
ストーリー上での悪行は凄まじかったです
性的暴行の描写もありましたし、普通に誘拐拉致脅迫もしてた気がします あと普通に殺人
それでもわたしが安居を好きな理由が
「何も知り得なかった少年が人との関わりを経て過去を精算し、ごめんとかありがとうとか、そういった簡単な言葉を言えるようになる」という精神的成長があったからです
そして、周囲の人間たちがその成長を見ても安居を許そうともしなかったこと
それを受け入れた上で、未来の人間として貢献しようとしていたところ
なんですね。悪行は好きじゃないです
凝り固まった考えを解すのって大変なんです
こうであれ、こうするのが正しい生き方、こうしなければいけない、そういった考えに縛られて生きてきた人間にとっては、それを否定されることや解放させようとされることはとんでもない苦痛だとわたしは思います
わたしは安居の言いたいことがよく分かります
ごめん、とか
ありがとう、とか
そんな簡単なことも言えないような、些細なプライドのような、なにかが
自分はそんなつもりじゃなかった、とか
そういう気持ちも、痛いほどわかってしまいます
だからこそ、安居が過去を乗り越えて改めて歩き出せているストーリーがとてつもなく刺さりましたね
周りがは?絶対許さんけど?っていう反応を示してくれたのも含めて刺さりました 悪行は消えない
7SEEDS、登場人物かざっと20人近くいてわりと全員過去を深堀してくれるのでおすすめです
陰キャから陽キャから美人お姉様おじ様カップル野球選手etc...なかなか皆キャラが濃いです
ただ絵のタッチが独特なのと、虫や病気の描写がかなりリアルだったり、普通に人が死ぬので苦手な人はかなり無理かも
でも人生で1回は読んでほしいなあ
ただの漫画布教noteでした