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B2B SaaS企業の 展示会アライアンス施策メモ (スタンプラリー/ブース内セッション)


Repro Marketing Teamの伊藤(@n_11o)です。


# これは何

- アジア最大級のデジタルマーケテイングカンファレンスad:techtokyo2019でReproが行ったミニセッション&スタンプラリー企画「ad:tech tours」の振り返り(kpt)と引継ぎのメモです。

# ドキュメント公開の背景

- 元は社内向けのメモだったのですが、社外の何人かの方から企画の背景や取り組みのプロセスを聞かれたのでドキュメントをオープンにするという形でそのまま共有させていただきます。ブログを書く元気は無かった…💀
- esaという社内wikiからのコピペなのでマークダウン記法も基本そのままです。また、一部wipなので随時追記していくかもしれません。追記要望やフィードバックもどしどしお待ちしております。
- 展示会の結果自体はそこそこ良かったのですが、オフラインマーケについて講釈を垂れたり個人的な苦労話/自慢話を書くつもりは無いです。ただReproという会社が日々どういうスタンスでマーケ施策を考えたりパートナー/クライアントと向き合っているかが少しでも伝われば幸いです。

# このドキュメントの対象者/チーム

## メイン対象
- Reproで来年この企画をやることになるマーケ担当。反省しかないので来年はもっとスムーズに企画/運営ができると良いなと思います。本ドキュメントが少しでもお役に立つことを信じて。
- Reproのマーケマネージャー、ないし展示会の予算を握っている人。2019年は頑張ってブランディング/商談創出の両面で成果も出たので、2020年も現場の担当者の「(お金かかるけど)これやりたい」をできるだけサポートしてあげてください。

## サブ対象
- Reproで、ないしRepro以外で来年以降のad:tech tokyoを盛り上げたいと思っている出展企業の方。
- 展示会でのマーケティング施策に頭打ち感を感じているB2Bのオフラインマーケ担当者。

# このドキュメントに載っていること 

- ad:tech toursという企画の背景、目的、概要、ざっくりの進め方
- 実施にあたって作成した企画書や当日の盛り上がりのtweetなどのリンク
- 実施してみての振り返り(kpt)

# このドキュメントに載っていないこと

- ぼく(@n_11o )個人の想いやB2Bマーケに対する考え方など
- 名刺交換時のトークスクリプト、クオリフィケーションの工夫などいわゆる展示会マーケティングのtips
- リード獲得数や商談創出数など展示会出展自体の細かいkpi

# はじめに : 謝辞

本企画はad:tech tokyoにご出展された企業のうち約半分の31社、2日で16個実施したミニセッションのご登壇者 計54名、そしてアドテック東京の運営母体であるコムエクスポジアム・ジャパン株式会社様のご協力によって実現しました。改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

## ad:tech tours協力企業様一覧

アセット 11

## ad:tech tours実施セッション一覧

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# 何をやったのか

- ざっくりいうと、ad:tech tokyo 2019で出展するにあたって自社ブースへの集客を最大化するためにミニセッションとスタンプラリー企画を実施した。
- 企画は主催のコムエクスポジアム・ジャパン株式会社様にも話を通し、アドテック東京公認のものとして進めた。

# 本企画のkpi

- 新規名刺獲得数と新規商談創出数。追ってるkpiは他の展示会出展と変わらないかと

# なぜやったのか

- 10xな成果の実現 、これに尽きる。ad:techは昨年もそこそこアポイントが取れており、今年は良い出展位置を確保できたため普通にやっても昨対比120%くらいは達成したかと思う。しかしながらマーケ全体に課せられている目標は高く、5倍、10倍の成果を上げたいと思ったときに展示会出展のやり方そのものをゼロベースから再考する必要があった

# 企画を考えるにあたって重視したこと
## 自社の行動指針

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- Reproの行動指針である「クライアントファースト」「プロアクティブ」の精神が企画考案~実行のベースにある
- 特に「ステークホルダー全員がwinになるためにはどうすればいいか?」というのは考え抜いた。「何百万もかけて出展してるんだから元を取ってやろう」というような考え方ではなく、こちらがお金を払っているad:tech運営事務局側や、将来的にも取引先にはならないかもしれない来場者であっても僕らの企画でwinを生もう、楽しんでもらおう、というスタンスでやった。
- 「これだけリソースかけてるんだからお金取ってもいいのでは?」という意見も貰ったが、初年度で結果が出るかわからないのと自社にとってもwinな企画になっている自信はあったので基本的に自社の持ち出しで行った。

# 「展示会マーケ3.0」という考え方

展示会マーケ3.0

- 2社以上で共同出展して相互送客し、名刺獲得を最大化するという手法は展示会マーケティングで近年ポピュラー(SATORIさんやミエルカさんが上手くやっているイメージ)だが、上述の通り2~3倍ではなく10Xな成果を出したかった。
- なので「自社+共同出展企業の名刺獲得目標を全来場者数のうちのX%と置く」というアプローチではなく 「基本的には来場したほぼ全員と接点を持てる仕組み」 を作らねばならず、それを実現するにあたって必然的に出展企業だけではなく主催企業側も巻き込んだ企画を考えることとなった。
- 「自社のみ」-> 「自社 + 他社」-> ときて「自社 + 他社 + 主催企業」なので、主催企業も含めた展示会のステークホルダーを巻き込んだマーケティング施策の取り組みを「展示会マーケ3.0」と勝手に名付けてみた。

# 本企画で必要な人員と役割について

当日ブースに立つインサイドセールスやセッションのモデレータなど展示会自体はもっと沢山の人が関わるのですが、本企画(セッションやスタンプラリー)を行う場合は下記の役割が必要

役割分担

# 企画書について
## 最初に出した企画のたたきメモ

- 8月末になんとなく今年のad:techは頑張らないとやばそうだということで9月頭に最初に出したメモ。

- スタンプラリーの構想も無かったし練られていないところだらけだったが、チームの皆が優秀だとガンガンフィードバックくれて企画がブラッシュアップされるので完成度低くてもとにかく早く出した方がいい。ディスカッションポイントやpros/consは明確にしておくこと。本当にこれにつきる

## 企画への参加打診用の企画書テンプレ

- 上記たたきを経て、9月下旬に完成
- パートナー説明用ではありますが、ここに企画の概要やパートナーにとっての参加メリットなどが書いてあります
- 今年は都度会社名や文言微妙に変えて1社ごとに資料カスタマイズしてましたが、手間だし企業名を間違って送付する可能性もあるのでテンプレの資料が一つあればいいと思います


# 企画の打診について

各企業に企画を打診するのは大きく3パターンあった

1. 元々関係値がある(過去にセミナー実施してたり担当者の連絡先知ってる)企業のパターン
自分が直接の知り合いの場合は自分で、自分は繋がっていないけどパートナー事業部でパイプありそうな企業はパートナー事業部経由でお願いしましょう

2. 関係値ないけど参加してほしい企業のパターン
お問合せフォームやプレスリリースに記載されているメールアドレスから連絡するしかないです。2019年度は全く関係値ない企業にお声がけした承諾率7割くらいはいってます。意外と皆さん優しいので臆せずメールや電話で突撃しましょう

3. 出展企業側からご連絡いただく企業のパターン
 adtech運営事務局が定期的に出展企業にメルマガをご案内しているので、その中にad:tech toursの告知も入れてもらいましょう。

1~3いずれの場合も、返信がきたら一度オンラインmtgをすること。メールで済ませずオンラインでもいいので顔合わせをしましょう

# 参加承諾後の各企業とのやり取りについて
## 個別連絡

- レスのスピード優先のため、どの企業とも可能な限りメールではなくFBメッセージに集約したほうがいいです。
- スタンプラリーのやり取りをするFBメッセのグループとセッション内容についてやり取りするメッセのグループは混ざらないように命名規則を統一したほうがいいです。

- スタンプラリー…  "【Adtech施策連携】news TV × Repro " など {連携先企業名} × {自社}
- セッション… " 15.【Adtech ミニセッション】Phybbit × Finc × Repro" のように {セッション登壇企業A}× {セッション登壇企業B}× {自社}

- 繰り返しですがレスのスピード命です。30社以上とやり取りすることになるのでパターン別にテンプレートの文章などを用意しておくと楽です

## 全体連絡

- 一通り参加企業へのご説明が終わったら、全体連絡はFBイベントを作ってまとめてご連絡するほうが良いです。
- 全体連絡で告知 -> 返信が必要なのに連絡がない企業については後追いで連絡、という進め方が基本

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# LPについて

## LP 

## LPの要素を書いたメモ

- Reproのデザイナーは優秀なのでワイヤーなどなくても要素さえ固めればLP作ってくれますが、本当であればワイヤーまでは自分でやりましょう

# snsでつけるハッシュタグについて

- twitterでは #adtechtoursで投稿。一緒に #adtechtokyoもつけること 
- 登壇企業やスタンプラリー参加企業にも積極的にシェアをお願いしましょう

# デザインのコンセプトについて

- 「アドテック東京の公認イベント感」かつ「Reproのデザインのテイストは守る」というのが企画オーナー側からのオーダー
- 来年も公認でやるのであれば、大きくデザインを変更する必要は無いと考える

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# 造作物について

- 最低でも以下が必要です。漏れがないかとスケジュールをデザインチームと確認しましょう

造作物

- 印刷物が7~10営業日前にオフィスに到着して現物が確認できるくらいの納期が理想です。今年は印刷や印刷したあとのアセンブリ作業を考慮してなくて死んだ。

アセンブリでマーケメンバー総出の図。みんなすまんな…

アセンブリ


# スタンプラリーの参加パスについて

- かっこいいデザインにしたのはいいが、穴にひもを通す式だと3000個発注して一つひとつ参加証を作るのがめちゃめちゃ大変だったので来年はGoogleがゲームショウでやっていたような折りたたみのデザインの方がいいのではないか

参加パス

# 景品について

- iPhone 11 Pro Maxが景表法に抵触する可能性があり急遽11に変更。
- 来年からは予算以外に、法律的な観点も考慮する

景品1

- スポンサー商品はもっと目立たせてもよかったかも <- 実現するためにも来年はもっと前もって商品を決めていただく

景品2

# セッションについて

- 2日間で計16セッション、ゲリラセッションも入れると計18セッション。
- 基本的にはスタンプラリーに参加いただいた企業にパネラーとして登壇いただいた
- テーマとして被りそうなもの(例. アドフラウド)は同じ日に2回続かないように配慮した。また、Repro社内のモデレータも、モデレータを務めるセッションの時間帯が離れたり1日目と2日目に分かれたりしないように配慮した

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ゲリラセッション

# 企画のKPT

- kptというよりp(反省)をつらつらと書く
- ad:tech tours(ミニセッション & スタンプラリー)に関して重点的に書いており、Reproのブース自体のオペレーションのkptはこちらに記載していないので別のドキュメントを参照

## ミニセッション施策に関して

- そもそも企画作るのがギリギリすぎた
->  3~5営業日前には全てのスライド資料ができている状態にする

- 時間帯によってはセッション見てる人が少なめだった(5-10人)
-> 入口でセッションのフライヤーとか配ってもいいかも
-> 一緒に登壇する人には必ず1~2人のガヤを連れてきてもらう。なんかよくわからないけど人だかりできてる感大事
-> 実際いちばん人が集まったセッションは、登壇者が友人/同僚を沢山連れてきてくれてそれが呼び水になった 

- セッションブースの「#adtechtours」の文字、人が座ったら見えない
-> 人が座ったうえでブース設計する

- セッションはテーマによっては文字以外のスライドを用意しないと通りかかったときに言葉だけで何の話してるかわかりづらい
-> 内容によってはガッツリ資料用意する

- セッションのugcが生まれていない
-> 業界のインフルエンサーに企画について事前に働きかける。

- タイムテーブルのパネルが小さくて遠くからだと何時に何のセッションやるかわからない
-> もっと大きく作る

- 設計の問題だが、セッションが目立つ構造になりすぎていてセッションが無い時間だとブースが寂しく見える気がした
-> バベルさんやApplovinさんなど椅子を用意してブース内セミナー実施しているところも同じ問題がありそう

- ストリーミング配信について、ネットワークのキャパを考慮していなかった。
-> Wi-Fiを余分に持っていく

- セッションは集合時間が本番の30分前で本番が20分だったが、15分前集合で30分コマとかでも良かったかも。事前にやっているのもあって当日にそんなに打合せ要らなかった
-> セッション数も含め、来年に再考する 

- 社長のゲリラセッションを見ていて思ったけど、話がうまかったり知名度がある人だとスライドなどを準備しなくてもひとは集まる。
-> 各セッションの企画にリソースをとられ過ぎたかも。来年やるならヤプリさんのようにテーマは行き当たりばったりで、どういったテーマでもある程度面白く話せる人をアサインするほうが企画側の準備は少なくて済む
-> 一方で、そうするとうちや他社の登壇者にとって持っていきたい話の流れにできない場合が起きうるので、バランスが難しいところ

## スタンプラリー施策に関して

- 卓上パネルと一緒にスタンプラリーの参加パスを入口においたのでみんな入口でもらってはくれるが、  実際にReproのブースに来てガチャガチャにチャレンジする人はずっと少なかった

卓上パネル

- これが今回の一番の誤算だった。「参加パスを来場者がほぼ全員とって、景品を豪華にすればみんな参加してくれるだろう」という考えが甘かった

<改めてわかったこと>
フライヤーに書いてある説明などをいちいち読む来場者のほうが少ない
-> 入口でスタンプラリーの説明をする
-> スタンプラリー協力してくれている他社にもトークスクリプトを仕込み、ad: tech toursの説明をしてもらう などの対策が必要

ad:techに来る勉強熱心な層にもかかわらず、「ブースを3社分回る」のも意外とハードルが高い
-> 来年はブース1社で1回ガチャ挑戦にし参加ハードルを下げる

ブースがあれだけ大きくて会場の中心地にあっても、Reproでガチャガチャができることは気づかれなかったりReproの近くを通らないスタンプラリー参加者も多い
-> 来年やるとしたらガチャガチャは **帰り際に必ず通る場所に置かせていただけないか交渉する** など、今年より一層adtech運営事務局の方と連携して企画をブラッシュアップする必要がある

- スタンプラリーのugcも生まれていなかった
-> やはり「ツイートしたらガチャ一回挑戦できる!」などシンプルなインセンティブも入れてよかったかも

...という感じで反省し出したらきりがないのですが、社内外の様々な方にご協力いただいた分、学びも多い取り組みでした。

より詳細な内容について知りたい方はTwitterFBでご連絡ください。

最後に、企画の具体化や実行、泥臭い作業までやり切ってくれたReproマーケチームの皆さん、ありがとうございました。師走も一緒に走り切ろう。


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Naoki Ito(LayerX/㈱銭湯ぐらし)
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