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Jリーグクラブのゴール裏として正しく評価されるために
ご無沙汰しております。
2025シーズン開幕戦、お疲れ様でした。
今シーズンもよろしくお願いいたします。
本来、僕のnoteの投稿は、毎年シーズンが終了した段階で、その年を振り返るためのものに過ぎませんでした。
しかし、個人的な交友関係が広く、フットボールを愛する同志としてお世話になっている若手サポーターが多くいる千葉とのホーム開幕戦を終えて、いわきFCのホームゴール裏の”貧弱さ”を痛感すると同時に、そこで抱いた嫉妬や悔しさに居ても立ってもいられず、このnoteを書くことを決めました。
これまでのnoteと同様に、思いついたことや感じたことをただひたすら羅列するだけの拙い文章になりますが、最後まで読んでいただけると幸いです。
※なお、このnoteはあくまで僕個人の意見であり、統率団体としての方針や意思を示すものではないことに留意してお読みください。
いわきFCホームゴール裏の現状
開幕戦を終えての正直な感想から。
現体制10年目となる記念の年、妥協して何も行動に移さずに後悔することだけは避けたい。忖度なしに言えば、ゴール裏のレベルがカテゴリーに追いついていない。
それを統率する自分自身も含めて、J2で戦うクラブのレベルには到底及んでいない。ピッチレベルからの映像を振り返り、ビジターサポーターに何もかも圧倒されているという事実が0-2での敗戦という結果以上に悔しいです。
新チャントが覚えられない、なんとなくサポーターがソワソワする――そういう開幕戦特有の雰囲気だからということではなく、以前から、ビジターサポーターが多く来場する試合では声量で圧倒され、ホームのアドバンテージを十分に作り出せていない。これが、いわきFCゴール裏の現状です。
ビジターサポーターとの最大の差を感じるのは「声」の部分です。声量、野太さ、厚み――これまで参戦したアウェイゲームでのホーム側サポーターと比べても、明らかに劣っています。
そもそも前提として、ハワスタは構造上、ホーム側が不利な条件を背負うことになります。座席が設けられ、個々の区画が最初から定められているホーム側ゴール裏に対し、ビジター側ゴール裏は芝生席のため、密集しようと思えばホーム側以上にサポーターの密度を高め、応援に厚みを生み出すことができます。
今置かれた環境のせいにするのはあまりにもダサすぎるので、仮にそれらのハンデがない状況を考えたとしても、「声」の課題は大して解決されないでしょう。
アウェイでの応援が評価されることがあり、実際にアウェイゲームの方が声量が大きく一体感があるように感じる方も少なくないと思います。僕もその1人です。ただ、それはハワスタのホーム側ゴール裏が700席にも満たないのに対し、近郊アウェイは1000席前後、さらに応援の評価が高いと感じたのはカンセキ、フクアリ、ユアスタと屋根による音の反響を受けやすいスタジアムに限った話であり、至極当然のことです。
ホームスタジアムであるハワスタで勝利することが浜を照らす光になるための1番の近道だと信じているので、その勝利のために必要な圧倒的なホームの雰囲気を作り出す「声」の課題は無視できないと考えています。
いわきゴール裏が受けている評価
あくまでも個人的な感覚での話になりますが、これまでいわきゴール裏が受けている評価として挙げられるのは、「アットホームで暖かい」「誰でも参加しやすい」といったものが殆どであるように感じます。
「良い意味でヌルくて気負わずに参加できる」といった評価をされることがありますが、正直、不本意です。ある一定の層のサポーターからは反感を買うかもしれませんが、それが正しい評価とされるのは地域リーグまででしょう。
リード団体の人間として、皆さんの前に立たせてもらっている身として、「安心安全な誰でも楽しめるゴール裏を作る」と公言していますが、それを別な意味としてそのように評価されるのは本当に不本意であり、正しい評価がされているとは到底思いません。
僕が目指すのはあくまでも「安心安全で楽しめるゴール裏」と「圧倒的ホームの雰囲気を生み出す気迫溢れるゴール裏」の"共存"であり、どちらか一方を目標として定めたからといって、もう一方を捨てるということではありません。
その共存を実現させるクラブこそが僕が目指す"唯一無二のクラブ"です。「アットホームで暖かい」「誰でも参加しやすい」といった雰囲気を否定するつもりはありません。そこで不本意ながらに生まれてしまうヌルさを試合中に持ち込まない、試合中には目の色を変えて、目の前の相手を叩き潰す。そんなメリハリのあるゴール裏を作っていきたいです。
「声」の課題の原因
声の小ささ
大きな原因の一つはサポーター個人の声の小ささです。現状を把握するために選手アップ時にゴール裏を歩いて回ったことがありましたが、一人一人の声が小さく、選手に届いていないのではないかという声量の人がゴール裏の殆どを占めていました。
恥ずかしさが邪魔をして大きな声を出すことや叫ぶことに躊躇してしまう気持ちが生まれることは理解しています。試合後に声がガラガラになるのも最初の数試合だけで案外慣れてくるものです。毎週末のサッカー観戦という非日常的ないわきのお祭りの時だけでも、腹から声を出して目の前の試合に没頭する。それだけでもサッカー観戦における満足感が劇的に変化すると思います。
大きな声で歌うことがマイノリティになっている今のゴール裏を、極論として、大きな声を出していないサポーターが良い意味で居心地の悪さを感じ、大きな声を出さなければいけないと思えるようなゴール裏に進化させていきたいです。
声を出さないサポーターの多さ
ゴール裏で声を出さないサポーターが多く存在することも課題の一つです。歌詞が分からないから、バックスタンドが既に満員で入れず仕方なくゴール裏に座るしかなかったから、選手が投げ込むサインボールが欲しいから等、様々な理由があることでしょう。
そのような方達に一緒に歌ってもらうための取り組みや技量が足りない統率団体にも大きな責任があると考えています。
しかし、試合観戦に集中したい一方で、時には声を出して応援したいといったサポーターが見受けられるのも確かです。
ゴール裏とバックスタンドが同料金で、観戦者には2つの選択肢が与えられているからこそ、声を出したい人と試合観戦に集中したい人の棲み分けを明確にする必要があります(そのための工夫、クラブとの打ち合わせを進めています)。
ゴール裏を選んだサポーターは、その覚悟を持って90分間応援する、そして僕自身は応援を試合中に切れ目なく継続してもらうための声掛け、チャントの編曲、ドラムの使い方に磨きをかけていきます。今後も引き続き努力していきます。
統率団体のマンパワー不足
統率団体に属するサポーターの当然の共通事項・責任として90分間サボらないことが挙げられます。それに加えてゴール裏のサポーターを効果的に煽動し、応援の爆発を引き起こして連鎖させることも責任ある仕事の一つです。
団体メンバー数人をゴール裏の各所に配置し、応援が引火するポイントを増やすことができれば理想的ですが、ドラム、パイプフラッグ、コールリーダー、サブコールリーダー等に人員を割くあまり、各所に配置するために十分な人数を確保できていません。
統率団体はスカウト制であり、団体メンバーが常にゴール裏に目を配り、スカウトを行っています。
まだまだ若い力、そもそもの人数が足りず、アウェイへの荷物の運搬、幕搬入等での人手不足も深刻な問題です。
今後も継続してスカウトを行い、団体のメンバーを増やすための努力を重ねていきます。
まとめ
ゴール裏の現状、課題、解決策を述べましたが、最終的には感情論に偏った気持ち面での解決策にとどまり、具体的な施策を思い浮かべられなかった自分の不甲斐なさを嘆く結果となりました。
サポーターが声を出して応援したところで結果には影響しないと言われることも多くありますが、声援を含むサポーターの応援に僅かな可能性を見出し、全力を注ぎ、青春をかけて突っ走ってきた人生だからこそ、地元いわきで応援の最高傑作を作り上げたい。
偉そうに語ったこの事実を自戒として受け止め、今後の十字架として背負い、真摯に努力していく所存です。
"ヌルさ"を良しとする誤った評価を受け入れることなく、「安心安全で楽しめるゴール裏」と「圧倒的ホームの雰囲気を生み出す気迫溢れるゴール裏」の"共存"を目指し、Jリーグクラブのゴール裏として正しい評価を得るために、いわきFCサポーター全員で歩んでいきましょう。
今回のnoteはゴール裏に重きを置いた記事となってしまいましたが、バックスタンド、メインスタンドも重要な役割を担っています。
両者とも声出しが可能な座席であり、ゴール裏と同様の声援を送ることが可能です。
メインスタンドはゴール裏、バックスタンドに比べて視点が高く、ピッチ全体を見渡せる座席です。ゴール裏やバックスタンドの観客が見逃しがちな些細な良いプレーにも全力で拍手や声援を送り、相手のラフプレーやレフェリーの不可解な判定にはNOを突きつけ、選手と共に闘っていただけると嬉しいです。
バックスタンドは選手がアップ時や入場時にピッチに入ってくる際、一番最初に選手の目に留まる座席であり、ピッチに最も近い位置にあります。タオルマフラーを掲げて、フラッグを目一杯に靡かせ、その日の選手の起爆剤となり、試合中は近距離から選手に大きな声援を送り続けていただけると嬉しいです。
そしてゴール裏、勝利時に最も選手の近くでいわきおどりを踊ることができる場所であり、その勝利のため、いわきFCのために立ち見での応援が許されている唯一の座席です。都合の良い時だけ"いわきFC"の一員になるのではなく、上に行くのも下に行くのもどこまでもクラブ、選手に続いていく覚悟を持ち、ビジターサポーターに負けない圧倒的な雰囲気を創り出していきましょう。
選手に対して、90分間倒れず勝利を目指して闘うことを求められるのは、自分がするべきことを全力で遂行したサポーターのみです。選手と横一線で同じ立場で闘うためには中途半端な応援は決して許されません。
2025シーズン、クラブとして現体制10年目、個人としては学生最後の年であり自由に試合観戦ができる最後の年。J1昇格に向けて、後押しではなく横一線で選手と闘うために、謙虚に貪欲に努力していきます。
改めて、今シーズンもよろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。