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『風にきえないで』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)

今回は『True』8曲目『風にきえないで』です。
7曲目の『Lies and Truth』に引き続いてのシングル曲(6曲目も実質シングルですね)ということで、アルバムの中でも特にキャッチーで耳障りの良い曲が続くセクションになっていますね。
このアルバムでは初のtetsuya作曲の楽曲がようやく8曲目に登場です。
というかここからラストにかけての3曲は全てtetsuya作曲なんですよね。
このアルバムの後半にtetsuya作曲の楽曲が固まっている傾向は以降も続いていきます。
この曲順には少し思うことがあるので、またの機会に語ることができれば‥

この『風にきえないで』は『夏の憂鬱[time to say good-bye]』の次のシングルなので、アルバム『True』の中では割と初期の頃から形になっていた楽曲なのだと思われます。
そのためか、少し『heavenly』までの空気感が残っているように感じるのは私だけでしょうか。
また、この曲のプロデュースには言わずて知れた名プロデューサーの佐久間正英さんが関わっています。
結局佐久間さんがL'Arc〜en〜Cielに関わるのはこのシングル収録の2曲のみなのですが、当時人気を2分する存在として比肩されていたGLAYと同じプロデューサーのもとで活動を続けていたらどんな未来が待っていたのかということも妄想してしまいますね。

この楽曲に対しては、とにかくストレートな楽曲という印象があります。
『heavenly』までの空気感を持って凄くシングル然とした楽曲を作ったらこうなったというな、初期L'Arc〜en〜Cielの一つの完成系のように感じられるんですよね。
ここから次のシングル『flower』になると、次のステージに踏み出したような印象もあったり。
そんな転換点に位置するような楽曲にも関わらず、今一つ日の目を見る機会が少ないのは残念なところです。

この曲もギターのアルペジオが印象的で、開放弦を多く使った細かいフレーズが多出するのでライブで演奏するのは確かに大変そうな気もします。
Cメロで登場するSUGIZO的な音遣いのリードフレーズは曲の良い味付けになっていますよね。
ギターソロでは、前に何かの曲でも話した、明るい曲でギターソロになると急に少し不穏な雰囲気になるパターンが登場します。
この展開の付け方は上手いなぁと思いますし、kenの定番パターンでもありますよね。

リズム隊の演奏は勢いのある中に所々細かい遊びのあるフレーズを盛り込んでいて、なかなか聴きどころが多いです。
特にBメロのsakuraのライドとハットのオープンクローズを混ぜたフレーズと、人回しめのBメロのブレイク前のtetsuyaのフレーズが好きです。

と色々語ってきましたが、この曲で一番語りたいのはMVについてです。
このMVかなり好きなんですよ。
まずhydeのルックスが完成し尽くされてるんですよね‥
この頃の画質の良過ぎない映像も相俟って、ミステリアスさが増幅されているように感じられます。
こういったレトロな映像でしか得られない良さっていうものもありますよね。
マイクが何故か上から垂れ下がっていたりと謎な部分も多々あるのですが、全メンバー見せ場があり完成度の高い映像になっていると思います。
MVも是非視聴してみてください。


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