『アイソトープ』ACIDMAN(思い入れのある曲シリーズ)
今日はACIDMANを取り上げる。
ACIDMANを熱心に追いかけていたのは高校〜大学時代の辺りで、アルバムでいうと『創』〜『LIFE』の頃だった。
当時自分は楽器を始めたこともあり、色々な音楽を聴いて、演奏の参考になるような材料を集めようとしていた。
どちらかというと各楽器の演奏に焦点を合わせており、曲全体の構成やコード進行についってはあまり気を向けていなかった。
そんな中で、その姿勢を変えるきっかけになったのがACIDMANだった。
初めて『創』でACIDMANに触れた時はサトマさんのゴリゴリのベースとイチゴさんの激しいドラムに耳が奪われていた。
演奏がカッコイイバンドだなというのが、当時覚えた第一印象だった。
それから次作の『Loop』を聴いて、一気にその印象が変わった。
演奏がカッコイイのは引き続きで、そこに加えて曲構成の妙みたいなものを感じるようになったのがこのアルバムだった。
中でも、3曲目の『アイソトープ』には特に興味深い曲だなぁと感じていた。
どこに惹かれたのかというと、この曲、1番と2番でAメロ、Bメロのコード進行が全く違うのである。
1番はAメロもBメロもシンプルなコード進行で、なおかつ同じコードが長く続くので、少し盛り上がりに欠けるような印象がある。
それが2番に入ると、まずAメロはサビで出てきがちな歌物鉄板のコード進行に変化し、Bメロに至っては1番とは似ても似つかないテンションコードから入る構成になっている。
当時はそんなに大胆な構成の曲に触れたことがなかったので、ものすごく刺激を受けたのを覚えている。
この、同じようなメロでも展開によってコード進行を変えてくるのはその後のACIDMANの専売特許のようなものになっており、『FREAK OUT』、『world symphony』、『Returning』等、同様の手法が見られる曲が多数ある。
あと、『アイソトープ』ではそこまで顕著に感じないが、アルバム『equal』以降はギターがバッキングで9thの音を弾いていることが多く、そこから生じる広がり(ディレイをかけてから歪みをかけているのも寄与しているかも)にも強い魅力を感じていた。
ちなみにこの『アイソトープ』も含めかなりの数の曲がアコースティックアレンジされており、アコースティックアレンジのみを集めてアルバムも発売されている。
そちらも夜に聴くには絶好の名盤になっているので、是非聴いてもらいたい。