『空中迷路』marble(思い入れのある曲シリーズ)
久々にアニソン界隈のアーティストについて。
今回取り上げるのはmarbleというアーティストです。
marbleはボーカルのmiccoさんと、楽器演奏と作編曲を担当する菊池さんの男女デュオで、いわゆるPOP、ネオアコ的な音楽性の楽曲を主としてアニメのタイアップを数多く手掛けていました。
marbleの活動期間である2000年代後半から2010年代前半までのアニソン界隈はどちらかと派手なタイプの曲調、歌も伴奏もインパクト強めの楽曲が多かったという印象があります。
そういったタイプの楽曲ばかり聴いていると若干食傷気味になっているところに、このmarbleの楽曲は爽やかな一種の清涼剤のような心地よさを提供してくれました。
数ある楽曲の中で筆者が特に思い入れのあるのがこの『空中迷路』です。
『空中迷路』は「かみちゃまかりん」というアニメのエンディングテーマだそうで、例の如くこのアニメの方は視聴したことがないのですが、アニメを視聴していなくても充分に楽しめる楽曲になっています。
冒頭のアコギとオルガン的な音が入ってくるイントロからして早速爽やかさが凄まじく、秋の涼しげな日に視聴するのにぴったり。
個人的にはその後に入ってくるベースがこの楽曲の肝になっていると思っていて、思いの外骨太な音色で高めの音のハンマリングから入り、そこからルート音に着地するフレーズが良い味を出しています。
miccoさんのボーカルも良い意味で力の抜けた歌唱で、囁き気味の声ながらしっかりと抑揚をつけて歌い上げているのが素敵です。
基本的にはスケール内のコードとメロディで曲が展開していくのでゆったりとした気分で聴くことができるのですが、サビの終わりの2コードのみスケールから外れるところでは少しハッとさせられます。
全体を通して、派手なアニソンは苦手という方でも楽しめる良質なポップスになっています。
秋の涼しげな一日にマッチする楽曲を探している方は是非聴いてみてください。