『Slither』Velvet Revolver(思い入れのある曲シリーズ)
今日は懐かしのバンド、Velvet Revolverについて。
このバンドは生で初めてライブを見た海外アーティストであり、そういった意味で非常に思い出深い。
Guns N' Rosesの存在を知った頃には既にバンドは空中分解状態になっていた。
そのメンバーが過半数を占めているバンド!ということでミーハー心が働き、Velvet Revolverが始動するというニュースを聴いた時には非常にテンションが上がっていた。
アルバム『Contraband』は発売後すぐに入手し、ワクワクしながら再生した。
結果、ガンズとは結構違うなぁ…というのが第一印象だった。
まずボーカルのスタイルや音域が全く違うのもある。
加えてバンド全体の音像もガンズの煌びやかさを感じるようなものではなく、なんというか土臭い雰囲気を感じてしまい、ネガティヴに捉えてしまっていた。
それでも繰り返し聴いていると単純にカッコいい曲は沢山あるし、徐々にスルメ的に好きになっていたところ、来日公演のニュースが飛び込んできた。
チケット代は外タレ価格でそれなりに高かったが、それでもスラッシュやダフを一目見たいという気持ちが勝り、当時の友人と共にダイアモンドホールでのライブに参加した。
会場にはいかにもコアなファンといった雰囲気のイカつい人が多く、とても肩身が狭かったのを覚えている。
そして開演定刻を迎えたのだが…一向にライブが始まらない!
ザッと一時間以上は押していたと思う。
その間何回かメンバーやローディーらしき人がサウンドチェックをしにきていたが、待てど暮らせどライブは始まらず、これが外タレの時間感覚なのか…と途方に暮れていた(個人的にこんなに押したライブは後にも先にもこのVelvet Revolverだけ)。
本当に今日ライブやるよね?と本気で不安になったが、無事その後始まったライブは圧倒的で、待った分の高揚感も相俟ってとんでもなくテンションが上がってしまった。
周りにいたイカついファンの人達も同様に爆発的な盛り上がりを見せていて、その輪の中に自分も加われたように感じる瞬間もあり、とても嬉しかった。
バンドの演奏はとにかく圧倒的で、技術云々ではなくただただカッコよかった。
本編は『Contraband』の一曲目でもある『Sucker Train Blues』で幕を開け、アンコールも含めたラストを飾ったのが『Slither』だった。
イントロがかなり長尺のアレンジになっていて、最初はこれ何の曲だっけ…となっていたのだが、あの開放弦を使ったリフが始まった瞬間に会場全体のテンションは最高潮に。
あの印象的な「Ah!」という箇所はダフが歌っていて驚いた。
スコットじゃなかったのね。
スコットは変な癖になる動きをしながら歌っているのが危険なオーラを漂わせていて流石のフロントマンという感じで、
スラッシュは今までほぼ写真でしか見てこなかったガンズ時代のスラッシュとほとんど変わらなくて、
ダフは常軌を逸した金髪イケメン度合いでローミッドゴリゴリのベースを弾いていて、
デイブは意外とリードパートやソロを弾く機会も多くその佇まいがかっこよくて、
マットは爆音のドラムにコーラスでも活躍していて、
本当に値段以上の価値を得ることのできたライブだったと思う。
Velvet Revolverはこの後二枚目のアルバム『Libertad』を発売し、その後来日の話が出ていたが、結局キャンセルになってしまった。
そしてバンドはスコットが脱退して以降活動が止まり、後にはそのスコットが亡くなってしまった。
海外バンドは見られる時に見ておかないと後悔するというのはその通りだと思う。
『Slither』をはじめとした『Contraband』の曲は往年のHR好きの人も、その後に隆盛したグランジ、オルタナが好きな人にも刺さる要素が含まれていると思うので、是非聴いてみてもらいたい。