『蒼の世界』レミオロメン(思い入れのある曲シリーズ)
今日はレミオロメンを取り上げたい。
昨日のTRICERATOPSに引き続き、スリーピースバンドであるレミオロメン。
自分自身そこまでコアなファンではなかったので知識はあまりないのだが、周囲のよりコアなファンの反応を見ていると、初期の楽曲が好きなファンは後期になるにつれてどんどん離れていったような印象がある。
小林武史さんがプロデュースにつき、次第にその影響がアレンジに色濃く出るようになっていったのがその一因なのかもしれない。
筆者は定番中の定番『3月9日』でレミオロメンに出会った。
正直最初は『3月9日』にもバンド自体にもピンと来ずだったのだが、後にラジオで『電話』が流れているのを聴いて、「何じゃこの曲は!」と驚嘆したのを覚えている。
出だしの不気味なアルペジオのインパクト、Aメロの歌いながらのアルペジオの美しさ、そしてサビのキャッチーさと、この不思議なバランスの曲を作ることのできるバンドはなかなかいないよなぁと思ったものだ。
ところが、この後この『電話』的な要素を感じる曲はあまり発表されず(『蒼の世界』のカップリングの『息継ぎ』には若干その雰囲気がある)、キャッチーさに重点を置いたであろう曲が増えていった。
そこを少々残念に感じつつも、アルバム『ether』ではキャッチーなだけではない楽曲の素朴さ、良い意味での初期っぽさも感じることができ、その後に続くシングルとしてリリースされたのが『蒼の世界』だった。
この『蒼の世界』とても奥深い曲だと思う。
メロディーは最初から最後までキャッチーで、特にサビは一聴してほとんどの人が良いメロディーだと感じるんじゃないだろうか。
そこを支えるバンドの演奏(特にギター)からは、どこかシューゲイザー的な趣が出ている。
特に終始なっているジャキジャキしたバッキング、そのバッキングにリバーブのたっぷり効いたフレーズが重なるところにその要素が強く出ていると感じられるのだが、どうだろうか。
LUNA SEAで言うところのgravity的な要素を個人的には感じてしまう。
LUNA SEAで例えてもよくわからないかもしれないけれど。
一聴した時には秋の爽やかな空気感を纏った美しい曲だなぁという印象だった。
そこからそれぞれの演奏にクローズアップしていった時にまた新たな発見があり、2度美味しく味わえたようでとても思い出深い。
『電話』の話題でもアルペジオについて触れたが、この『蒼の世界』にもとても美しく、そして歌いながら弾くのは最高に難しいアルペジオがAメロに入っている。
アルペジオが素晴らしいギタリストランキングを作るとしたら、藤巻さんは必ずランクインしてくると思うくらいに素晴らしいアルペジオが多いので、レミオロメンの曲を聴く時には歌だけではなくアルペジオにも注目して聴くと新たな発見があると思う。
かくいう筆者も『風のクロマ』以降の楽曲は含めてほとんど聴けていないので、新しい名アルペジオを探しに色々と掘ってみようと思った。