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『望みの彼方』GRAPEVINE(思い入れのある曲シリーズ)

今日はGRAPEVINEを取り上げたい。

少し前にボーカルの田中さんにスキャンダルがあったが、ミュージシャンに品行方正さを求めても仕方ないと思うし、歌詞の世界観が「これ大丈夫かな」と思うような曲もあったので、特にそこまでの衝撃はなく受け入れられた。

プライベートでの償いはしっかりとしてもらって、引き続き素晴らしい楽曲を生み出していってもらえればリスナーとしては満足です。

GRAPEVINEに出会ったのはかなり昔で、ラジオで流れていた『Reverb』と言う曲を聴いたのがきっかけだった。恐らく2000年前後。
初めて聴いた時はボーカルの癖が強いなぁという印象しかなかったが、大学生になって改めて聴くと、曲の構成が実は凝っているということに気付くことができた。
『Reverb』でいうとAメロのクリシェ的なコード進行がたまらない。

GRAPEVINEはドラムの亀井さんの作曲がいちばん多いという稀有なバンドで、なおかつ亀井さんの曲はメロディが印象的なものが非常に多い。
ドラマーなのにである。
上述の『Reverb』も亀井さん作曲だし、名曲『スロウ』も亀井さんの作曲。
シングル表題曲は亀井さん作曲のものがほとんどだ。

そして、シングル『スロウ』のカップリングに収録されているこの『望みの彼方』について。
この曲はギターの西川さん作曲だ。

西川さん作曲の曲は多くはなく、個人的にはこの『望みの彼方』と『Paces』(ミニアルバム『覚醒』収録)辺りから、スローバラードの名曲が多い印象を持っている。

『望みの彼方』は名盤『Lifetime』にも収録されており、この曲がお気に入りだと言う人も多いのではないだろうか。
筆者はGRAPEVINEの曲の中でこの曲がいちばん好きだ。

望みの彼方というワードからも連想されるように、歌詞はポジティブな内容ではない。
むしろ相当な絶望感を孕んでいるようにも感じられ、しっかりと読み込むと若干気が滅入るほどの内容になっている。

その歌詞が、Aメロ以外ではメジャーコードの響きがメインの明るい音構成の上に乗ってくるという、アンバランスさが不気味でもあり、ちょっとしたトリップ感のようなものも感じられる楽曲になっている。

コード進行で印象的なのはBメロのA→B→C#m→CM7のCM7のところで、ここのコードは明るい響きなのに諦めのような音にも聴こえてしまう。
そんな不思議な曲です。

バンドの公式がアルバム『Lifetime』の再現ツアーのライブ映像を公開してくれているので、こちらから是非曲を堪能してもらいたい。

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