『flower』(L'Arc〜en〜Cielの楽曲をひたすら語っていくシリーズ)
ついに来ました、『True』4曲目『flower』です。
一般的にみたら、L'Arc〜en〜Cielといえばこの曲だと思っている方は多いのではないでしょうか。
実際そう思われるのに値するほどの超名曲だと思っています。
この曲はhyde作曲なのですが、個人的にはこれがhyde作曲だということが非常に意外で。
どこかこの曲ken曲感を感じませんか?
何だかこのキャッチーさとブルージー感を感じる『flower』はなんかkenっぽいなぁと感じてしまうんですよね。
『winter fall』辺りと近い感覚を覚えるというか。
これは本当にただの私的雑感でしたw
曲自体の話に戻ります。
この曲も『Caress of Venus』と同じように、アコギが楽曲の肝になっているように感じられます。
強い歪みのギターが使用されていないのも同様で、いわゆるギターソロと言えるようなセクションは存在しません。
しかしながら印象的なフレーズは多く、特にサビの裏でボーカルのカウンターメロディーのような形で演奏されるフレーズは耳に残る方も多いのではないでしょうか。
このフレーズはhydeも気に入っているようで、まさにボーカルのメロディと対になってサビを盛り上げるような素晴らしいフレーズだと思います。
イントロでも同じようにテーマ的なフレーズをアコギで弾いているのですが、非常に興味深いのが、ライブだとこのイントロのフレーズも、サビの秀逸なフレーズもkenは演奏していないというところです。
じゃあどのフレーズを演奏しているのかというと、基本的にはバッキング的なアルペジオフレーズを弾いているんですよね。
これが何とも渋いんですよ‥。
音源を聴いているだけだとこのアルペジオのフレーズにはそこまで耳がいかないんですが、ライブだとkenが弾いているだけあってこのフレーズが前に出て聴こえてきてメインのフレーズ(多分同期で流している?)と絡み合うので、トータルでのギターアレンジの妙をより体感できると思います。
特に25thでペイズリーモデルで弾いている姿がこの曲の世界観に非常に合っていると思うので、このライブ版を是非視聴していただきたいところです。
この曲はベースも必聴で、コピーしてみると非常に楽しいですよ。
特にサビのフレーズが印象的でm7thや7thのコードの音をアルペジオ的に(音は重ねませんが)拾って弾くフレーズが美しくて、一回し目はこのフレーズを弾いた後に二回し目では割とシンプル目なフレーズを弾くというメリハリの付け方も憎いなあと思います。
Bメロではtetsuyaの十八番的な9thの音を使うフレーズが登場します。
ここではコードがCMからCmへと変化するんですが、コードが変化してもベースのフレーズは変わらずリピートしているのも面白いですよね。
tetsuyaが担当するこの部分のコーラスも非常に美しく印象的です。
あとは2サビ後の間奏部分。
ここでは色々なニュアンスのスライド、グリッサンドを聴くことができます。
この曲のバンドスコアを見ると、こういったニュアンスを楽譜に落とし込むのに苦心したことがよくわかる仕上がりになっていて、こちらも面白いですよ。
ギターとベースに触れていたら既にこれだけの長文になってしまいました。
あと見所として忘れてはならないのがhydeのハーモニカ演奏ですよね。
結構ライブによってはあっっとなることも多い(私は何故か行くたび危ういことが多かった)このパートですが、よくよく考えるとサビを歌い終わってからハーモニカに移る時間の余裕はほとんどなくて、ここを両立できるのは実はかなり凄いことだと思います。
全体的に見ると非常に聴きやすい音像になっているし、歌のメロディも素晴らしく、どの時代でもヒットして然るべき内容の楽曲だなぁと改めて思わされました。
そして、この曲のMVも今回久しぶりに視聴しました。
このMVあたりの時代のhydeの髪型って、今この時代にまた流行していますよね?
多分皆hydeを意識してそうしているわけではないと思うんですが、これから街中でこの髪型の男性を見かけたら「あっflowerの時のhydeだな」と思ってしまいそうです。