『スノウ』シド(思い入れのある曲シリーズ)
今日はシドのこの曲。
シドはいわゆるビジュアル系に括られるバンドなんだけれども、その中でも演奏がスタジオミュージシャンっぽいというか、物凄く綺麗にまとまっているバンドという印象がある。
特にギターのShinjiさんとドラムのゆうやさんにその要素を強く感じて、ベースの明希さんはそれに比べるともう少し主張が強い印象だ。
しかもそれは最近になってそう感じ始めたわけではなく、初めて通して聴いたアルバム『play』の頃から、そんな雰囲気が醸し出されていた。
このアルバムの『Room』のフレンチポップ的な演奏とか渋すぎませんかね?
バンドに対してそのようなイメージを持っていることもあって、シドの曲は個人的に落ち着いた曲調のものの方が好きだ。
中でも、アルバム『NOMAD』(このアルバムは全体的に素晴らしい)に収録されている『スノウ』は一時期ひたすらに繰り返し聴いていた。
このアルバムが出た頃、9月なのでまだ暑さにやられながら『スノウ』の清涼感で癒されていた。
曲全体は、少しジャズっぽいテイストのフレーズ、ピアノが入りつつも、歌メロやコードの進行は王道といった感じ。
イントロからクリーンの小気味いいギターに、給付でピタッと止めた後に耳に残るフレーズを弾くベースに、ハットのオープンクローズのシュパッ!が非常に気持ちいいドラムに、お腹いっぱいになる。
ギターは左右のチャンネルでダブリングというか、似てるようでよく聴くと少し違うような気もするフレーズが鳴っていて、独特の揺らぎ感じが心地よい。
ギターソロも歪ませ過ぎないトーンでメロディを聴かせるフレーズを弾いており、最後の半音ずつ下降するフレーズがとても印象に残る。
あと、いちばんの推しポイントとして、ベースのフレーズが最後のサビだけ大きく変化しており、これまでのサビだとギターとある程度タイミングを合わせたフレーズになっていたのが、最後だけリズムが他の楽器から浮いているかのようにも聴こえるフレーズになっている。
これでも全体的で見た時に全く破綻しておらず、メロディアスなフレーズが歌メロと絡み合って相乗効果が生まれているようにさえ感じてしまうのは…本当に良いベースラインだなぁと思う。
シドはビジュアル系が苦手という人にも受け入れられやすいバンドなのではないだろうか。
特に最近は見た目もナチュラルな方向になってきているし。
ビジュアル系の入口のバンドとしても是非。
『スノウ』が降るにはまだ早い季節だが、一度は聴いてほしい良曲。