建設的な議論を
はじめに
何かを決めるときに行う議論で大切なのは、ある提案に対して意見するときに、どうすべきかを考えることです。単に揚げ足を取ったり、否定したりするだけでは議論ではなく、単なる感情論や幼稚な言動として捉えられます。国会も決めごとをする機関であり、そこでの議論が国家の命運を左右します。国会の討論でよく取り上げられるのは、しょうもないスキャンダルの追及で国政運営の議論はあまり取り上げられません。理想的な野党について書いていきたいと思います。
野党のあるべき姿
今の日本の野党第一党は立憲民主党です。しかし、与党自民党の衆参ともの議席数は376で、立憲民主党が136です。与党と野党第一党の議席数は3倍近く離れていて、政権交代が起こるような状況でありません。立憲民主党より自民党がましという理由だけで自民党が議席を維持していると言えるでしょう。自民党への積極的支持というより野党への嫌悪感からの消極的支持と言えます。
立憲民主党は野党第一党であるのに政権交代を起こし得ないのかと言うと、2009年から2012年までの民主党政権下での悪夢と彼らの議論が非常に建設的でなくいちゃもんに等しいようなことを言い続けているからです。テレビでは立憲民主党がまともに議論しているように取り上げられていますが、まともな議論をしていないことぐらい国民は気づいています。立憲民主党は野党第一党ですが、選挙を重ねるごとに議席数を減らしており、勢いはなく、衰退の一途をたどっていると言えます。立憲民主党でまともな議論をしているのは野田さんと先日離党された松原さんぐらいではないでしょうか。
野党で建設的な議論を行っている政党となると日本維新の会と国民民主党だと言えます。特に国民民主党はリベラル政党ではありますが、立憲民主党のように揚げ足を取るようなことをせず、常に提言をしている政党と言えます。政権へのすり寄りと批判されていますが、国民民主党の姿はある意味、理想的な政党の姿で譲るところと守るべきところをしっかり持っている政党であり、無節操に政府のやることを批判する立憲民主党とは全く異なります。ただ、連立を組んでほしいかと言うと、あまりそうしてほしくないというのが本音です。国民民主党のような存在が野党にいることで与党を律してくるのではないかと思っているからです。
日本維新の会は一部の保守勢力から嫌われていますが、建設的議論をするうえで重要な政党だと思います。日本維新の会は立憲民主党と異なり、保守派の政党で自民党にとって代わる存在になりえると言えます。大阪でその実績を積み上げています。大阪に住んでいる我々もその恩恵を受けています。しかし、日本維新の会は大阪発の国政政党であり、都市の理論で政治を行う政党であり、効率化を重視するあまり、地方が置き去りになってしまう懸念があります。彼らの存在は今の国政をよくする上では重要な存在で、自民党の脅威になりえる存在と言えるでしょう。
野党からの提言が必要
自民党から政府へ提言することはありますが、身内同士のやり取りであり、政府と自民党は違う組織とは言え、母体は同じなので、政府の意向と大きく異なるようなことをすれば、処分されるようなこともあり得ます。こういった提言は与党よりも野党からの方がいいのではないかと思います。野党からの提言が必要な理由は、野党が国会運営に関わっていることをアピールでき、より多くの国民の意見を反映させることができるからです。与党はその提言を無視することができますが、国民民主党の玉木さんのように常々その内容を発信されていると、国民もその内容を知ることができ、その提言を無視している与党にとってもイメージが悪くなってしまいます。
最近、玉木さんが発信されているのはガソリン代の値上がりについて、トリガー条項発動、補助金期間延長、暫定税率等の廃止です。さらにガソリン代の値上がりで疲弊するのは車をよく使う地方であるため、地方に住んでいる人の負担を軽減させるうえでもガソリン代を下げる施策を実行することが重要だと発信されています。
元々、玉木さんは財務官僚であったため、財務省の内情についても詳しく、円安で一番儲かっているのは政府であると、高橋洋一さんと対談されています。ここでの対談だけでなく、しっかり代表質問で質問もされています。そして、増税に舵を切る前に前年度以前の予算の余剰金等を防衛費や少子化対策の費用に充てるべきだと主張されています。
国民民主党や日本維新の会が力を付ければ、今の政府の拙速な議論に歯止めをかけることができ、より良い国政運営ができるのではないかと思います。日本維新の会は最近力を付け始め、議席を伸ばしています。他政党と協力をしなくとも、ある程度議席を確保できるようになりました。国民民主党はいまだに議席数が少なく、立憲民主党と6倍ほどの差が付いていて、非常に力のある政党とは言えませんが、提言を積極的に行う野党として国政に非常に重要な政党です。国民民主党の候補者が少ないこともあり、議席を伸ばせてないのもありますが、期待している政党です。今の自民党の政策はおかしく民主党政権の再来と言われていますが、その受け皿となりうる政党がいないのも事実です。国民民主党や日本維新の会のような建設的な議論を行う野党に力を付け、自民党の脅威になる存在に我々がすべきではないでしょうか。
最後に
ある選挙で自民党の候補者がおらず、維新か国民民主党の候補者に投票しようと思っていましたが、どちらの政党からも候補者がおらず、他の候補者の公約に賛同できなかったので、白票を投じざるを得ませんでした。連立を組んでいるから、その連立政党に投票するというのは、いかがなものかと思います。政治思想が近いのであれば、別ですが、今の連立政権への違和感を覚えざるを得ません。連立は政治思想が根底にあって、その上に利害関係があるから組むというものではないのかと思います。まともな野党が力を付けることが国政運営を改善させる近道であり、立憲民主党のような揚げ足取り政党が力を持っている以上、国政運営が改善されることはないでしょう。