OBSでスクリーンショットの画質を目指す
一体なにを言っているんだ?と思うかもしれませんが、OBSの設定次第では、スクリーンショットの画質を遥か下回ることも出来てしまうのです。
↑上はゲームのプレイ中の画面をスクショしたもの。
↑OBSを使用して1080p30fpsで録画したもの。
この時のビットレートは、OBSで設定できる最小値の50Kbpsでした。
ビットレートが足りていないと画質が落ちてしまいます。
そりゃそれだけ低いビットレートなら映像が乱れるのは当然だと思われるでしょう。しかしそれはyoutubeの推奨設定でも同様なのです。
youtubeに投稿する場合の推奨ビットレートは、1080p30fpsの場合8000Kbpsになっています。
↑左側はライブ中にスクショしたもの。
↑右側が1080p30fps8000KbpsMaxQualityで録画したもの。
ズームなしの等倍比較画像ですが、この時点でも衣装や背景にボケが生じているのが分かるかと思います。
どうやったってビットレートが足りない
足りません。ビットレートが制限されている状況では、高画質はなかなか得られないものです。
ではどの程度のビットレートがあれば充分だと言えるのでしょうか?
『無損失で録画すれば分かる』
無損失はOBSの設定、レート制御の項目にあります。
※無損失は非常に高いクオリティで録画できますが、その分データ量も大きいです。
録画の負荷は軽い
1080p 30fps 無損失 MaxQuality highでデレステのMVを録画。
GPU負荷はピーク時でもVideo Encode23%とかなり低めです。
次に比較のため、同じMVを異なる条件で録画します。
今度は1080p 30fps CBR 8000Kbps high プリセットをQuality、次にMaxQualityに変更して録画しました。
それぞれのGPU負荷は、Qualityの場合、ピーク時で25%
MaxQualityの場合、ピークで44%になりました。
驚くべきことに、なんと無損失は、CBR Qualityとほぼ変わらない負荷で圧倒的高画質の録画ができるのです。
では無損失で撮れたデータを確認してみます。
上がスクリーンショットで、下が無損失です。
違いがよく分かりません。なので拡大して確認してみます↓
↑左がスクリーンショットで、右が無損失です。
300%に拡大して何か違いがあるか確認してみます。
しかし違いは見つけられません。ブロックノイズらしきものも見当たらず、とても綺麗に撮れているということだけはよく分かります。
まさにスクリーンショット級の画質です。
それに見合ったデータの重さ
MVの長さが2分18秒。それに対してデータ容量は2.23GBとなりました。ほぼ1分1GBペースと巨大です。
超高ビットレート
ビットレートも破格です。
なんとビットレートがピーク時で234634Kbps。オーバルビットレート(映像と音声のビットレートを合計した値)は139000Kbpsを記録しました。
ブルーレイの最大ビットレートが40000Kbpsですから、この数値は本当に飛び抜けています。
無損失はむやみやたらにデカいわけではない
↑この画像を無損失で1分間録画した場合にも、同様の結果になるでしょうか?
↑1分間撮影したあとに確認したものです。動画に対してのデータ容量は55.7MB。MVを録った場合1分1GBペースだったことを考えれば相当な差があると言えます。
無損失はVBR(可変ビットレート)です。なので、動かないものを映し続けている場合、データ容量はとても軽くなります。
↓画像を表示するだけだとビットレートが低い
静画を表示し続けた場合、ビットレートが平均で6738Kbps、ピーク時で12349Kbpsでした。そしてオーバルビットレートは7739Kbpsと現実的な値に収まっています。
だから何だって言うんだよ?
無損失設定にして録画すれば容易にスクショ並みの画質を手に入れることが確認できました。また、画質面において妥協しなかった場合、飛び抜けた高ビットレート、大容量が必要だということが判明しました。
しかし、これだけの巨大なデータは配信にも投稿にも向きません。
我々は損失しなければならない
OBSを使用するにあたり、私たちの当面の課題となるのが、低ビットレート高画質です。
ほぼあらゆる動画投稿、配信サイトにおいて、ビットレートは制限されています。また、通信量の多さは視聴する側にも負担を強います。通信量は少ない方がいい。しかし綺麗でもあってほしいのです。
逆に考えればいい。乱れたっていいじゃないか
少なくとも8000Kbps、多いところで12000Kbpsあれば非常に高いクオリティの静画が撮れます。なのでここで手打ちにするという手はあります。動かなければ綺麗。少し動くくらいならまだ許せる。大きく動くものには目を瞑る。このあたりで設定を固めるのは一つの賢い選択だと言えます。
ビットレート以外の自由度は高い
解像度、フレームレートに対してのビットレートというのは、おおよその値で決まっています。
しかしビットレートに対しての環境設定には、数多くの選択肢が存在します。
それはゲーム内の設定であるとか、グラフィックボードの設定、配信編集ソフトの設定。それらの組み合わせによってビットレートの不足をごまかすことが出来るはずです。
例えば低フレームレート時におけるモーションブラーや被写界深度、ヴィネット、シャドウの設定などもその好例です。
決して、綺麗にくっきりはっきりさせることだけが高画質ではありません。観ているのは人間です。人間の目から見て綺麗だと判断できればそれで充分なのです。いちいちスクショを取って、比較しなければ分からない程度を低画質と呼ぶのなら、映画の1コマ1コマは全て低画質ということになってしまいます。