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恋愛は果たしてコスパが悪いのか?
俗にいう「若者の〇〇離れ」。これは車だったり、CDだったり、そして恋愛もこの〇〇によく当てはめられる。
それは時代の流れというものがあるから、車を所有するだけの十分な所得がなかったり、また単純にモノの捉え方が違うという点にある。
これは例によって良い悪いの問題ではない。しかし自分たちの世代より発達した文明の中で生まれ育った若者の感覚の方が生物学的には優位であると思っている。
なのでこの「若者の車離れ」にしても「恋愛離れにしても」これから世間的には主流の考えになるだろう。
しかし、どうしてもおじさん世代になりつつある自分(32歳)としては頭でわかっていても心が納得いかないこともある。
特にこの「恋愛はコスパが悪い」という感覚はつまらないなと思ってしまう。
恋愛はしたい人はすればいいし、したくない人はしなければいい。それは間違いない。
では「恋愛はコスパが悪い」というのはどういうことか。
これは恋愛をしたことによる還元率の低さである。
記事の中ではコスパの悪さを以下のように述べている。
『先が読めない恋愛をするより、確実に会いに行けるアキバ系のアイドルや声優の方がいい』
つまり、時間や金銭を投じるのなら確実に会えて、常に自分に好意的な態度を取ってくれるアイドルがいいということである。
これが恋愛として実際の人間を相手にするならば、そうはいかない。
時間を調整しなければいけないし、交際費もかかる。それだけの時間や労力を費やしても、喧嘩をするときもあれば別れる時もある。
なるほど、確かにこれはコスパが悪い。
同じ時間と金を費やすのであれば、常に自分にとって好意的な目を向けてくれる対象に費やした方がコスパがいいのだ。
でもそれってつまらない。常に自分に好意的な目を向けてくれる人は信じれない。会話の中で相手の表情から感情を読み取ったり、声色から相手の機嫌をうかがったりする。どうしたら自分のことを好きになってくれるかとか、どうしたら大切にしている気持ちが伝わるかとか、そうして相手との意思疎通をはかる。
デートや同じ体験をすることにより共通認識を増やしたり、その答え合わせをしたり。
そんな風にしてお互いの人間を知ってもらうというところが恋愛である。
ここで恋愛という、相手も感情を持った人間に対してコスパという言葉を持ち出すのは面白くないのだ。なぜなら前述したように、恋愛はしたければしたらいいし、したくなければしなくていいのだから。コスパを意識して恋愛を捉えている時点でそれはきっと恋愛じゃない。恋でも愛でもない。
もし仮にコスパというのを持ち出すのであれば、恋愛は断然コスパがいい。
誰かのことを想うことによって、好きになったり傷ついたり泣いたりする。そんな数々の経験が恋愛でしか経験できないことならなおさらだ。
何よりもその経験により人間として成長することができるのであれば、恋愛は時間や労力、金銭を支払った分以上の成長をさせてくれる。良いことも悪いことも成長させてくれる。そしてどうしようもない恋愛をしたのなら、それは話のネタになる。
恋愛はコスパがいい。