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#36 鼻くそについて

鼻毛はなんのためにあるのか。


それは空気中のゴミやなんたらを吸わないようにフィルターがわりになっているのだ。



それではそのフィルターとなる鼻毛に溜まった鼻くその正体とはなんだろうか。



そう、それは前述のとおり、空気中のゴミや鼻水が乾燥したものである。
僕はわりかし、鼻水が出やすいせいか鼻くそがよくたまる。



金を貯めるのは苦手だが、いかんせん鼻くそとストレスは溜めるのが得意なんだ。えっへん。



そんな鼻くそについてなのだが、「日常の中の日常」でも時々出てきた幼馴染のショウ。ショウは落ち着きがない子で小さい頃、よく鼻くそを食べていた。
鼻くそを食べたり、絵の具を口に入れたりしていた。どこの学校にも一人はいたかもしれない存在。それが僕の学校ではその役をショウが担っていた。


鼻くそを食べるなんて行為は無茶苦茶汚いと思うのだけれど、最近の研究では鼻くそは良質なバクテリアの宝庫とされているらしい。


ホンマかいなという話である。
なんでもかんでも「最近の研究で」と枕詞を打てば世間は信じると思って、フェイクニュースをふっかけられているのではないか。
だがしかし、この研究はハーバード大学やマサチューセッツ工科大学の研究者たちが発表したものらしく、どうやら本当らしい。




僕は小さい頃から鼻くそをほじっていた。
鼻をほじりすぎて鼻血を出すほどだ。こんなことを言うのはちょっと恥ずかしいのだが汚れついでに鼻くそについて赤裸々に語ろう。
昔は人差し指でほじっていたのだが、大人になり手が大きくなってからは小指でほじっている。


そんなこんなで僕は鼻くそをほじってきた。
そしてそれは今でも続いている事実なのだけれど、僕も大人だ。
それも32歳とそれなりに良識がないと恥ずかしい年齢になっている。


だから当然のごとく、鼻くそをほじろうにも人前ではほじらない。
妻の前では惜しげもなくほじるが、それ以外の場所では謹んでいる。



しかし、これが一人の空間となると話は別だ。
自宅に一人でいる時、トイレで用を足すとき、車で運転するときが鼻くその主な活動時間になっている。




こんな鼻くそのことを熱く語ってバカじゃないの?と思うかもしれない。
特に女性の方はさっきから何をはしたないことを言っているのかしら、と怪訝そうにこの文章を読んでいるかもしれない。



でも僕は知っている。



男性のみならず、女性もその可愛らしい鼻の穴に豪快に指を突っ込んでいるということを。




車を運転する。



交通量の多い、二車線の道路を走る。
信号待ちになり、ふと隣を見る。


そのときの隣の車の運転手が鼻くそをほじっている確率の高いことなんのそのである。



当然、助手席に誰かを乗している場合はそんなことはないのだが、一人で運転をしている場合は女性だろうと男性だろうとかなりの確率で鼻をほじくり漁っている。



それも昼夜問わずである。


車という一人の空間だがら気を抜いているのかもしれない。


隣に止まった車内を盗み見する僕も悪趣味と言えるが、事実として世の女性の多くは割と豪快に鼻くそをほじっている。それが綺麗な女性だろうと、綺麗な女性でなかろうとである。



しかし、僕は女性が豪快に鼻をほじるのを責めているわけではない。
むしろ、生理的な現象とも言える鼻くそが溜まるというストレスを和らげている行為に対して好感を持っているのだ。言うなれば、爪を切るのと同じようなもの。耳掃除をするのと同じようなものだ。



もし、熱く鼻くそを語ることを少しでもあなたがバカにして、そのあなたが実は鼻くそを豪快にほじくっているのなら、小声でいいから謝ってほしい。






僕は先日、胃を痛めた。
最近になってようやく、美味しいお酒も気のままに飲めるようになった。



良質なバクテリアを持っている鼻くそ。
ちなみに鼻くそは呼吸器感染症や胃潰瘍を予防する効果があるらしい。



信号待ちで鼻くそを食べている人間がいたらそれは僕だ。
どうかそっとしておいてほしい。



次回は「宗教について」

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