なんで入場料100円公演をするのか
「上手くいくわけがない」「何がしたいのかがまったくわからない」「参加する俳優が可哀想」「安くすればお客が来ると思うのが間違い」
入場料100円公演に関して、基本、ネガティブな意見しかもらわなかった。
なんで100円で公演するのかって聞かれれば、一番は「したいから」。
次に「高騰するチケット代が……」「誰でも気軽に観に来られる演劇を……」などなど、理由はいくらでも言えるし、まあ、それも確かにあるのだが、リスクやら批判やらなんもかんも背負ってやる根源にあるものは「やりたい」からなんです。
シンプルに言うと「バカ」。
そしてそんな「バカ」がひとりぐらいいてもいいと思っているし、その所業を楽しんでくれれば本望です。
僕は今から二十数年前、劇団を創り、七ツ寺共同スタジオで旗揚げ公演をした。
その時の料金が5円。
僕は大学演劇からの分離独立などではなく、完全に無名(名古屋で活動すらしていなかった)からの旗揚げだった。
キャストスタッフはチラシを撒いてかき集め、何とか集まった7人での旗揚げ公演だった。
もちろんお客を呼べるほど知名度のある人などひとりもいない。
誰もお客が来るとは思っていなかったが、蓋を開けてみれば観客動員数はのべ400人を叩きだした。
これは東海地区の旗揚げ劇団の観客動員数最高記録であり、未だに破られていない。
この企画を始動してからずっと、地元の演劇人からネガティブな意見を浴びせ続けられているが、僕が言いたいのは「やってみろよ」ってこと。
誰かがやってみなきゃわかんねえことってあるだろ?
誰もやったことないことをやるって、ワクワクするじゃん。
いちおう、バカはバカなりに考えてはやっています。
失敗したっていいんです。
それが前例として残せるから。
成功したら後に続いてくれると嬉しいかな。
本音を言えば苦しいことはたくさんあるよ。
前例がないことをやるのは苦難の連続で、毎日頭をかきむしっている。
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「名前のない星」プロジェクト代表 叶和泉