電話機システム導入、これだけは覚えましょう。
電話回線の種類は覚えておきましょう
社内IT部門だとネットワーク専門のエンジニアはいるかもしれないが、専門のVoice/電話系エンジニアはまれと考える。ネットワーク機器は社内で管理していても電話機システムは独立してベンダーにサポートしてもらっているケースが多い。電話機システム(PABX, Voice Gateway)は単純なビジネス電話機システムでさえ、電話会社とのインターフェース、ボイスメールなど気を使わなければいけない。これがCisco, Avayaなどエンタープライズレベルの機器を入れてしまった日には、コールフロープログラミング、CoSなどは片手間ではまず無理である。
そんななかで社内ITとして最低限知っておくべきことは電話回線の種類である。電話機器システムについてはシステム内で完結しているので、どうにもならなければ専門の業者に位置からプログラミングしてもらえば何とかなる。
しかし回線は電話機システムとのインターフェースであり、ここは電話会社の範疇になる。そして経験上電話会社はそれほど多い。というか、電話会社は依頼があった回線を導入するだけであり、その先にあるPABXのことなど気にしていない。そのために回線を導入後に、PABXにインターフェースが一致しない、追加の基盤を購入しないといけないなどといったケースが発生する。
そのため、最低限電話回線の種類は覚えておくべきである。
電話回線の種類
電話回線は大きく分けてアナログ回線とデジタル回線に分かれている。
アナログ回線
文字通りアナログでやり取りする仕組みであり、PSTNもしくはPOTSとも呼ばれる。主にFaxやモデムに利用される。障害の切り分け上、Faxやモデム等は後述するメインのデジタル回線とは別にアナログ回線を必要な本数導入するのが望ましい。ただし日本では2025年までに廃止が決まっているようである(正直どの程度廃止が決まっているのかよくわからない)。
廃止を前提と考えるなら、今後はデジタル回線経由でアナログ回線機器につなぐのが望ましい。しかしデジタル回線をアナログ機器に直接つなぎこみはできないために、回線と機器の間にアナログ-デジタル変換器を入れる必要がある。例えばシスコではATAと呼ばれる。この機器が導入が少々面倒くさいうえに障害発生時には機器のLEDステータスで情報をとらなければならない。
拠点にこのATAを導入した場合は、障害発生のことを考えて、現地の人にチェックリスト等を渡しておく必要がある。
デジタル回線
デジタルでやり取りする仕組みである。またの名前をISDNもしくはINSと呼ぶ。誤解を恐れずにざっくり言ってしまうと、細いのと太いのがある。細いのは一般的にISDNやINSとも呼ばれる。ただしここでは商品名や通称となっているので、後述する2024年問題は明らか誤解を生んでいる。それに対して太いのはPRI, E1、T1などと呼ばれる。
まず細い回線については2024年までにサービスを終了する。ここでのポイントは終了するのがISDNといっているが厳密にはINSネットと呼ばれる。NTTの商品である。デジタル回線としてISDNは引き続き残る。この辺りの説明は下記が詳しい。
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/2002/25/news012.html
次が太い回線である。これはPRI, E1, T1あるいはINS1500などと呼ばれる。これらの言葉の違いは以下の通り。
* PRI
太い回線の規格、ただし実装が北米、日本、ヨーロッパで異なる。電圧の規格が東日本と西日本で違う感じ。
* T1
日本や北米におけるPRIの規格
* E1
ヨーロッパにおけるPRIの規格
* INS1500
NTTから提供されているT1のサービス
電話機システムを導入にするにあたっては社内で働く人の人数(総社員数でない)、オペレーションのタイプ(本社、営業所、倉庫、コールセンター等)から、まずPRIの必要性を明らかにして、そのうえで機種を選定するのが良いだろう。
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