「前方検知装置」試運転
2020年から長野電鉄で3000系M1編成を使用し不定期に運転されている「前方検知装置」の開発試験に伴う試運転列車についてまとめようと思います。
自分が確認できたのは7シーズン(2023/9現在)ですが、毎日確認しているわけではないので確認できていないうちに走って見落としている可能性があります。以下、自分が確認できたものをシーズンごとにまとめていきます。通し番号は便宜上のものです。
1st SEASON 2020/9
2020年9月に運転された試運転列車。当時は情報が公開されておらず何の試運転かはわかりませんでした。よく見ると行先表示器の下にカメラが設置されています。
なお、このM1編成を使用した試運転と3500系N6編成を使用した乗務員訓練が重なった結果湯田中へ入線する普通列車の車両が不足し9/4で「定期運用終了」とされた3600系L2編成が信州中野〜湯田中の普通列車に1日限りで復帰しています。
2nd SEASON 2021/2
2021年2月に運転された試運転列車。行先表示器の下のカメラに加え上り方編成記号のあたりに一眼レフが設置してあります。
2021年7月
東芝から「前方検知装置」のレポートが発表されました。レポート内に須坂駅構内や村山橋とみられる画像が使われていたことで長野電鉄の例の試運転が「前方検知装置」関連の試運転であると判断できます。
↓レポートPDFリンク
https://x.gd/t50oP
3rd SEASON 2021/8
3rd SEASONにしてついに「箱」が登場し注目されるようになりました。表示器下のカメラも引き続き設置されています。
3rd SEASONでは「箱」は長野方に設置されました。
4th SEASON 2021/11
4th SEASONでは「箱」の設置された長野方の前照灯がLEDに交換されました。コイト電工のいわゆる「花形LED」と思われます。
本線試運転に先立つ11/23には須坂駅構内に車両を留置して試験を行う様子を目撃できました。
また、直接の関連性は不明ですが桜沢駅南方に架線柱に赤い印がついているのを確認しました。おそらく検知装置が構造物を検知しやすいように印をつけたものと思われます。
また、試験終了後に長野方の前照灯は元に戻されています。
前照灯ですが、2022/3/12に確認したところ再びLEDに換装されています。今度は長野方・湯田中方の両方が交換されました。3/9には元の電球のままだったのでこの間に換装されたようです。2023年9月現在、LED前照灯を維持したままです。
5th SEASON 2022/10
一年弱の間を空けて再び「箱」を装備した試運転列車が運転されました。「箱」は3rd、4thと同じく長野方への設置でした。
「箱」は前回に比べ正方形に近い形になっています。「2代目」と思われます。
また、今回は夜間試運転も一応目撃できました。
6th SEASON
6thでは「箱」が湯田中方に設置されました。
「箱」を写真で見ると小窓の中に光が写っていますが、肉眼では見えません。赤外線か紫外線を放射しているものと思われます。
なお、今回の試運転に先立ち沿線の架線柱に四角い板(黄色やオレンジ色で、中央に黒い印がある)を多数確認しました。
おそらく4th SEASONで架線柱につけていた赤い印の改良版と思われます。以下、「マーカー」と呼称します。
また、今回は線路上に「人型のパネル」を設置する場面を目撃できました。試運転列車が接近すると倒れて列車を支障しないようにできているようです。
なお、この「人型」設置に伴っての徐行はありませんでした。(減速せずにパネルに向かって進行していました。)
また、今回も夜間試運転を目撃できました。
駅間で停車しているのが確認できたため近づいてみると、列車前方にシカと思われる模型を設置していました。
7th SEASON 2023/8~9
再び湯田中方に「箱」を設置しての試運転となりました。湯田中方の運転室内の配線が増えたように見えますが、それ以外特に変わった様子はないです。箱も5th、6thに引き続き「2代目」を使用しているようです。
今回も夜間試運転を目撃できました。
今回の試運転に先立ち、沿線の架線柱に取り付けられた「マーカー」が従来のオレンジ色や黄色から「茶色」に交換されている様子が確認できました。
2023年9月時点での撮影記録・情報は以上です。
2020年に搬入され「銀帯で試運転」し、「赤帯に変更」、デビューし、「箱をつけて試運転」、「箱をつけて長野方前照灯のみLEDに交換し試運転」、「両方の前照灯をLEDに交換」など、どんどん形態が変化するM1編成の今後から目が離せません。
今後も引き続き観察を続けていきたいと思います。
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