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Upper Dogイベントコミュから見る箱崎星梨花の思いと魅力

ミリシタが7周年を迎えた。
6年目シーズンの中でも個人的に一番刺さったコミュとして、Upper Dogイベントがあったのでこれの感想を殴り書き。
ほんとはイベント中に書いていた文章を放置し続けていたので、いまや鮮度が落ちてるけど、この周年の機会に供養します。。

なお、ミリオンライブはゲーム、コミカライズ、アニメなどそれぞれ世界線が異なることも多いけども、ここではミリシタを中心として触れる。
当たり前の話ながら、Upper Dogはもちろん、各種コミュ等のネタバレを含むのでご注意を。


STARDOM ROAD THEATERとは

このイベントは劇場で1年間かけて、キャストを入れ替えながら1本の演劇を見せていくという壮大な企画だ。全9公演構成で、Upper Dogはこの2幕の位置づけで、比較的早期のストーリーにあたる。
時間経過もあるストーリーの中で、同じ役を違うアイドルが演じることになるというのがこの話の見どころだ。

星梨花の悩みと思い

イベントコミュ2話からまず焦点を当てる。
この演劇の主役である真珠星(スピカ)を2幕で演じることになった星梨花だが、稽古をやっても自分の演技に自信が持てていないようだった。
プロデューサーが星梨花の稽古の時間を増やすために、その他のスケジュールの相談をしようとしたところ、星梨花自身が
「桃子ちゃんみたいに上手に(真珠星役の)お芝居ができてない」
と感じていた。

真珠星役を下ろされるのかもしれない・・・
と悪い方向に考えるほどに緊張とプレッシャーに追われていた星梨花

そう、1幕でこの真珠星役を演じたのが桃子だった。桃子はアイドルになる前に子役として活躍していたのだから星梨花の悩みももっともなわけだ。
ただ、その桃子自身も悩みながら真珠星役と向き合っていた。普段から周囲にプロとしての心構えを説く一方で、子役時代のことにはあまり触れたがらない向きがある。その背景にある事情はコミュの本筋ではないので省略するが、1幕のコミュでは本番間際まで演技に悩む桃子が、お芝居に対して秘めた強い思いをまつりに明かすシーンがある。アイドルになってもお芝居ではだれにも負けたくない、という自身の思いが正しいのかどうかという桃子の悩みに対して、まつりが背中を押してあげるシーンは何度見ても良い。
このあとの本番の舞台では、そんな桃子の思いが演技に表れていたのだろう。

1幕のコミュ。
まつりが桃子の思いを上手く引き出してあげていた。

ただ、星梨花にとっては、その桃子の後に真珠星役を演じることがうれしい一方で、それがむしろプレッシャーにもなっていた。
今回のイベントコミュ1話でも、1幕の上演を振り返るために皆で映像を見直すシーンがあるが、星梨花は桃子の演技を見て、その演技に押されてしまい、すっかり自信を失っていたのだった。

同じ役を演じる企画の最初の「バトンタッチ」という難しさ。
しかも前任が桃子。悩まないわけがない。

星梨花は人の良さを素直に評価できる純粋な性格だ。桃子の演技が輝かしいものだけに、星梨花自身のプレッシャーも大きくなるのだろう。

Upper Dogのイベントコミュ2話のシーンに話を戻すと、ここまで悩んできた星梨花も、プロデューサーとの会話を通じて、自分がお芝居が楽しんでいるということ改めて感じることで、前を向くことができたのだった。経験が自分を後押ししてくれたのはまさに彼女自身の成長だった。

鞠音を演じたことが自信に繋がっていて、成長を感じる。
担当としてはこれ以上に嬉しいことはない。

星梨花を後押ししたのは、自身の成長だけではなく、もうひとつあった。
上記の会話に続くシーンで星梨花は、お芝居で[「新しい自分」になれる、ということに改めて気づいた。

わたしも知らないわたし

星梨花にとっての「新しい自分」、という言葉で反応した人は多いのではないだろうか。

もともと星梨花は「広い世界を見てみたい」、という思いに駆られ、大好きなパパの反対にも関わらず、諦めずに何度もお願いしてまで自ら望んでアイドルになるため、765プロの門を叩いた。
これはミリシタではメモリアルコミュ1でオーディションのシーンとして描かれている。

箱入り娘、決意す。

劇場ではこれまでもいろいろな役を演じてきた星梨花はそのたびに新しい自分に出会うことができたのだろう。そのこと自体が、彼女がアイドルを志した動機ともリンクする部分が大きかったのだと思う。

そして、星梨花は自分でアイドルを志したがゆえに、その決意は固く、アイドルに対して常に真剣な姿勢を持っている。

メモリアルコミュ5では、あるオーディションに落ちた星梨花に辛い思いをさせたくないと、パパが765プロを訪れて、星梨花にアイドルを辞めさせることについて申し入れをする。しかしそれを聞いた星梨花はいつもの穏やかな態度とは一変して、自分のやりたいことを否定しようとするパパに猛烈に抵抗し、「嫌い」という言葉までぶつけてしまうくらいに熱くなっていた。

敬語ではなく、しかも熱くなるのは家族に対してだから言えることでもある。

このアイドルに対する姿勢は普段のレッスンやライブなどにも表れている。もともと体力があるわけでもなく、体が小さい星梨花はどうしてもダンスで体力がついていかず、周りに迷惑をかけてしまうことがあると感じた。その分、自分で人一倍練習を重ねて、周りのメンバーに追いついていこう必死に努力する。こういった描写はミリシタだけではなく、各方面で描かれている。
例えばミリシタがサービス開始して最初のイベントであった、クレシェンドブルーのShooting Starsのコミュでは、周りについていくために星梨花が頑張る話がある。家が厳しい分、夜にできない自主レッスンを朝早くからやることで練習時間を作ってまで周りに迷惑をかけたくないと努力する姿があまりに尊い・・・

静香も心配するくらいの練習量

ムビマスで有名な(?)このシーンも、必死に周りについていこうと練習したからこそのもの。ただでさえレベルが高い先輩たちのパフォーマンスについていくのが大変な中で努力をした結果が自信になったからこそ、あの雨のシーンで可奈に優しい言葉をかけることができた、と考えるとめちゃくちゃグッと来るんですよね・・・(みんなムビマスを見よう)

お疲れ星梨花

話がそれたので、Upper Dogに戻す。
上記のプロデューサーとの会話シーンとは前後するところもあるが、星梨花は真珠星に向き合うためにやはり今回も相当な練習量をこなしているし、「もっと厳しく稽古をつけてほしい」とまで言っている。

優しくアドバイスする茜ちゃんがびっくりするくらいの熱量

これはまさに星梨花のアイドルに対する思いそのものだ。

先に書いたとおり、星梨花は真珠星はもちろん、アイドルそのものに対してとても強い思いを持っている。そして、新しい世界に好奇心を持って飛び込むためには自分で努力しないといけないということを星梨花はよく知っている。
これは私が星梨花を担当しようと思った、彼女の魅力だと思っている。それだけにこのUpper Dogイベントコミュの2話は、この記事で触れてきたようなこれまでの星梨花のエピソードを思い出しながら読んでたので、とても印象深い内容だった。

そんな2話を読み終わった後に改めて見たんですよ、コミュのタイトルを。

「どんな『わたし』にでも」

さすがにこれは刺さる。オタク特有のデカい声が出ましたね…

このイベントコミュの演劇パートはまだこれから。
星梨花がいかに真珠星と向き合ったのかが見えるので、次は3話以降に触れていく。

星梨花と真珠星

イベントコミュ3話から5話は演劇の通し稽古のシーンとなるため、アイドル箱崎星梨花ではなく、あくまで一宮真珠星としての描写になる。

1幕では姉の織姫が事故死して、その代わりとしてアイドルになるように神宮寺と藍が真珠星に迫ったところまでだった。

今回の演劇パートのコミュを見て印象に残ったのが真珠星の言動だった。星梨花ならば到底、口にしないであろう言葉の数々・・・

言葉がだいぶ物騒
星梨花ならこんなこと言わない。劇中はあくまで真珠星。

1幕では姉のことを応援しながら、入院している母のために医者になりたい、という夢を語っていた真珠星。それが文字通り人が変わったように、強気で理不尽なことには反抗するようになった。1幕の最後に桃子演じる真珠星がアイドルになる決断をした時からそういう気配はあったし、もちろん演劇を作る側からの指導もあるだろうけど、セリフのトーンが低めで、強い口調にも合った雰囲気を出していて、星梨花がお芝居しているのだということを強く感じさせられる。

一方で、真珠星の行動や言動は、星梨花と重ねて見てしまうところもある。
I.V.のバックダンサー試験に臨むにあたり、姉のようなアイドルの才能が自分にはないと自覚している真珠星は、姉の遺したメモを基にレッスンを組み立てて、練習量も「3倍やった」と言えるくらいに練習をした。その結果、見事に粗削りだけど目を惹くパフォーマンスで試験に合格した。

おおう・・・

人以上の努力ができるのは、先に書いた星梨花のアイドルに対する強い思いからくる熱量と似ているなと、2人を重ねてしまう。
ただ、この行動に至る背景はまったく異なる理由から来るものだ。真珠星はアイドルを通じて亡くなった姉の名誉、生きている家族(特に母)といったものを守るためにアイドルをやることになったのだから。誰でも愛せる星梨花と、誰かを守るためなら他の誰かを憎むこともできる真珠星はまったく違う。
星梨花は「新しい自分」である真珠星と出会って、追い込まれた人がどうなるのか、星梨花なりに真珠星と向き合った結果がこの演技なのだろう。
(もちろん演劇を作る側との指導の結果もあるだろうけども)

星梨花の気づきは成長の表れ

イベントコミュ6話は通し稽古後のストーリーになる。
星梨花が必死に稽古を重ねた姿は、共演した3人にも強く印象に残ったようで、このみは「誰よりも頑張ったのは星梨花」と褒める。

ただ、星梨花が稽古を頑張れたのは、自分の努力だけではなく、桃子のおかげもあると言う。
そしてここで出てくるのが「おとぎの国の物語」のコミュ。

桃子・・・

うわー!ここで過去イベントコミュの引用は予想外。そういえば星梨花と桃子が映画で共演したこのイベントコミュでは、星梨花が主役について悩むシーンがあった。
桃子が星梨花のために、思ってとかけた言葉がかえって星梨花を悩ませてしまい、桃子も言い過ぎたかな・・・と悩んでしまうという、見てる我々としてはなんとも気を揉むシーン。

主役とは。

結果的にはプロデューサーのアドバイスで星梨花はいい方向に気持ちを向けることができたのだが。。
あの時の経験が今回の主役を演じるのにも役立っていたのだった。
Upper Dog1幕の桃子のお芝居からプレッシャーも感じていたのだが、実は桃子も自分と同じだった・・・と気づいた。
どんどん立派に成長していく星梨花の姿が頼もしい。

桃子からもらった勇気が星梨花を支えた。

勇気という言葉を星梨花は使った。彼女にとってはこれまで新しい自分との出会いを楽しみにしてきたことは先に書いた通り。今回はそれでも楽しみより、怖さというか、不安も感じていたのだろうと思う。吹っ切れて一歩を踏み出した星梨花の行動力は彼女自身の成長の表れであるし、それを引き出した、仲間を思う劇場の皆の関係性も改めて感じられた良コミュであったと感じる。

そしてこのイベントの報酬にもなってた星梨花のカードを改めて見てみよう

劇中シーンのカードの破壊力よ・・・

あくまで星梨花のカードではあるけども、実際は演劇中の真珠星としてのカットだ。
厳しいレッスンに息を切らす一方、負けたくない強い気持ちを感じさせるこの表情こそ、真珠星役を演じた星梨花の成長なのだ。
このカードを手に入れた方は、覚醒させるときのボイスにもぜひ耳を傾けてほしい。

今後の活躍からますます目が離せない。

Upper Dogとは。そして次の公演に向けて

Upper Dogという言葉は英熟語にはなく、造語らしい。
楽曲の歌詞にある「Under Dog」は負け犬。
さらに言うと、「Top Dog」は勝者を意味する。
つまりUpperはUnderからTopに登る過程と言える。
1幕の華やかなアイドルの世界を描いた楽曲とは異なり、歌詞の端々からも負けない、全力でやりきる、という強い意志を感じる。
そう、この曲は2幕の真珠星の思いを歌った曲だった。

追い込まれた真珠星は自分の力で道を切り開いていくところで2幕は終わりを迎えた。
3幕に新たな真珠星をだれがどう演じるのか、今から楽しみだ。
こう思えたのも、2幕の熱い演技があればこそ。
この劇の展開がますます気になる。

(2024/8/28追記)Upper DogのCD発売を受けて

2024/8/28、ついにUpper DogのCDがリリースされた。

この日、なぜか星梨花Pで流行ってた(?)撮り方。
個人的には、アイドル箱崎星梨花と、彼女が演じる役との対比を感じられて、良い表現だと思う。特にこの真珠星はこれまでに星梨花が演じた役の中でも強気な女の子だったからこその対比が活きる。
というか、この半分の顔のジャケットが強すぎる・・・

さて。

フル音源は早々に配信されていたけども、CDにしか収録されていないオーディオドラマを聞いて改めて感じたこともあるので追記することにした。

ドラマはミリシタのイベントコミュのストーリーをなぞりながら、心情や背景が語りで補足されるのと、コミュでは語られなかったシーンも追加されている。3幕以降のストーリーも知ってないと把握できないことが出てくる。三船なるは俳優一家の娘であることや、クロエや湊くんの存在にも触れられているので、リアルタイムで話を追っていないと話が分からなくなる。
(先にちゃんとミリシタのコミュを見ておいて良かった・・・)

そしてこのnote記事のメインである星梨花演じる真珠星はどうか。
彼女自身の先読みしたストーリーは語られなかった。おそらくこれは彼女自身が主役であるために、背景を補足するストーリーが語られなかったのだと推測している。
一方で、真珠星を取り巻く周辺の話がかなり補完されていたことで、真珠星が周辺からどう思われていたのか、特に三船なるがなぜそこまで真珠星と組んでバックダンサー試験に臨もうとしたのか、これらを知るには大事なストーリーが組まれていたし、藍や神宮寺の匂わせるような発言も今後のストーリーの展開にきっと活きてくるものになるだろう。
ここはぜひドラマを聞いて欲しい。

そして、このドラマで真珠星と星梨花の観点から最大に注目すべきポイントは「二幕 千秋楽舞台挨拶」のトラックだ。
これは千秋楽の劇が終わった後に、各々の役を離れたミリオンスターズの765プロのアイドルとして感想や思いを語る場面になる。

この中で出演者は各々に自分の役に向けての思いを語るのだが、そこで星梨花が語ったこと。

「わたしもとにかくレッスンを頑張りました。そうしたら少しでも真珠星ちゃんに近づくことができるかなって」

あーーー!この視点が抜けてたああああ!!と横転した(オタク的な意味で)。

そう、星梨花はアイドルとして思いが強いがゆえに人一倍、いや数倍の努力ができると、このnoteでは触れてきた。
ただ、それは単に彼女の思いが自分自身や観客や周りの皆に対するものだけではなく、役の人物にも向いたものだった。
この星梨花が役と向き合う姿勢もこれまでのいろんな経験が生きているからこそで、まっすぐな真珠星になるには自分も同じように頑張ることが必要と思って、三船なるではない茜ちゃんも心配するくらいの練習を重ねた。

やはり箱崎星梨花は常にアイドルに真剣で、自分の思いを叶えるために努力をしないといけないことを知っている、そう思わされた。
この星梨花の発言を聞いたこのみ、朋花、茜も星梨花の努力を知っているからこその称賛を伝えている。ここはミリシタのコミュと合わせて解釈するとまたそれぞれへの思いが伝わるいいシーンだったと感じる。

このドラマを聞いて、ようやく2幕が本当に意味で完結したわけだ。
この記事を書いている時点では4幕までが完結しているけども、CDのリリースは後になるので、昴や恵美の演じた真珠星に関する話がまた聞けそうで楽しみだし、もちろん5幕以降の真珠星にも期待・・・!

STARDOM ROAD THEATERからこれからも目が離せない。

最後に、ちょうどUpper Dogの作詞作曲を担当された方の投稿を目にしたので引用させていただく。

キャスト勢を信じて書いた、という話がとても熱い。
ミリオンライブを支えるキャストはもちろん、製作の皆様にも改めてありが・・・じゃなかった、感謝。

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