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Post-CC OSCEの勉強法 2023-2024

更新情報
23/09/24 ver. 1.1 身体診察の項を追加
23/10/12    ver.1.2  歩行障害、感覚障害、小児の項を追加
24/06/29 ver.1.3  デザインを変更

医学生の皆様、こんにちは。
国試勉強を進めながら、マッチングに卒業試験とお忙しいことと思います。
卒業試験やマッチング筆記試験では、内容が国試勉強とoverlapするため対策を立てやすい一方、Post-CC OSCEは確立された参考書もなく、限られた情報の中で右往左往する方も多くいらっしゃることでしょう。
しかし、のらりくらりと何となくOSCEに通ればよし!というのではなく、勉強するなら国試必修対策のためになるように、ひいては研修医になってからもその知識・手技が活かせるようにしたい。
そのような方々の学習効率向上に資するためにPost-CC OSCE対策マニュアルを執筆いたしました。

本noteでは、Post-CC OSCE対策として、共用試験実施機構(CATO)が公開している最新版の「診療参加型臨床実習に必要とされる技能と態度についての学修・評価項目1.0版」をもとに、35症候別に問診事項と身体診察、鑑別疾患についてフローチャート式に鑑別できるマニュアルを公開しています。

他にもPost-CC OSCEに関する有益な記事が多くありますので、本noteの特長についてこれからご説明させていただきたく思います。もしご自分の勉強法に合いそうだとお感じになられた時は、他記事と併せて本noteもお読みいただければ幸いです。


Post-CC OSCEの概要

まずは初学者の皆様向けに医学生向けのPost-CC OSCEの概要について箇条書きで説明させていただきます。すでにご理解いただいている皆様はお読み飛ばしください。

Post-CC OSCE は、2020 年度から共用試験として正式に実施されている基本的臨床能力を評価する実技試験であり、臨床実習を終えた6 年生が受験する。
1 課題あたり制限時間は16 分であり、医療面接および身体診察で12 分、上級医への報告で4 分と時間が区切られている。
CATO が公開しているガイドブックの中に、出題される症候としてショックと心停止を除く35 個が挙げられており、共通問題はこれらの症候および鑑別疾患の中から出題される。
評価項目は、① 患者への配慮・コミュニケーション、② 医療面接、③ 身体診察、④ 症例プレゼンテーション、⑤ 臨床推論からなる。

すなわちPost-CC OSCEは、問診をもとに必要と思われる身体診察を自分で考えて実施し、得られた身体診察所見から鑑別疾患を根拠を挙げて説明することが求められる実技試験です。

問診・身体診察・鑑別疾患のフローチャート

では、ここから本noteの特長について順番にご説明させていただきます。

Post-CC OSCEの試験のポイントは、問診、身体診察、鑑別疾患の3つです。何を聞いて何を行いどんな疾患を想起するか。問診内容はどの症候でもある程度固定できますが、出題される35症候のどれが来ても同じ身体診察を行うというのは現実的ではありません。鑑別疾患については症候別に想起すべき疾患を覚えることはほぼ必須と言えるでしょう。

そこで本noteでは、問診で聴取する事項(症状や発症機転)をもとに行うべき身体診察、想起すべき鑑別疾患を場合分けし、フローチャートとしてvisibileな形にまとめました。
例として「食思不振」の症候の項をご提示いたします。

「食思不振」のフローチャートの例

一番左の欄に問診で聴取できる事項が並び、本例では「呼吸困難(胸部症状)」と「腹痛・その他」で場合分けをし、行うべき身体診察が決まります。
得られた身体診察所見により、列挙している鑑別疾患の中から最も可能性の高い疾患を選ぶ、ということになります。一番右の欄には疾患ごとに見られる特徴的な症状や検査所見を併記していますので、プレゼンの際に根拠として使える知識になります。

フローチャートをつくる上でこだわったのは、鑑別疾患や病態を軸としてグルーピングするのではなく、あくまで問診で聴取できる症状発症機転などの情報をもとに場合分けをしている点です。試験本番ではまず問診から始めますので、そこから得られた情報をもとに頭を整理する方が圧倒的にわかりやすいと思います。

また、場合分けの数は極力減らしています。ただでさえ35症候について覚えなければならない上に場合分けを覚えるために更なる労力を要するのは本末転倒です。鑑別疾患の多い症候や、「食思不振」の例のように明らかに部位の異なる鑑別疾患が混在している症候では場合分けを使った方がいいですが、他の一般的な症候では「1つの症候では1つの身体診察セット」を基本とした方が勉強しやすいです。場合分けを減らしても、症状と所見の組合せから鑑別上位に挙げる疾患を2~3個に絞ることができるように意識してつくってあります。

このように本noteは、35のすべての症候に関して、問診→身体診察→鑑別疾患の想起の流れが分かりやすいように知識が整理されており、勉強する上で非常に実践的なテキストとなっています。

各論に加えて総論も追記

本noteの2つ目の特長として、前述の症候別の各論に加えて、総論として、問診での聴取事項や試験全体の流れ、また「腹痛」を例に台詞つきで台本を用意しました。

症候別の各論がnoteのメインとはなりますが、全体的な流れをつかむ上で、総論的な内容が記載されていることは有用だと思います。

疾患別の初期対応を記載

Post-CC OSCEでは、機構共通課題に加えて、大学独自課題も3問程度出題されます。

機構共通課題ではプレゼンテーションの際に「今後の治療方針の提案」は不要との意見がありますが、独自課題では大学によっては初期対応について求められることもあると思います。

そこで、おまけとして疾患別の初期対応、主に検査と初期治療について、表に一覧でまとめて記載しました。参考までにご活用いただけましたら幸いです。

身体診察のポイントを記載

手技に関して不安が残るという方のために、胸部・腹部診察や神経診察など、Post-CC OSCEで頻用される身体診察のポイントを追記しました。
写真付きで丁寧にまとめてありますのでご活用ください。

まとめ

以上、本noteのコンセプトについて述べさせていただきました。ここまでお読みくださりありがとうございました。

本noteは下の有料部分で、PDFファイルでダウンロードできるようになっています。ご自分のタブレット端末を利用して書き込み等しながら勉強できます。

自分の勉強にマッチしそうとお思いになられた皆様はぜひ本noteをご活用いただければと思います。目次付き70ページ超の力作です。

最後に、医学生の皆様がPost-CC OSCEを通して身体診察手技や臨床推論の習熟を図り、すばらしい医師としてご活躍されることを願っております。

*PDFのダウンロードは下記有料部分として公開しております。よろしくお願い申し上げます。

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