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感情の解放

泣いたこと‥これはもう、ストレートに
婚約者との別れ

正直、別れる直前の1ヶ月は、精神的に毎日相当ツラい日々が続いていた。
もちろん相手も相当ツラい思いをしていただろうから、自分だけ被害者だと言うつもりはないが。

相当なことを毎日のように言われ続けていた。
自分自身が発端である以上、何も言い返せず、ただただ言われ続ける日々は、ハッキリ言って相当つらかった。
それでいて、周りにはもう婚約したことも式場を押さえたことも伝えていた。相談もできなかった。職場では、僕が別室にいるときに
「いよいよ彼も結婚だねぇ。よかったねぇ。」とみんなが嬉しそうに会話してるのを聞いて、居た堪れなくなった。

唯一相談できた友人夫婦からは、
「それってもうモラハラだよ。」
とハッキリ言われた。

僕の両親からは、
「その発言は、あなたを大事にしてるとは思えない。悪いけどもうその人と結婚してあなたが幸せになれるとは思えない。受け入れたくない。」
と言われた。

僕の友人、身内だから当然かもしれないけど、僕のことを庇い、守ろうとしてくれたことが、嬉しかった。

最終的には、相手方の親族やご両親まで出てきて、僕は悪くないと。こちらに落ち度があったと。申し訳ない。
そう言われた。

僕自身の至らなさを許してくれたこと、そのつらさをわかってくれたことが嬉しかった。

そんな言葉に、正直安心していた。


‥ただ。


僕は同時に、婚約者に本当に申し訳ない気持ちにもなった。

本当に僕は悪くなかったんだろうか‥。と。
周りは、僕は悪くないと言ってくれたけど、それでも不安にさせる要因をつくったのは間違いなく僕だった。


婚約者を心のどこかで悪者にして、自分の心を守ろうとしている自分がいた。
相手だって、どれほど傷つき、悲しみ、ツラい思いをしたのかもしれないのに。

あの件では相当お互いを傷つけあってしまったけど、それまでは本当に僕のことを理解しようと、支えようと、してくれた人だった。
僕の色々な過去や性格を、至らないところを、受け入れてくれた人だった。色々あったけど、最後には和解して、それでも心のどこかでは、やり直せると信じて動いてくれたあの人を。

僕は心のどこかでは、今でも、憎むことも嫌うこともできない。失いたくない人だった。一緒になりたかった。こんな結末を迎えさせてしまって、本当に、申し訳なかった。


‥正直、もう一度あの頃のように戻れるなら戻りたいと、今でも思う。それは本心だ。


でも、それは許されないことだとも思っている。
僕らはお互いをあまりにも傷つけ過ぎたから。
周りを巻き込み過ぎたから。

僕らが良くても、周りが複雑な気持ちになるとわかっているから。

自分たちが納得できれば、周りなんて関係ない

そんな考えもあるかもしれないけど、少なくとも僕たちがそれをやるのは、あまりにも自分本位過ぎるだろう。



色々言われたけど、結局あの人は、最後まで、それでも僕を信じてくれてたし、大切に思ってくれていた。

そんな人を、僕は傷つけ、悲しませ、悪者にし、失ってしまった。

だいぶ落ち着いたけど、今でも思い出すと、申し訳なさと自分の不甲斐なさ、そして寂しさに涙が止まらなくなってしまう。



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