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日本デザイン学会まで走り抜けた今、思うこと

お久しぶりです。木下です。
3月に常葉大学を卒業し、現在は都内でデザイナーとして働いています。

社会人になって3ヶ月が経ち、新しい環境にも少しずつ慣れてきました。
そして先日、6月25日から27日にかけて日本デザイン学会が開催され、私は学生時代に研究していた内容をポスター発表しました。

これを1つの区切りとし、発表までの出来事を言語化しようと思いnoteを始めてみました。

私が本当に作りたかったもの

私の卒業制作は第6次産業化を目指す水産業者に対し、4年間学んできたデザインのプロセスを用いて消費者が求めるコンテンツを明らかにし、直接繋がる手段(webサイト)を作るというものでした。

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▲2021年1月23日に行われた卒業制作展の展示写真です。

しかし卒業制作を終えた時、私の中にモヤモヤが生まれていました。

「webサイトをつくることで水産業者の課題を解決できたのかな?」
「そもそも、水産業者の本当の課題って何だっけ?」

自分が作ったにも関わらずどこか納得できずにいました。
そこで問いを立て直してみると、私が作ったwebサイトは1つの手段なのであり、本当に作りたかったものは水産業者自身が課題を理解し、向き合い、新しい行動につなげていく仕組みだと気づきました。
そこで私は日本デザイン学会での発表を目標に研究に取り組み始めました。

言語化の壁

いちばん苦労したのは、自分が行動してきたことを文章に書き起こすことでした。
私は昔からお喋りが得意ですが、自分でも何言ってるかわからなくなることが多く、相手に誤解を生む伝え方をしまうことがありました。
その状態で論文を書くのは無謀な挑戦だと思い、研究中にあることを意識していました。
それは、調査内容や検証データなどのその都度わかったこと、気づいたことを全てA4の紙に可視化していきファイルに閉じていくことです。
このように物理的につなぐことで研究を振り返りやすくしました。
しかし、論文にまとめていく時の資料として活用することはできましたが、そこからさらに研究内容をうまく言語化し、文章に書き起こすことに利用するのは難しかったです。
そこで、自分が書いたものを先生や友人に添削してもらいました。

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▲研究当時のファイルと赤ペンチェックの論文

はじめは下手くそな文章でなかなか理解しづらく、ただ長い文章になっていましたが、フィードバックをもらうことで日に日に論理的な文章が出来上がっていきました。
私のわかりづらい文章を読解してくれた先生や同学年の海野、山本、武藤にはとても感謝しています!

学び実践し続ける覚悟

先生や友人の力を借りてなんとか論文が完成し、ポスターとそれを説明する動画も作り終えました。
学会当日は、ポスター発表の動画やアフタートークでたくさんのお言葉をいただきました。
特に元木先生や横溝先生からのお言葉で、

「水産業者の方が自分たちの流通経路をわかっていないケースって結構あるから、木下さんが会話していく中でわかったことなんだと思う。」

「ビジネスモデルキャンバスを使ったことも大切だけど、その手法をどう受け入れさせたのかを考えるともっと面白いかも。」

といった、自分にはなかった視点でご意見いただき、また新しい発見をすることができました。
そこで私は気づいたことがありました。

「ここがゴールじゃないんだ!デザインにゴールなんてないんだ!まだまだデザインを学び続けたい!」

と、自分で学びのゴールを作ってしまっていたことに気づき、恥ずかしくなりました。(海野と一緒w)

今回の学会で、様々な方の発表を聞いていた時間は本当に楽しかったし、まだまだ自分の知らないデザインの領域を知って、自分の研究をここで終わらせたくない気持ちでいっぱいになりました。

これを機に、私は学び実践し続ける覚悟を決めました。


こうしてデザイン学会まで走り抜けたことで、自分の研究だけでなく、自分自身を問い直すことの大切さも知ることができました。
学会でも話題に上がっていた「自分の手は何をしていると喜ぶのか?」をこれからも問い続けていきたいと思います。

今は社会人になり目の前の課題に取り組む中で、自分の浅はかな考え方や伝える力の無さを痛感していますが、その都度、悔しい!負けたくない!という気持ちが湧いてきます。
この気持ちをデザインに深く向き合うための原動力とし、これからも社会人デザイナーとして目の前の仕事を精一杯取り組んでいきたいと思います。

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