NHK朝ドラおしんを2024年の令和に今更見てみた
おしんって今の人はほぼ知らないと思う。
1983年公開で知ってて50歳以上の人か。
自分は泉ピン子が金スマに出ていた時の
人生振り返りのチラッと出てたシーン、
NHKがたまに歴代最高視聴率で数秒の子供時代の
イカダのシーンだけ放送されるので全体を知らなかった。
なんとなく流行った朝ドラ。このイメージ。
朝ドラ自体は会社の内勤時代にNHKしか見れない規則があり、そこでたまたま歴代トップ近くに入る面白さのカーネーションを見た事で数年に一度dvdを借り見るようになった。
おしん概要 Wikipediaから引用
『おしん』は、1983年(昭和58年)4月4日から1984年(昭和59年)3月31日まで放送されたNHK連続テレビ小説第31作
時代設定1907年(明治40年) - 1983年(昭和58年)
NHKテレビ放送開始30周年作品として、1年間放送となった。全297回。
ここ数年でNHKオンデマンドという
NHKサブスク配信を知り、月1000円で何作でも見れる事を知った。
NHKは権利関係が何か難しいらしく、2024年10月配信終了などよく書かれてある。
配信欄におしんもあった。
おしんは現在の半年周期放送ではなく、一年通しで放送されており全部で300話近く。
今の朝ドラが120話なので数年前でも流石に見る事を躊躇っていた。
DVDでは31巻。時間にすると75時間。長すぎる。
朝ドラってDVDレンタルが薄い。
TSUTAYAの大規模店でようやくあった事もある。
一度調べた事があるが、
2010年以降の朝ドラだとほぼレンタルなどあるが、90年代、2000年代の朝ドラってvhsレンタル、低迷期でもう借りれなくなり、DVDが出演者の現在の状況(事務所を離れる)などで発売されてない。あってもboxで一時的な販売、Amazonでプレミア価格、超ファンでも無ければ見れない状況だった。
2022年に「ひまわり」という松嶋菜々子の出世作が夕方放送されていて当時100話くらいで気づいた。
過去の作品をレンタルしたく探したが、vhsのみで借りられる所は当時vhsレンタルを促進していた渋谷TSUTAYAだけだった。(今は渋谷店もvhsレンタルを廃止した)勿論借りられず諦めた。
今はNHKオンデマンドで配信されている。
NHKのVHSは90年代で20万-40万などで売られていたのを知り驚いた。とても手が出せない。
今では配信で幾らでも見れるのは本当に良い時代になった。
話を戻し、おしんはパートが6部分かれている。
少女編(第1回 - 第36回)主人公 小林綾子
青春編(第37回 - 第86回)主人公 田中裕子
試練編(第87回 - 第136回)
自立編(第137回 - 第185回)
太平洋戦争編(第186回 - 第225回)
再起編(第226回 - 第261回)主人公 乙羽信子
完結編(第262回 - 第297回)
主人公おしんの女優は時代事に3人変わっている。
放送で毎度紹介される強烈なインパクトがある、おしんのイカダシーンは少女編で最初の36話だけ。
なので見たら分かるが、田中さんと乙羽さんの話がかなり多い。
話が長く説明しずらいので、とりあえず感想だけ書く。
1話から100話は最高。朝ドラ史上No. 1。
最初に老人になったおしん(乙羽信子)が昔を回想していくそこから物語が始まっていく。
ここのシーンは知らない人ばかりで説明も無く一度見終わってから再度見始めた。
子役時代のおしん小林さんの演技は毎度泣いてしまうし、青春編からの主役田中裕子さんは可愛いし、何より演技がとんでもない上手い。一話一話が引き込まれて毎日見たいと思える。
試練編で関東大震災が起こり、おしん達は東京から佐賀に引越してしまう。
俗に言う佐賀編。東京編までが本当に面白かった。
サブキャラげん爺が亡くなり、旦那に意見を発してくれる、おしんを助けてくれる人が居なくなる。
佐賀編では唯一義理の父親だけが庇ってくれるが、
佐賀編を見てると救いが無く、見てると辛くなっていく。
そして一年放送だからか結構長い。田中裕子さんが演技がしっかりしてるから見れるが何回もここは見たくは無い。100-150話が見ていて辛い。
自立編になるとおしんは佐賀から東京-山形と転々としていく。160話以降で面白さが盛り返し、山形酒田の話は青春編のメンバーが再集結し面白く、周りから援助され、久しぶりに救いがあった。
そこから三重に移って魚の行商をしていく。
太平洋戦争時代編も悪くも無いが、橋田壽賀子ドラマの特徴なのか数話事に毎度コロコロ発言が変わる、長男、次男達。
お前達何したいんだよwwってツッコミたくなる。
旦那自体も元々ダメ人間なのだけど、仕事を推し進め、おしんは振り回されるが、そこら辺が面白かった。
ここら辺で数人の死亡が重なり面白さがどんどん薄くなっていった気がする。
特におしんの母、泉ピン子が出ているとやっぱ面白かったし、おしんを振り回す旦那、理解が良い長男、親友の加代様、育った加賀屋の祖母、母、父が亡くなるなどバタバタ物語は進んでいった。
元々の主要メンバーがほぼ亡くなり、
正直戦争の悲惨さを表さないといけないかも知らないが誰か残しても良かったんじゃないか。
この時期に視聴率はピークを迎えるが、
物語はある程度落ち着いていく。
再起編から故、乙羽信子さんにバトンタッチ、いきなり人格が変わり戸惑うが、物語は進んでいく。
田中裕子さん可愛かったなぁ…というロスがあった。
再起編では故、斉藤洋介さんが長男の元同僚という立場で数話出てきて養女ハツコと結婚かと思ったがまた亡くなっていく。
斉藤さんって演技が上手く、正直ここで結婚して話が続けばと思ってしまった。
次男の仁は成年後おしんの話を全く聞かなく、
助けてくれる養子、希望は家を出ていってしまう。
ここら辺の話はほぼ、渡る世間は鬼ばかりを思い出させる。
一番利口な長男、一家の主人で仕事はズバズバ推し進める父、何か助けてくれる母ピン子がいなくなり、親友加代さまも消えていく。
三重の行商のばぁちゃん(赤木春恵)、東京の髪結のお師匠さんも実際のシーンには出てこず話の流れで亡くなったと言われ、
新しいメンバーが増えていった。
唯一残っているのは故渡瀬恒彦、浩太さんだけ。
昭和50年代当時の日本が豊かになった象徴的なシーンが増え、
次男仁役の山下真司、道子役の田中美佐子が自分の欲で物事を進めていく。あの原色ピンクの服装ほんとに当時の世相を表してるなーと。
おしんと合うはずが無い。
仕事が出来なく何か言う妻ってホントにいるから描き方が上手い。
放送当初のおしんの面影は完全に無くなった。
完結編で一話の回想前の話に繋がり、
またキャストが変わり、20.30代だった息子世代が40-50代になっていく。
特殊メイクも当時で無理なのか、人がコロコロ変わり、思い入れが薄くなり、完結編は正直蛇足だった。並の朝ドラよりかは面白いがおしん版渡鬼。
最終的に浩太さん役の渡瀬恒彦さんがおしん一家の事業に助け舟を出して一家は助かる。
加代さまのお墓前の海岸で2人で過去を振り返っていると通行人に夫婦と勘違いされ物語は終わっていく。
まとめ
これは200話-250話くらいで良かったんじゃないか?
と思える。半年で短縮していたらもっと凝縮されて面白かっただろうけど、1話から100話は最高だった。乙羽さん自体は好きだけど、話が現代になり、長女田倉禎がいきなり興味の無かった従業員と結婚するなど無理やりな話で、養女初子さんの若い頃は故田中好子さんで家事はテキパキ出来て、おまけに美人。50代のオッさんとお見合いさせられそうになるが結婚出来るだろうとwww
次男仁役の山下真司と大金持ちの嫁が結婚するのも正直現実的に無さそうだし、
養子の希望(のぞみ)の嫁が安直に亡くなるのも腑に落ちない。
とりあえず話が進むと誰かが死ぬ。
歴史的な面白さでとても楽しめたが、短縮しても良かったと言える。
おしん役の3人はホントに良かった。
おしんの本、グッズなどを探したが当時ほぼ発売していなく、それにも驚いた。
恐らくNHK出版でおしん 全資料というのが少数だけ出ているが、全く画像も中古も出てこない。
公式本も開始当初のはあるけど、終わった後には一般には発売されていない。
これだけ大ブームだったのにNHK何考えてんのwwww
当時の週刊誌でギリギリ俳優陣の近況が書かれていて、後日談もほぼ無い。
あるのは2019年に田中さん欠席同窓会番組がbs限定で放送。
週刊誌に当時の数人のインタビューくらい。
2003年から全編公開が許可されたらしくそこから再度見れるようになった。実に20年振り。
この裏話も週刊誌の対談でここ最近言われている。
当時の週刊誌を買うくらいしか情報が無い。
放送開始から40年経ち、僕が好きだった田中裕子さんは沢田研二氏の妻だと今更知り、
乙羽信子さんは没後30年にもなる。
渡瀬さんとの最後のシーンの2人はもうどちらもこの世に居ない。
見終わった後に調べると故人が多く、そんな寂しさを感じながらこのnoteを書いている。
本当に面白かった。
この作品は自分が産まれる前だが皆さんも見て欲しいと思える。
田中裕子さんを動画で見るとセンスの塊で、現在でも主演女優賞、助演女優賞などを獲得している。
見た目は変わってしまったが天才肌なのは舞台挨拶で今でも分かる。
あぁこの人は芯があって天才だわ…と。
音羽さんの遺作を見たが田舎口調になりおしんとは違った姿を見られた。
結局自分は大学生時代に椎名林檎を羨望の眼差しで見ていた時と変わって無いのかもしれない。
好きというレベルではなく尊敬の域に今回のおしんを見てなってしまった。
終