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金利が良くても損をしやすい?新興国通貨での資産運用の前に知ってほしいこと

こんにちは。社会人トラベラーの”のの”(@n17hello_world)です。

今回はちょっと趣向を変えて、エマージング(新興国)通貨とインフレについて書いてみたいと思います!
海外旅行で面白いなと感じることのひとつが、各国のお金事情です。色々な国で使えてしまうユーロ、日本と桁がちょうどひとつ違うので計算しやすいウォン、円と同じ¥マークを使う人民元、100円程度の1ドルから硬貨ではなく紙幣になるUSドル(そしてその1ドル札、なぜか汚いものが多い(笑))。
硬貨や紙幣に描かれているものも、0の数も、歴史も通貨によって全然違っていて、毎回ついつい調べてしまいます。

*特に印象に残っている通貨*

本題とは少しずれるので、興味のない方は飛ばしてください(笑)
今まで旅行した中で特に印象に残っているのは、兌換マルクとスムかなと思います。

ボスニアヘルツェゴビナの通貨:兌換マルク
兌換マルクは1998年にボスニアヘルツェゴビナで統一通貨として発行されました。(それまでは場所によって使える通貨が違ったようです。)
その名前の通り、元々は「いつでも固定レートでドイツマルクと交換しますよ」というルールで通貨の信用を保っていましたが、ドイツでユーロを利用するようになってからは固定レートでユーロと交換できるようになったそうです。もはや”兌換ユーロ”という名前の方が適切かもしれませんね(笑)
ボスニアヘルツェゴビナでは、基本的にこの兌換マルクで支払いをするのですが、観光地ではユーロやクーナ(クロアチアのお金)での支払いも可能で、私が訪れたモスタルでは、お釣りもしっかりユーロで用意してくれました。

ウズベキスタンの通貨:スム
その地域の言葉で純金を表す”スム”という言葉が、そのまま通貨の名前になっているようです。
その特徴は、なんと言ってもインフレが進んでいること。2020年8月現在1スム=0.01円なので、5,000円を両替するとなんと約500,000スムになります。五十万ですよ!(笑)(為替手数料は考慮していないので、実際はもうちょっと少なくなりますが。)私がウズベキスタンを訪れた時も既にインフレが進んでおり、両替をするととてもお金持ちになったような気がしました。
脱線しますが、スムについて調べていたら、denominationという言葉が多く出てきたのでデノミ(通貨単位の切り下げ)でもしたのかと思ったのですが、英語の"denomination"は通貨単位そのもののことだそうです。ひとつ勉強になりました☺︎

このように、お金を見るのが面白くて、殆どの場所でクレジットカードが使えるような国でも一定数は両替してしまいます(笑)
でもそれは、ちゃんと旅行中に使いきれる金額だけのお話。
「海外旅行に行けなくなってしまったから、そのお金を行きたかった国の通貨に変えて運用しようかな」と思っているそこのあなた!!(が、いるのかいないのかわかりませんが(笑))ちょっと待ってください!もし高金利に惹かれているなら、その金利分が目減りしてしまう可能性についても考えてみませんか。

*新興国通貨での運用で損をしやすいのは、円と比べて新興国通貨の価値が下がりやすいから*

ここでの運用とは、債権の購入や外貨預金等を想定しています。債権を買うというのは、お金を将来返してもらう権利を持つということ。銀行での預金も、引き出した時にお金を返してもらうという意味で、債権と同じように考えられます。
ではなぜ、円を新興国通貨に両替して債権を買ったり預金したりすると損をしやすいのでしょうか?
それはズバリ、長期的にみると新興国通貨は価値が下がりやすく、結果円高になってしまうことが多いからです。

例えばブラジルレアルは2010年には1レアル50円ほどでしたが、2020年には1レアル20円ほどになっています。南アフリカランドも2010年には1ランド12円ほどでしたが2020年には1ランド6円ほどに、トルコリラに至っては、2010年には1リラ60円近くもあったのに、2020年には1リラ15円と大暴落しています。
他の新興国通貨も、上がったり下がったりはありつつも、長期的にみると価値が下がっていることが多いです。ではなぜ新興国通貨の価値が下がると、損をしてしまうのでしょうか?
ブラジルレアルを例に考えてみましょう。2010年には100,000円を両替すると2,000レアルぐらいになります。そのレアルを運用して、10年後に2倍の4,000レアルにしました。(10年預金したら倍なんて日本では考えられないですねえ。)これを2020年に円に戻すと、1レアル20円なので、80,000円になり、結局20,000円も損をしてしまいます!実際には両替をするときに為替手数料もかかるので、もっと少なくなってしまいます。
これが、せっかく金利が高くても結局損をしてしまうカラクリです。

*新興国通貨の価値が下がりやすいのは、経済成長の過程でインフレが起きるから*

経済が成長すると、みんなの収入が増えます。収入が増えると、少し物の値段が上がっても、「買ってもいいかな」と思うようになります。
例えば、昔は消しゴム1個買うのに1レアル出すのが限界だった人も、お給料が倍になれば、2レアル出してもいいかなと思うようになります。値上げしても売れるのなら、売る人は値段を上げますよね。一方日本では、10年前も今も消しゴムはだいたい同じ値段です。
昔は「50円=消しゴム1個=1レアル」だったのに、10年経つと「50円=消しゴム1個=2レアル」になったりするのです。これはつまり、円に比べてレアルの価値が下がっていて、円高レアル安になるということです。物価と通貨の価値は常に連動している訳ではありませんが、長期的にみるとインフレが起きている国の通貨の価値は下がっていくと言われています。日本では(インフレ率2%が目指されていたものの)新興国ほどのインフレは起きないので、円に比べて新興国通貨の価値は下がってしまい、結果として円高になるのです。

*まとめ*

まとめると、「円から新興国通貨に両替する」→「新興国では経済成長と共にインフレが起きる」→「新興国通貨の価値が下がる」→「円に戻したときに価値が減りやすい」ということです。
もちろん円高になる分以上の高金利だったり、円に戻すタイミングでたまたま円安になったりということはあり、その可能性も考えたうえで投資するのであればエマージング債は魅力的な投資対象になります。
でも私のように、すぐにはそのリスクを判断できない人は、一度じっくり考えてから行動してもいいのかな〜なんて思う今日この頃です☺︎



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