”11.8%”にみる日本の危険信号
エネルギー自給の実情が変わりつつある
日本は長い間エネルギーを輸入に頼って、低いエネルギー自給率でも安定的な生活を送ることが可能な国でした。ただここに来て、これまでと同じようにエネルギーの安定供給が保証されない可能性が出てきました。
特に日本の場合は2011年の東日本大震災をはじめとする原発事故をきっかけに原子力発電は縮小され、発電のほとんどを火力発電に頼っているのが実情です。
そして、その火力発電の燃料の化石燃料はほとんどを輸入に頼っているのが現状です。化石燃料は価格変動が激しく、火力発電に依存している日本にとっては発電コストの乱高下に巻き込まれやすいという恐れがあります。
そのためには化石燃料に依存しない再生可能エネルギーをはじめとする日本の地理的特性を活かした発電にシフトしていく必要があります。
発電コストと採算性をどう考えるか
しかし一方でこうした再生可能エネルギーは発電コスト単体で見ると発電効率が悪いのも実情で、それゆえこれまであまり再生可能エネルギーは広がりを見せてきませんでした。
だったらどうしたらいいのという声が聞こえて来そうですが、発電と収益化を同時に達成するということがポイントになってきます。
例えば再生可能エネルギーで発電した食料を付加価値をつけて販売できるような仕組みを作ることで、再生可能エネルギー単体では採算性が悪くても、トータルでみた時にしっかりと収支が合うような仕組みです。
エネルギー生産から消費までを一つのパッケージとして環境負荷の少ない持続可能な形で設計することが大事になってきます。
手遅れになる前に
現時点では発電コストのみで考えれば化石燃料による発電が優位なのは紛れもない事実です。しかしこれから先、資源の枯渇によって確実に再生可能エネルギーにシフトしなければいけない状況が訪れます。
その時になって再生可能エネルギーによる発電に取り組むのでは確実に遅いのです。発電技術の遅れを取り戻せる保証はどこにあるのでしょう。資源がない日本は技術で解決策を見出さなければならないのです。
だからこそ今のうちに再生可能エネルギーを基軸とした発電の仕組みを形成することが大事になってきます。