ラーム・エマニュエ

なんとなくこの人が見える?

ラーム・エマニュエル駐日大使:帰国と次なる政治的ステップ

東京  米国大使ラーム・エマニュエル氏が、トランプ大統領の就任を待たずに日本を離れることが決定した。エマニュエル氏の日本での活動、特にLGBT問題への影響とシカゴ市長時代の評価を社会学的視点から再検討し、彼の次なる政治キャリアについて考察する。

シカゴ市長時代:政策の光と影

警察改革と治安悪化:
エマニュエル氏のシカゴ市長時代(20112019)では、警察予算の削減が注目された。この削減は、2011年から2015年の間に約1億7,500万ドルに上り、警察官の数が10%以上減少した 。しかし、これは不必要な予算の削減が他に可能であったにもかかわらず行われた。具体的には、シカゴ市では都市開発プロジェクトに2012年から2016年の間に15億ドル以上が投じられたが()、この費用が治安維持に比べて優先された点が批判された。社会学的には、これにより資源配分の不均衡が社会的分断を促進し、犯罪率が2016年には過去最高の762件に達したことが指摘される。

社会学的視点からの警察予算削減分析:都市の安全保障と資源配分: 都市社会学の理論によれば、公共安全への投資は社会の安定と結びついている。エマニュエル氏の政策は、社会資本理論に基づくと、公共安全の資源配分を軽視したものと解釈される。
不必要な予算の例: シカゴ市では、ミレニアムパークやナビー・ピアの拡張など、観光開発に多額の予算が投入された。これらの費用は、シカゴ市の予算書によれば、2013年に3億3,600万ドルが割り当てられていた()。

教育改革の二面性:
教育政策では、授業時間の延長や学校閉鎖が行われ、教育格差の拡大を招いた。これは教育社会学の視点から見ると、教育アクセスの不平等が増幅された例である。具体的には、50以上の学校が閉鎖され、低所得層の子供たちの学業成績が低下したことが報告されている()。

銃規制の限界:
エマニュエル市長が推進した銃規制政策は、アメリカの銃文化や歴史的背景を考慮しないまま行われ、犯罪抑止に効果が限定的であった。シカゴの銃犯罪は2016年に1,100件以上と高止まりし、政策の不備が明らかになった。

日本での功績と影

LGBT理解増進法への影響:
日本でのエマニュエル氏の活動は、LGBT理解増進法の成立に影響を与えた。これは国際的な人権基準の推進という面で一定の功績が認められる。しかし、そのアプローチは日本固有の文化やプライバシー意識を十分に考慮しないものであった。特に、銭湯文化との衝突や、受け入れ体制の未整備が指摘された。トランスジェンダーの利用者に対するプライバシーと安全の問題は、未解決の課題として残されている。
2022年の調査では、日本の公衆浴場がLGBTフレンドリーな政策に抵抗感を示した。

銭湯問題の詳細:
閉鎖に追い込まれた施設: 一部の銭湯では、LGBT問題に伴う不適切な行動が原因で閉鎖に追い込まれた。具体的には、燃料費の高騰と合わせて、当事者同士が性交渉の現場としてSNSで連絡を取り合い銭湯で当日性的行為に至る行動が問題となり、経営難に拍車をかけた施設も存在する。

文化的摩擦と社会的不満:
エマニュエル氏の積極的な介入は、一部で文化的摩擦を引き起こし、社会的不満の種となった。繊細な日本人の性質を理解しないまま進められた政策は、当事者への配慮不足が問題視された。

次なる政治的ステップと評価

民主党全国委員会委員長への道:
産経新聞によると、エマニュエル氏は帰国後、民主党全国委員会の委員長に立候補する可能性がある。これまでの政治経験やネットワークを活かすことで、党の方向性に影響を与える立場に立つ可能性が高い。しかし、彼の政策の評価は分かれる。シカゴ市長時代の治安対策や教育改革の失敗は、彼の指導力に疑問を投げかけるのみならず、日米を跨ぐ彼の政治活動の痕跡から浮かび上がる彼の人間像の根底に、人間軽視のエリート的思考が窺え、まるで出世の道具として彼の政治決断があり、市民の実生活に対する配慮を欠く姿勢が常に付きまとう。その結果として、日米を跨ぐ「治安悪化」という彼の政治活動の痕跡が共通して浮かび上がるのではないだろうか?
政治の現場には常に、人間が織りなす予測不能な課題が複雑に入り組む。
政治的評価は常に、打ち立てられた記念碑のような政策ではなく、その政策がどれだけ有効であったかその現場の社会状況を見て判断すべきではないだろうか?

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