ヘッドマウントディスプレイで現実世界とおさらばしたい僕の企画書 -序-
現実世界の拡張。
こう聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
私は AR や VR を思い浮かべます。
AR はポケモンGOといった、まさに現実を拡張するツールです。
VR も、少し違いますが、仮想の空間という新しい世界を提供してくれます。
しかし、僕は AR で満たされません。
これまでいなかったところにモンスターが出現したり、見えないものが見えるようになったところで、僕自身が空を飛べたり、壁を壊せるようになったりできる訳ではありません。
現実ではなく、現実を生きる僕を拡張して欲しいというのが本心です。
また、VR でも満たされません。
確かに、AR と違い、仮想の世界では、僕は空も飛べるし、壁も破壊できます。まさに僕が拡張されています。しかし、あくまでも、そういう映像であり、そういう音である。というだけです。飛ぶ、壊すは、本来、触覚を満たすものです。それを視覚、聴覚で再現というのは、とても満足できません。
AR や VR といった、現実世界の拡張や、仮想空間の創造というのは実はあまり魅力がないものかもしれません。
確かにすごい技術ではあるけど、なかなか普及が進まないのは(ポケモンGOは例外ですね。やはりゲームはすごい)、そもそも僕たちは、自分がいる世界ではなく、その世界にいる自分自身がすごくなりたいのです。その世界というのは、なるべく一般に普及している世界が良くて、つまりこの現実がもっとも良いですね。
それでいうと、現実世界の僕たちは、視覚や聴覚については、かなり拡張されています。自宅から地球の裏側の様子が見れるし、そこでの音も聴けます。
五感の残り、触覚、嗅覚、味覚。これらを視覚や聴覚のように、それぞれ拡張することができれば、AR や VR 以上の拡張体験ができるのではないでしょうか?
例えば、自宅で、何キロも離れたモンゴルの草原の映像を見ながら、そこの鳥のさえずりを聴き、その場所に吹いている風を感じることができればどうでしょう?
もしくは、自宅で、何キロも離れた異国のレストランの映像を見ながら、そのお店のお客さんの声が聞こえたり、レストランの料理に口をつけ、匂いを嗅ぐことができたらどうでしょう?
これこそが僕も求めている拡張です。
体験のコストを抑えつつ、いかに体験と同等の感覚現象を起こせるか。
現実世界ではなく、身の周りの世界を拡張する。
これが僕のやりたい企画のテーマです。
では具体的にどうするか。それを次回ご説明いたします。
-破- につづく...
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?