不動産と石綿含有建材調査者
石綿含有建材調査者ってなに?
個人的な話から始まるが、昨年に石綿作業主任者の資格と一般建築物石綿含有建材調査者の2つの資格を取った。
令和5年10月1日から解体作業における有資格者(一般建築物石綿含有建材調査者も1つ)によるアスベスト調査が義務付けられるからだ。
アスベスト(石綿)というのは色んなところに含まれている。建物だけではない。有名どころで言えば、ニトリの珪藻土マットレスに含まれていたのを思い出す人は多いだろう。
身の回りの設備ではユニットバスの壁に含まれていたり、キッチンの天板に含まれていたりする。メーカーのサイト内でアスベストが含まれている製品情報が掲載されている。
大丈夫か??と心配する人も多いかもしれないが、通常に住んでいるだけであれば基本は飛散しないので大丈夫である。
屋根材の中に石綿が含まれているのであれば、老朽化によって雨風で飛散する可能性は0ではないが、室内設備である程度のものであれば石綿が飛散する可能性は少ない。
なので、身近には感じない石綿ではあるが、
石綿の輸⼊量は戦後から増えて、昭和36 年には 10 万 t 。昭和 49 年が最⼤の 35 万 t 。それ以後平成元年頃までは 20〜30 万 t 。である。
【引用:https://www.env.go.jp/content/000086803.pdf】
原油タンカーが1台20万tらしい。あのでっかいタンカー分の石綿がいろんな建物の中で眠っているのかもしれない。
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石綿の怖さはなんだろう?
では、石綿の何が怖いかちゃんと知ろう。
まずは健康被害である。石綿肺、肺がん、中脾腫というのがある。
⽯綿肺は、⽯綿の健康影響として最も早くから注⽬されている疾患で、職業上⽐較的⾼濃度あるいは⻑期にわたって⽯綿を吸⼊した労働者に起こるじん肺の⼀種である。
肺がんは、昭和 10 年に⽯綿肺に合併する肺がんの症例が最初に報告された。その後,昭和30 年に イギリスの紡織⼯場で働く労働者を対象にした疫学調査で,この紡織⼯場で20年以上働く労働者の肺がん死亡率が⼀般の住⺠に⽐べて13.7倍も⾼いことを検証した。
中脾腫は、胸膜、⼼膜、腹膜等のしょう膜腔を覆う中⽪表⾯及びその下層の組織から発⽣する、きわめて予後不良な悪性腫瘍(がん)である。
【引用:https://www.env.go.jp/content/000086803.pdf】
どの健康被害も石綿を扱う工事しているその時にわかるものではない。
時間が経過して、体調が悪くなってから気づくものばかりだ。
これが本当の石綿の怖さだと思う。
変な例えだが、醤油と砂糖どちらかわからない白い粉をなめてみればその瞬間にわかることだが、解体作業中に出てきた粉塵を吸引してもそれが土地煙なのか、石綿が飛散しているのわからない。
解体前に適切な調査が必要になる。
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不動産と石綿
最近、空き家活用が流行っているのかInstagramの広告に出てくるし、メールでも空き家についての紹介が来る。どれも格安物件で誰かが住んでくれたら利回りが高くなる。築年数も相当だ。
そういった不動産投資も面白いと思う反面、改築した場合や解体した時に石綿が出てこないか心配になる。
不動産経営をするにはお金も時間も必要だが、きちんとした予備知識を身につける勉強も大切だ。