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「君たちはどう生きるか」
を読んだら、働くことに対する考え方が変わったお話。
私のこれまでの「労働」に対するイメージは、国民の義務。強制的で、逃れられないもの。
何事でもそうだけど、例えば勉強とか予防接種とか、強制的にしなければいけないことってなんだか拒否反応がでちゃうよね。
だからずっと成長せずに大学生のままいれたらな〜なんて最近まで思っていたのが正直なところ。
まずそんな捉え方がちょっと変わったのが、大学3年生。授業数が減ってバイトの時間がかなり増えたころ。
働いているうちに出会った大人・社会人は、「自分や会社の利益の為」というよりも、「世の為人の為」っていう考えの人がかなり多かった。
そういう人たちだからこそいきいき働けるんだろうなあって、私には凄くかっこよく映って。
そんな風に、働くことを「義務的行為」とか「生きていく為にする行為」みたいに自分本位で考えるより、
「誰かのためになる行為」とか「より良い社会にするための行為」みたいに他人本位とか、もっと全体的に捉えてみたら、働くことって良いことじゃんって思うようになってきた。
そんななかで、今日たまたまこんなことがあった。
超絶に重たいスーツケースを2つ転がしていた私に、お姉さんが手を貸してくれた。でもきちんとしたお礼も出来ずに、お姉さんはさっさと行ってしまった。
人に助けてもらうことって、本当にたくさんある。
家族、近所のおじちゃんおばちゃん、友達、職場の人、、、私が日頃からお世話になってる周りの人から助けてもらうこともあれば、知らない人に助けてもらうことも多い。
例えば今日のお姉さんの他にも、
カフェで隣に座ったおじちゃんが英語を教えてくれたこと。
現金の持ち合わせがなくなって絶望してたときにおばちゃんがお金を恵んでくれたこと。
バスに乗り間違えた私のために運転手さんがわざわざ路線を変更して目的地まで送ってくれたこと。
と、私のポンコツが浮き彫りになってしまうエピソードばかりなんだけど、世の中優しい人はいるもので。
こういう人たちとの出会いは本当に一期一会で頭が上がらない。
でも、お礼がしたいからって連絡先を交換するわけでもない。いつか再会することも、ほとんど無い。
とくに上記の事はぜんぶ海外で起きたことだったりする。
だからこういうとき、
「困っている人がいたら、今度は私が。」
こうすることが私なりの彼らへのお礼だと思ってたし、これまでそうしてきた。
でもなんだか間接的すぎて、物足りなくない?ってずっと感じていた部分もあって。
そういう複雑な気持ちのなかで、この本の「生産関係」の章を読んで、ハッとした。
「生産関係」というのは簡単にいうと、モノを生産する過程で生まれる人間関係のこと。
例えば野菜をとってみると、
野菜を育てる人、梱包する人、運搬する人、販売する人、、、みたいに生産者がかなり複雑に関係しあってる。きっとこれもごく一部で、肥料をつくる人とか、品種を開発する人とか、実際にはもっといる。
そうやって私たちの身の回りにあるモノは実際のところ、数えきれないくらいたくさんの人間が繋がって、協力しあって出来たもの。
つまり私たちが消費するモノは、人との繋がりの賜物だったり。
例えばいま目の前にあるiPhoneだって、製造は中国とかインドとかでされてるらしい。
そう知ってみれば、中国のお姉さん、インドのおじちゃんも急に身近に感じられるようになるし、世界中のみんなにありがとうって言いたくなるような。
そこで、じゃあ私が働いたことが巡りに巡って、今日助けてくれたお姉さんの役に立てる可能性があるかもしれない。単純だけどそう思った。
それこそお姉さんだけじゃなくて、海を越えてあの時お世話になった人たちのところまで届くことだってあるかも。
そんな感じでこれまでずっと不透明だった働く理由が、
周りへの「感謝」と「恩返し」
と、私のなかでの大発見ができた。
人によって働く理由はそれぞれだけど、私にはそれがしっくりくるなあ。ってやっと腑に落ちた。
それを働く理由にできる自分は、本当にたくさんの人に助けてもらって支えもらっていることも改めて実感。
この本は各章で「貧困」「ものの見方」などの別のトピックにも触れていて、核心を突かれたようで半ば泣きそうになったり、途中何度も頷いたりで、とにかく学ぶことがいっぱい。
もっと早く読んでおけばよかったと思いつつも、このタイミングで読めたことに意味があるんだろうっていう気もしてる。