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ずっと「子どもが欲しい」と思えなかった

出産予定日まであと1週間程度。もういつ産まれてもおかしくない時期になりました。

ここまで来て、妊娠して一番良かったと思うことは「妊娠するか・しないか」の悩みから解放されたことだと思います。
私の11年間のキャリアと、計7年・2回の結婚生活を支配してきた「妊娠」がやっと終わった、とホッとしているのです。


「子どもが欲しい」と思えない私はおかしい

これまで正直、私は子どもがかなり苦手でした。
友人の出産報告に添付された赤ちゃんの写真を見て「小さいな」と思うことはあっても「かわいい」と思ったことはないし、電車内で泣く子どもがいれば「親は大変だなぁ」としか感じませんでした。
むしろそれらの場面で苦しさを感じてしまうので、友人の子どもを見に行ったり街中で子どもに出会う場面を意識的に避けていました。

だから私は、「子どもが欲しい」と思ったことがなかったのです。
「子どもが欲しい」という感情がわからない。
「子どもがいたらかわいいだろうな」「楽しいだろうな」と思ったことが、一度もなかったのです。
子どもを持つ喜びや楽しさよりも、自分の人生がなくなることへの恐怖が圧倒的に大きかったのが本音です。

そんな気持ちを抱えたまま、一度目の結婚の時は計3年間妊活をしていました。
当時、妊活のモチベーションを上げるため同じく妊活をしている人のエッセイやnoteを読み漁っていただけれど、そのほとんどが女性側が「子どもが欲しい」という気持ちが強く、男性側の非協力的な姿勢を嘆くものでした。
私のように女性側が「子どもが欲しいかわからない」と葛藤するものは見つけられなかったのです。

そうしていつしか、「女なのに子どもが欲しいと思えない私はおかしい」と自分で自分を呪うようになりました。

今になってみて「子どもを欲しいと思えない」女性は案外たくさんいて、葛藤している女性もたくさんいることに気づきました。
ここ数年で女性のキャリア形成がしやすい制度や文化が整ってき始めていることや少子化対策の弊害なのか「実は子どもを欲しいと思えない」「わからない」と言いやすくなったのかもしれません。

もっと早くその事実に気づけたら、自分を呪わず苦しめずにいられたなと心底思います。
「子どもが欲しい」と思えない私は全然特別ではなく、おかしくもなかったのです。

キャリアにおける出産適齢期はいつ?

「子どもを持つこと」に対して離婚するまでに悩んでいた私ですが、再婚した途端に妊娠が判明しました。
妊娠は自分たちにとってサプライズだったのですが、もしサプライズ的に授かっていなかったとしても、少し落ち着いたタイミングで自然な形の妊活を始めようと考えていました。

そう、私の気持ちは変化してごく自然に「子どもいても良いかもしれない」と思うようになっていたのです。
それは再婚した今の夫が異性としてすごく好きなこともあるし、自由な子育てをしている先輩方と話したこともあるし、「子どもを持たない」と決断もできないなぁと考えたこともあるし…理由はたくさんあるのですが、何より自分のキャリアに自信を持てるようになったことが大きいのだと思います。

社会人になってから11年。転職回数3回。
やっと「広報」というメインキャリアが見えつつ、「ヘルスケアに関わる」というテーマも見えてきたタイミング。
まだまだ自分の仕事に自信が持てない場面もあるけれど、一旦離れても戻る場所がある・探せるから大丈夫だ、私の人生がなくなることはないと思えるようになりました。キャリアに対してこのような考えを持てるようになってから、やっと私は自分の人生全体を考えられるようになったのだと思います。

女性のキャリアにおける出産適齢期は人それぞれ。
「30を過ぎたら…」「高齢出産のリスクは…」など外部からの情報や悩みは尽きないけれど、適切なタイミングは人それぞれで良いのだと考えます。

出産に適切なタイミング=自分の人生に納得できるタイミングなのだとしたら、キャリアに対して行動が続けられていれば納得がしやすいのでしょう。
そう思うと、私が副業や転職、前職である程度の期間踏ん張って働き続けたことは、納得感の元になったなぁと振り返ると思うのです。

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