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BMW・3シリーズ[F30] 『福野礼一郎のニューカー 二番搾り』

2012年10月19日

Active Hybrid3 M Sport 車台番号:WBA3F92070F203314
320d BluePerformance M Sport 車台番号:WBA3D32090F286070
328iツーリング Modern 車台番号:WBA3G52090A269009

ハイブリッド速すぎ

 1200rpmで400Nmの最大トルクに達する名作N55B30には、もともとターボラグの痛痒などない。直噴+可変吸排気バルタイ+バルブトロニック+ツインスクロールターボという全部載せだが、吸排気設計だけでこんなエンジンができるなら世話ないとも思う。
 腰下にも設計の秘密はあるだろう。
 生産技術にも秘密はあるかもしれない。多分絶対。
 たとえば回転部の真直度/真円度/表面仕上げ精度をそれぞれ旧来常識より一桁上げて、フリクションの徹底軽減をしてるとかなんとかどうとか。この回り方とこのレスポンスには、機械の出来の基本からただものでない感がばりばりにする。
 そういうエンジンに40kW/210Nmのモーターをアドオンして、アイドリングから蹴飛ばそうという企画。

 結果はレスポンスの巨神だ。1000rpm時のトルクでこれに勝てるのは、トラック用ディーゼルターボか船舶用エンジンだけか。単なる比喩だが、いや本当にそうかもだ。

 ただし車重も1780kg(車検証記載値)と船舶級である。

 試乗車は「Mスポーツ」だったので、後輪は一回り太い255/40-1(8ポテンザS001)、ホイルベースは2810mmもあるが車体は存分に強靭、なので踏んだ瞬間にまず感じたのは、駆動系の捩れ起因のレスポンス遅れだった。ホイルベース2810mmのこういうクルマを、芦ノ湖スカイラインで乗ってみた。

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