一万円レガシーの編集後記
この記事は完全にボーナストラックだ。
先日の記事に対するフィードバックを受けて本文を加筆修正したい気持ちもあるが、コメントしたくなる余地を残している部分も含めて、あれはあれで完成されている。本稿は気になる人だけ読んでくれたら幸いだ。
まずは
予想外の反響だ
こればかりは本気で予想出来なかったとしか言いようがない。あの記事を読んで少しでも「レガシーってタップインしてOKなんだ!」とか「怖いイメージは一体誰がつけてんだ?」と前向きに、そして気楽にスタートする気持ちを持てたのなら、書き手にとってこれ以上ない幸せだ。更には他フォーマットでもやれそう!といった意見もあって、少しでも遊びを遊びとして遊ぶ勇気を示せられたのなら……と嬉しく見ている。
あの記事は有料記事(全編無料だが投げ銭出来るタイプ含め)にするなど露ほども考えていなかったのだが、善意で「気に入ったらサポート」機能から投げ銭をしてくれた人までいた。全く入り口を作っていなかっただけに、それでも価値を感じて気持ちを伝えてくれた方に心から感謝した。もし見ていてくれたらこの場を借りて心から感謝の意を伝えたい。500円で家族にケーキを買わせて頂こうと思う。
絶対にウケないと思っていた
こう思っていたには2つの理由がある。
1. 先駆者の存在
まず過去に「一万円レガシー」が提唱された時には定着しなかったどころか離反まで起きた形跡があったためだ。私は先駆者や先駆者の活動について詳しくはないが「レガシープレイヤーは資産に物を言わせてるだけ!」のニュアンスを少しでも感じさせてしまい、その意図なくとも批判されてしまったのかもしれない。対戦相手が必要なゲームにおいて尊敬を欠くことは何があってもタブーだ。
遊び方は自由であり、一万円握りしめてレガシーの大会に参加する自由もあれば、黒枠デュアルランドを集める自由もあるのだから。因みに僕もカッコイイから黒枠の土地を使っている、それがM10ランドなだけだ。
2. 現在のレガシーには過激すぎる
既存のレガシープレイヤーにとって「一万円レガシー」の存在は少々戸惑う部分があると思った。特にメタゲームというものが意識され始めたレガシー以降のプレイヤーにとっては、メタゲーム外のデッキを握るプレイヤーと当たる事はそれ自体が事故であって「勝っても負けてもつまらない」ものとして考える人もいるだろう、と思ったためだ。
レガシーのメタゲーム
ネットによる情報共有が進み、メタゲームの概念が導入されたレガシーの試合は、きちんと同じ流派の同じ道場で行われる整然としたゲームになった。僕はこれを本当に素晴らしいことだと思う。何故なら初心者でも情報があるからトップメタを握りやすくなったし、資産が無くてもメタゲームを読んで毒手を仕込んで道場破りに行くことが容易になったからだ。
大体は2T目の動きで相手のデッキの58枚目まで分かるので、そこから自分の手札や山札と相談して行動パターンを決めていくのは詰将棋のようで楽しい。だからURデルバー同型は技量の違いが如実に出て面白いのだ。
一方で、酒場の喧嘩や他流試合が極端に減ったことで、既存プレイヤーである僕自身もそういった輩に対する耐性が落ちてきたなとも感じる。更には「他流試合とか道場破りはノーカンかな~」と身内でデルバーの59枚目と60枚目を調整し続けてしまう始末だ(もうREB2枚でいいよ)。これが本当に他流試合ならまだしも、完全にルールとして認められているにも関わらず……だ。ネットによる情報共有が進んだ結果か、皮肉にも今のレガシーは閉鎖的になった印象がある。今は新しい風が欲しい。
TOUGH BOY
だから再びレガシーというフォーマットに混沌をもたらそうとするこの取り組みは何とかして理由をつけて批判されるだろうと思っていた。しかし蓋を開けてみれば、既存のレガシープレイヤーから、他フォーマットのプレイヤーまで非常に好意的に受け取られた。みんな知恵と勇気と努力を秘めたモヒカンバイカーだった!!
フィードバックに対して
折れた直剣縛りじゃね?
ここにコメントが付いてTwitterで議論されたことは嬉しかった。自分たちの取り組みを客観的に説明をするのに、ダークソウルの折れた直剣縛りというのが言い得て妙だな、と気に入っていたからだ。
折れた直剣縛りとは難易度の高いダークソウルにおいて、弱い武器を使ってクリアするという縛りプレイだ。こういった縛りプレイを見る時にこいつがオタクなだけだろは大前提として、その動きから「これなら俺でも出来るかも」という攻略の標を見つけ「折れた直剣で行けるなら自分のロングソード+1でもやれそう」と挑戦するモチベーションが湧くというのがある。それこそが経験者がマジメに《折れた直剣》を振るう(レガシーの環境を探索する)意義だろう。
そもそも「レガシー楽しい!」と感じたらすぐにロングソード+10(50万円)にしたって良いのだ。沼側としてはそれを望んでいる。これはルールやフォーマットじゃなくて方針なのだから。
このあたりは本編であるガイドラインに書いたのだが、予想外に実践編の方が伸びてしまった事で本来の思想をうまく共有出来なかったと思う。ここは記事の構成として、堅実にモチベーション→ガイドラインの作成→実践編という流れの方が良かったかもしれないと反省した。あの記事はあの記事でスピード感があったからこそ伸びたという側面もありそうだが。
レガシープレイヤーあったけえ
僕は対戦する際に自分からは「一万円レガシー」の旨を伝えない。負ける分には良いが、勝ってしまった場合に対戦相手が不快に思う可能性がゼロではないからだ。そして何よりも《意志の力》を構えているブラフが効かなくなるという自分のためにだ。
そんな中、今回のバズで勝った人からも負けた人からも「この人と当たったわ!」という方々を発見した。不快な思いをさせていないと良いがと心配していたが、好意的に捉えてくれていたようで安心した。今回のレガシー神の挑戦者だったウラベさんには最初期に超ザコい状態でマッチしたのだが、対戦後に構築のアドバイスまで頂けたほどだ。なんだよレガシープレイヤーあったけえじゃねえかよ……
読みやすかった!等々のコメント
みんなありがとう!
終わりに
あの記事は2日間で20,000PVを叩き出した。それによって僕が利益が得られる訳ではないんだけど、笑って読んで貰えたり、誰かの勇気になれたのなら嬉しい。きっとレガシー神を殴った《ギデオン・ジュラ》や《悪斬の天使》も微笑んでいることだろう。
また「一万円レガシー」は最近人気の商標登録もされていないから、是非みんな好き勝手にSNSで発信したり、記事を書いたりして自由に楽しんでほしい。対戦相手への尊敬があれば心配はいらない。きっと 新規プレイヤー日照りの レガシープレイヤーは温かく迎え入れてくれることだろう。
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