
私は「彼女」を「彼」と呼ぶ
初めて彼を見た時、イケメンだと私は思った。
語彙力皆無すぎて自分でも笑ってしまうが、
その時の私はそれほどに
彼という存在に魅力を感じた。
後に、彼という人について知ろうと思い、
様々なSNSを駆使して情報を集めた。
そして、私は驚くべき事実とぶつかることになる。
それは彼が戸籍上は女性であるということである。
私はずっと彼を男性だと思って見てきた。
故にとてもびっくりした。
性同一性障害かと思った。
しかし彼は、そういう訳ではなさそうだった。
爆イケな配信を取ることもあれば、
女子会を開く時もある。
そういうどちらの性別も楽しむことを、
人は「中性」と呼ぶ。
だがしかしその言葉を彼に当て嵌めるのは
全く違うと思った。
私はどう違うのか自分でも分からなかったため
違和感の正体をたくさん考えた。
その結果の私の答えは
彼には性別という概念がないということと
最初に抱いたイメージが強すぎるという事だった。
何者にもなれる彼の自由奔放さに惹かれていった。
でもなぜ、
概念がないと言った私は「彼」と呼ぶのか。
概念がないということは
何にでも捉えられるということだと私は思う。
要するに、
彼女だと思う人もいれば、
彼だと思う人もいる。
人それぞれ考え方が変わってくる。
その中で私は彼女を彼だと思った。
彼の性別が、彼女でありながら彼でもあるという、
概念のなくなった事実を理解した上で心に決めた。
だから、
私は「彼女」を「彼」と呼ぶ
彼の本望は誰にも分からない。
でも、自由を掲げ、誰をも受け入れた彼を
推している殿厨である限り、
自分の気持ちを綴っていきたい。
結病魅