本を出したい女の話23
そもそも、私が本を作ろうと思った理由は前にも話した通り、私自身が何度も本に救われ、人生を変えてもらったから。頭を使わずに見られるショート動画も、息するようにつぶやけるSNSも、発信するための媒体がいくつもある世の中で、本を読む時間を設けるって、なんだかとても贅沢なの。だから好き。そんな贅沢な時間のお供になれたらいいと思ったのがひとつ。あなたはどんな時に心が温かくなる?
そして実際に行動に起こせた理由がもうひとつある。元々私自身が本当にコンプレックスの権化みたいな人間でとても生きにくかった。それと向き合ったことで、日々凪のように穏やかな気持ちで心地よく生きられるようになって、これは広めた方がいいと思った。SNSの普及で便利になった反面、情報量が多くて人と比べてしまったり、何をしても外部からとやかく言われたり、少しだけ窮屈な現代だから。
もっと自分に優しく、ありのままの自分で心地よく笑って生きていける人が増えるような活動を今後の人生でしていきたいと思った。
そんなことを考えていたタイミングで、私の大好きで心から幸せになってほしいと思っている友達が発した"私なんて"という言葉を聞いて、どうしたら自然に、自分を1番大切にする方法や、過去の傷を癒したり揺るがない自信をつける方法を伝えられるだろう?って、ものすごく考えさせられた。
そうして思いついたのが本。友達が書いた本ならペラペラくらいは読んでくれるかなって。その中で少しでも"私なんて"が消える瞬間があったらいいなって。心が温まる瞬間があったらいいなって。これが本を出すきっかけとなったふたつめ。
だからこの本は、言ってしまえば私が友達に向けて書いてる本なのだ。私情を挟みすぎていることはわかってる。でももはや、この本を何千、何億冊とある中から手に取って読んでくれているあなたも私と縁のある大事な人。人類皆友達理論。
独りで無性に寂しくなった真夜中も、何かしらの理由で疲れちゃった帰り道も、挑戦する一歩が踏み出せない暁方も、私があなたの味方であることを知っていてほしい。今はお互い顔も名前も知らなくたって、いつか美味しいものを食べながら乾杯してる未来があるかもしれない。自分の味方がこの世にいるだけでちょっとだけ心がほっとする。もう少しだけ頑張ってみようかと思えたりもする。
きっと、あなたは自分で思ってるよりも遥かに沢山の魅力に溢れている。あなたが心からそう想えるようになるまで、何度だって私はあなたに愛を届けたい。どんなあなたも特別で大切な人であると。あなたの存在全てが愛のかたまりなのだと。今はあなた自身がそう思えなくても、ちょっぴり私の言葉を信じみてほしい。その信じる勇気が、いつの日かあなたを見たことのない世界へと誘ってくれる。
ここからは、私が大切な友達に手紙を書くように、ラフに書いていこうと思う。その時々、読みたいページを読んでもらえたらいい。役に立つかもしれないし、役に立たないかもしれない。でも学生の頃、先生の目を盗んで書いたあの青くて、刹那的で、取るに足らない手紙のやりとりが日常に彩りをもたらしてたような気もする。だから受け取ってもらえるかな。他愛もない、だけど愛のある私からの手紙を。
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