柳湯とテルマエ展のこと
2024年6月2日。東京。
3週間ぶりの東京。
昼間は数々のタスク(味スタでJリーグ観たり、新宿で中華食ったり)をこなし、あっという間に夕暮れ。
はい、風呂である。
♦︎
宿から徒歩10分ほどのところに柳湯なる銭湯があったので、小雨の中を向かった。
物々しい雰囲気にビビりつつ、防衛省の脇を風呂道具片手に北上。敷地内にバカ高い塔があり、圧倒された。
バカ高い塔にどんな役割があるのか知らないけれど、バカ高い塔のおかげで我が国の平和が保たれているのだろう。
ありがとう、バカ高い塔。いつまでも、バカ高い塔。
♦︎
バカ高い塔をやり過ごし、あっという間に柳湯さんへ到着。
綺麗だ。グリーンが眩しい。
調べてみたところ、2022年にリニューアルしたようで、なるほど綺麗なはずである。
かといって、デザイナーズなんちゃらみたいな気取った感じはなく、私のようなノーセンス大ダサ中年にも優しかった。
湯船はバイブラ主浴槽、ハイパワージェット、座風呂、電気の計4つ。リニューアル前はスチームサウナもあったらしいが、いまはお湯のみとなっている。
♦︎
2022年はサウナプームのド真ん中ではなかったか(いまもそうなのかもしれないけど、よくわからん)。
その状況下でノーサウナというのは、結構な決断だろう。
「こちとら江戸の銭湯でぃ!鬼畜米英の蒸し風呂がなんぼのもんじゃ!」
という気概かもしれないし
「本当は作りたいけど物理的に無理だ…」
という哀しい事情かもしれない。
いずれにしても、柳湯は湯だけで勝負している。
もちろん、それでよい。いや、それがよい。
あの頃、タピオカを売らなかった人たち、今もタピオカを売っている人たち、どちらも愛している。
♦︎
主浴槽のバイブラに浸かった。
その泡の発する音が、不思議と優しく耳心地よい。
通常のバイブラが
「ゴボゴボグバァズブァ」
だとすると、柳湯さんのバイブラは
「コポポポクプププ」
であった。
パワフルなゴボゴボ音も悪くはないが、穏やかなコポコポ音は私の心を落ち着かせた。
♦︎
締めの水風呂。
ブルーライトで照らされており
「ラブホの風呂みてぇだな」
などと、しょうもないことを思った。
一説によると、ブルーライトには人の心を落ち着かせる効果があるという。
♦︎
意図的かどうかはわからないが、東京で舞い上がっていた私の心は、柳湯の熱と音と光で鎮められた。
サウナはあってもよいが、なくても十二分によい。
♦︎
銭湯でグァバジュースをいただけるなんて、さすが東京。おしゃれ。五本指ソックス。
♦︎
翌朝、午後のフライトまで時間があったので、パナソニック汐留美術館のテルマエ展へ。
新橋駅で降り、美術館を目指していると素敵なスポットを発見。
港区指定である。パブリックなヤニスペースが維持されているのは、港区女子の皆さんが税金をちゃんと払ってくれているおかげだ。
ありがとう、港区女子。いつまでも、港区女子。
♦︎
ヤニにまみれた身体で到着。
前半が古代ローマのテルマエ、後半が日本の銭湯についてという展示構成になっていた。
そんなわけで、まずは古代ローマゾーン。
カラカラ浴場平面図。なんと図書館まである。
古代ローマ人も、メガハイボールを飲みながら頭文字Dとか読んだのだろう。
以上、ローマゾーン終了。いや、写真OKエリアが少なかったんだよ。
♦︎
続いて日本の銭湯ゾーン。
このジオラマ、とてもよい。家に欲しい。
たぶん親子だろう。体格。
♦︎
粘土、ふのりで洗髪。狂ってる。シャンプー大喜利かよ。
以上、日本の銭湯ゾーン終了。
♦︎
色々な知識を得ることができた。
ただ、湯に入るというのは極めてフィジカルな行為なので、そういった知識があってもなくても「お風呂、気持ちいい~!」の度合いは変わらない。
カレーの知識がなくとも、カレーはいつだっておいしい。そういうことだ。
♦︎
斜に構えてそんなことをいったりしつつも、しっかり物販は買い込んだ。
メッシュポーチが可愛すぎるので、ノーセンス大ダサ中年からの脱却はもうすぐです(もうすぐではない)。