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小松湯とJリーグのこと
2024年の2月下旬、2泊3日で3ヶ月ぶりに東京へ。
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1日目の夜、池袋の小松湯さんを訪ねた。
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「でけぇ」
脱衣場も洗い場もとにかくでかい。
「でかい」より「広い」が適当かもしれないが、高さもあって「でかい」という印象が 勝った。
「小」松湯だなんて、謙遜も甚だしい。アンドレ・ザ・ジャイ松湯とか布袋寅松湯とかにすべきだ。
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「ご自由にお使いください」と、ボディソープやシャンプーが置かれていたので、ご自由に使って身体を清め、いざ入浴。
浴槽は温めのバイブラ、ジェット、あつめ、薬湯、水風呂というクインテット。
出色なのはバイブラだった。
マイルドな泡。端的にいうとバブルの勢いが一般的なそれよりも弱かった。しかし、それがよかったのだ。
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私はハードコンタクトユーザーである。
ホコリ、風、小虫など、眼球に襲いかかるアレコレを極度に恐れている。バイブラで弾ける水の粒も、眼球の天敵である。
なので、私がバイブラに入るときはじっと目を閉じる。あるいはそもそも入らない。
しかし、小松湯のバイブラは優しい。飛び散らない。目玉ガン開きでもノープロブレム。
かといって、身体への刺激がないわけではなかった。ありがたい。優しい。抱いて。
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ジェットも素晴らしく、的確に私のツボを捉えた。
ジェットの当てどころが定まらず上下左右に動いているうち、Choo Choo TRAINの振り付けみたいになることがままあるけれど、小松湯のジェットはそれを要さず、一撃でフィットした。
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小松湯にサウナはないが、水風呂はある。そして、洗い場の片隅にはベンチ。
熱い湯、水風呂、ベンチという電光石火のトリプルプレーですっかりやられてしまった。
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小松湯のバイブラ、ジェットは、私の身体に合わせてくれているとしか思えなかった。
もちろんそんなわけはなく、たまたま相性がよかっただけだ。
「体の相性」という言い回しがあるけれど、それはつまり、ジェットとバイブラのことなのだと知った。
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そんな風にベンチでボーッと高尚なことを考えていると、小学校高学年くらいの男子3人組が洗い場に登場。親の姿はない。
節度あるボリュームで
「熱いよ!入れねぇよ!」
などとはしゃいでいた。
楽しいだろうな、と思った。
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自分があのくらいのときは、何が楽しかったんだろうか。
子どもだけで銭湯に行った記憶は少なくともない。
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翌日、国立競技場。
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2024シーズンのJリーグ開幕戦。
東京ヴェルディ対横浜F・マリノス。
試合前、93年のJリーグ開幕戦を振り返る映像が流れた。若き日のカズにラモス。春畑道哉のギター。
そうだ。
自分があのくらいのときは、ラモスやカズ、はたまたラモン・ディアスや水沼に夢中だった。
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あの日のテレビに映し出された国立競技場とは違う国立競技場で、貴史ではない水沼が躍動しているのを、子どもではない私が、あの日と同じようにワクワクしながら見つめた。
そして、あの日と同様にヴェルディが逆転で敗れた。
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当然のように変わったことも、意外に変わっていないこともある。
あの3人組も、いつかそんなことを考えたりするのだろうか。
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長くなっちゃった。続く。