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札幌銭湯スタンプラリー2024のこと(その14・大学湯)
2024年8月15日、大学湯さんへ。
札幌銭湯スタンプラリー2024の14軒目。
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本当は北都湯さんにお邪魔するつもりだった。
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なんで?ストライキ?
あ、そうか。あれか。盆か。
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中学のとき、社会を担当していた定年間近の坂巻先生が地図を指しながら
「ここが甲府盆地ですね~。ザ・ぼんちですよ~」
といっていたのを思い出した。松本盆地でも富良野盆地でもいっていたような気がする。
漫才ブームを知らない世代ゆえ、クラスメイトは全員きょとんとしていたが、少しだけお笑い知識のあった私は心の中で
「お…おお…おさ…おさ…おさむちゃんで〜す!」
と密かにレスポンスしていた。
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何を書いているのだ。
とにかく北都湯は休みだった。せっかく北24条まで来たのに。
名店「団地妻」で一発アレしていこうと思ったが、とっくの昔に摘発されたらしい。
もう帰るしかない。しかし利那、声が聞こえた。
「東にある森のそばには、立派な銭湯があるんじゃ」
じいさんの声だ。お盆だから帰ってきていたのだろう。じいさん、ドラクエの村人みたいだな。
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じいさんのアシストにより、私は大学湯の存在を思い出した。大学村の森公園の近くにある、とても素敵な銭湯だ。15分ほど歩かねばならないが、やむを得ない。東へ向かった。
「大学湯もお盆休みかも」
とは思ったが、確認せずに進んだ。じいさんが教えに来たってことは、やってるだろ。
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やってた。
生前のじいさんは変な嘘をつくことが多々あったため(『北海道で最初にグラタンを食べたのは俺』など)、正直なところ少し疑っていた。
すまん、じいさん。そして、お盆なのに営業してくれていてありがとう、大学湯。
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大学湯は3回目だろうか。
たった3回なのに言い切るが、私は大学湯が大好きだ。
まずそのシンプルさがよい。
湯船は2つのみ。薬湯でも電気風呂でもなく、白湯のジェットとバイブラだ。サウナも水風呂もない。テレビや有線もない。シンプル イズ なんとやら。よい。
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ひとつのメニューだけで勝負する飲食店がある。「中華そば」のみとか「レアチーズケーキ」のみとか。
メニューがひとつのみというだけで
「美味そう」
となる。そこに自信とこだわりを感じるからだろう。
「それしか作れない」「自信とこだわりは確かにあるが不味い」といったこともないとはいえないが、稀有なケースだと思う。
大学湯のシンプルさが、自信やこだわりによるものなのかどうかは知らない。いや、恐らく違う。
それでも「中華そば」だけで勝負するような、清さと力強さを大学湯は湛えている。
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そして脱衣場である。番台形式なので正確には脱衣場兼休憩処なのだが、そのスペースがまたよい。
昨年のスタンプラリーで訪れた際には「リフォームしたおばあちゃんの家みたいな味がある」と書いた。
何故にそう感じるのかは未だにわからないが、やっぱり、おばあちゃんの家みたいな雰囲気だ。
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夏休みの帰省。
「スーファミ持ってくればよかった…」
などと思いつつ、ガリガリ君を食べながら「あなたの知らない世界」を観たりしていた、おばあちゃんの家。
あのグルーヴが、大学湯にはある。
じいちゃんに導かれ、ばあちゃんの家へ来た。リメンバー少年時代。
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14こめ。私の心は夏模様。