札幌銭湯スタンプラリー2023のこと(その16・大学湯)
札幌銭湯スタンプラリー2023、16軒目は大学湯さん。
大学湯とは、何ともトリッキーな屋号だ。
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札幌で大学といえば、いわずもがな北海道大学である。北大が近いから大学湯、ということなのだろう。
しかし、近いのが北大でよかった。同じ学校でも「代アニ湯」「看予備湯」では少々パンチに欠ける。
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たどり着いた大学湯。
「北大近くねーじゃん!」
めちゃくちゃ遠いわけではないが、大学を名乗ってよい近さではない。
千葉のアレが東京を名乗っているようなことなのだろうか。
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なぜ大学湯なのか。
大学芋は大学生の間で人気になったため、その名が冠されたという。
大学生がたくさん来たから大学湯というのはありそうだ。
と、ここで改めて地図を眺めて気がついた。湯の近くに「大学村の森公園」がある。
大学なのか村なのか森なのか公園なのか、これはこれで謎すぎるが、とにかく公園がある。
この公園から「大学」を拝借したと考えるのが自然だろう。
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納得しつつ暖簾をくぐった。初めての銭湯は多少なりとも緊張する。
「はじめましてこんにちは私は大卒です!」
叫びながら入店し、番台にスタンプ用紙をお渡しした。
それではお聴きください、ZAZEN BOYSでDAIGAKUSEI。
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番台スタイルだが、脱衣場はなぜかモダンな洋の雰囲気だ。
何がそうさせているのかはわからないが、リフォームしたおばあちゃんの家みたいな味がある(褒めてる)。
休憩用の椅子も形状、配置が面白い。
私の貧相な語彙で説明するのは難しいのだが、タクシーコントができそうな感じとでもいおうか。
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洗い場へと進む。
大学湯にはサウナも水風呂もない。あればありがたいし、しっかり入るが、なくても全く問題はない。
銭湯に湯船がなかったら立派な詐欺だが、サウナがないからと詐欺呼ばわりはできない。
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銭湯におけるサウナはカレーにおける福神漬、牛丼における紅しょうが、学校における理科準備室みたいなもので、なくても別に何とかなる。
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銭湯サウナという言葉がある。
これはサウナを中心に据えているからこその呼び方だ。この呼び名を用いるのは、サウナがないと困るという人だろう。
個人の自由なのでそれが悪いとは全く思わないが、湯が銭湯の中心という観念から逃れられない私は、違和感を拭えないのも事実である。
福神漬(カレー付)みたいなものである。
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バイブラとジェットというミニマルな構成の湯を満喫し、脱衣場へ戻った。
先ほどのタクシーコント椅子、運転席のポジションにお客さんが座っていた。
後部座席に滑り込み「運転手さん、前の車を追ってくれ!」といおうかと思ったが、たぶん驚かれるだけだし、逆に秀逸なボケを返されてコント継続となっても困るのでやめておいた。
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