札幌銭湯スタンプラリー2023のこと(その28・滝の湯)
札幌銭湯スタンプラリー2023、28軒目は滝の湯さんへ。
本当は一昨日、日曜日に行こうと思っていたのだが、今日になってしまった。
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この前の土曜、つまり「明日は滝の湯に行くぞ!」と意気込んでいたその日、私は知人宅にいた。
みんなで手作りのスパイスカレーを持ち寄って食べ比べるという、ママ友の集まりみたいなパーティが催されたためだ。
私も朝からコリアンダーだのクミンだのと数々のスパイスをぶん回し、スペシャルなカレーをこしらえて参加した。
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「おいしい!」
「レシピ教えて!」
穏やかな昼下がりだった。
しかし我々はママ友ではない。当然、カレーを食しながら酒を飲んだ。スパイスが食欲、もとい酒欲を促進させたのかどうかはわからないが、とにかく飲んだ。
やがて日が沈んだ。それでも飲んだ。
テレビで女子バレーの中継が始まった。「いまの拾えただろ、バカヤロウ!」などとヤジを飛ばしながら飲んだ(バレー経験者ゼロ)。
誰かがApple Musicで「90s electronic music」というプレイリストを流しだした。「Orbital最高!イェイイェイ!」と踊り狂いつつ飲んだ。
気がつけば深夜2時。
「タクシー呼ぼうか?」
家主が声をかけてくれたが
「いや、サブロクまで出て自分で捨うわ」とお断りした。
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知人宅は中島公園の少し南だ。サブロク、つまり国道36号線までは自分の足なら20分もあれば出られる。
酔いも醒めるだろうと歩いた。
サブロクに出た。
「ここまで来たら自分ん家まで歩っちゃえ!」
サブロクを東に進んだ。千鳥足サブロク。学生時代から、もう何百回目だろう。
「こりゃ明日の滝の湯は無理だな!明日っつーか今日だけど!なはは!」
灯りを落とした鷹乃湯にじっと見つめられたような気がした。
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前置きが長くなった。そんなわけで火曜の滝の湯。今年2月以来、2回目。あの日は晩白柚の湯が行われていた。
わざわざ画像をこさえたあたり、よほど暇だったのだろう。
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久々の滝の湯。
「元気ですかーっ!」
叫びながらスタンプ用紙をお渡しした。
元気があれば発寒までスタンプをもらいに来ることもできる!国会に卍固め!
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前回訪問時の記憶は「晩白柚が嘘みたいにデケェ」のみだ。滝の湯そのものの印象は、晩白柚の衝撃サイズに飲まれてしまっている。
改めて滝の湯。
「馬鹿クソ鬼ゲロ熱っちぃ!」
一見悪口だが、褒めている。
3つの湯船が全て信じられないくらいの熱さだった。
3つもあるなら、中には「ま、これくらいの温度がお好きな方もいるでしょう」というイージーモードな湯があってもよさそうなところだ。嘉門達夫のアルバムに1曲だけ真面目なラブソングが入っていたのと同じシステムである。
ところが滝の湯はオール鬼熱。アルバム全曲が替え歌メドレーみたいなことだ。もちろんそれでよい。
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熱い。銭湯は熱いのだ。例外はあろうが、概ね熱い。だから銭湯はよい。
残り1軒となったスタンプラリー、色々な銭湯を味わわせていただいた。全て最高だった。なぜなら熱かったり、広かったり、深かったりしたからだ。
ロウリュもオロポもサ飯もない。それでも、いやだから銭湯はよい。最高だ。
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熱い湯が身体に馴染んできた。よい気分だ。ついつい鼻歌が出る。
♪誰も知らない 素顔の八代亜紀〜