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【レポート】2024年SL琵琶湖シリーズ MZシニア -SUMMER GAME-
激闘の-GW BATTLE-から3ヵ月。少し長めのインターバルを経て、2024年8月18日、SL琵琶湖シリーズ MZシニア -SUMMER GAME- が開催された。
大会を重ねるたびに盛り上がりが加速する当シリーズは、またも記録を更新し過去最大の24台がエントリー。
今回も様々なドライバーが参戦し、バラエティーに富んだメンバーとなった。
公式練習、タイムトライアル
今回から新たに「ジェントルマンクラス」制定され、アタック中の混乱を避けるために公式練習、タイムトライアルをクラス分けで実施された。
新たな刺客が猛威を振るう
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午前9時。まずはジェントルマンクラス”対象外”の19台がコースイン。
それぞれのペースで入念にタイヤの熱入れを行っていく。
そんな中、一際目立ったドライバーがいた。
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今回が初参戦の#29 川福 健太(KOO’ON with 川福健太)だ。
レンタルカートでは一世を風靡し”レンタルカートの達人”とも呼ばれていた川福が、MZシニアでもその実力を発揮、公式練習でいきなりトップタイムを叩き出す好走を魅せた。
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開始から5分が経過し「計測中」のボードが出され、各車一斉にアタックを開始していく。
タイムトライアルは今回も毎周順位が僅差で入れ替わり、電光掲示板の表示は忙しく変わり続けていた。
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そんな中、51.095を叩き出した#42 野田樹弘(VehCOOL &義経カンパニー)が終盤にトップに躍り出た。普段はVehCOOLのチーム代表として活動する彼だが、今回はドライバーとして参戦。初参戦ながら強さをいきなり見せつけた。
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昨年のランキング3位である#3 布川雄介(LetWing)が51.147を最終ラップに叩き出し2位。3位には今回マシンを一新した#35 坂田英之(Vifonte with Ash)がつけた。
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15位までが1秒、いや0.7秒以内に収まるハイレベルなタイムトライアル。
ランキング上位の#44 加藤翔馬(Vifonte)は11位、#99 瀧口純輝(Vifonte with HMRACING)は13位と波乱を予感させる結果となった。
ジェントルマンクラスは若林がトップタイム
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続いて50歳以上が対象となる「ジェントルマンクラス」の5台がコースイン。
各車スペースを確保し、クリアラップを狙いに行く。
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このクラスも終盤にタイムが更新され52.226を叩き出した#46 若林秀治(Frozen Shoulder team Vifonte)がクラストップとなった。
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2位には#21 汐崎幸司(Frozen Shoulder team Vifonte)、3位は#20 山田裕久(シナジーリンクス)となった。
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予選ヒート
第1ヒート(第5戦)のスターティンググリッドを決める8周の予選ヒート。
ここから至る所でバトルが始まった。
フロントローの強さと、ランキング上位の意地
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スタートは大きな混乱はなかったものの、24台が一斉に走るが故、中団グループの渋滞は免れなかった。その間に野田、布川のトップ2は早速後続を引き離しにかかる。
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その後方ではランキン上位の二人がいち早く集団を抜け出し、4周終了時点で加藤が5位、瀧口が7位まで順位を上げていた。
5周目の6コーナーで加藤は#47 小川智弘(RS VehCOOL)を抜き去り4位へ浮上。瀧口も6周目の4コーナーで#16 林零仁(RS Yamamoto)のインに飛び込み6位へ。両者とも着実に順位を上げていた。
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野田は布川の猛追に耐え抜きトップで予選を通過。2位となった布川も後続を一切引き付けない好走を魅せた。
3位には#91 平野佑真(Vifonte with Ash)が入った。
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一方、ジェントルマンクラスでは若林が冷静なレース運びでクラストップ通過。総合でも13位につけた。
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第1ヒート(第5戦)
予選ヒートの着順でスターティンググリッドを決め、13周で行われた。
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ポールスタートの野田がホールショットを決めるも、後方の集団が容赦なく襲い掛かる。6コーナーで平野が野田に仕掛けるも一歩届かず、その隙を狙い布川が8コーナーでインに飛び込み2位を取り戻す。
2周目、布川はその勢いのまま2コーナーで野田のインに飛び込みトップに浮上する。
熾烈なトップ争いは「タイミング」で勝敗が分かれた。
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2周目の6コーナーで平野が布川をパスしトップに浮上してから、後方は目立った勝負を仕掛けずにチャンスを待っていた。
動いたのは6周目、2コーナーで布川が平野のインに飛び込みトップを奪還する。そこに続き後方から瀧口、野田が3コーナーで平野をパス。平野は4位までドロップしてしまう。
ここで一気にスパートをかけたのは瀧口だ。順位を上げた勢いのまま8コーナーで布川を捕らえトップに浮上する。
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瀧口はこのまま予定よりも”少し早い段階”で逃げに掛かる。
8周目、後方で野田が布川を4コーナーでパス。その隙を狙い加藤も8コーナーで布川のインに飛び込んだが、背後からの追突に耐え切れずその前にいた野田に乗り上げ失速。2位集団は大混乱となった。
これにより、いち早く逃げを図っていた瀧口が一人抜け出す。
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これによりトップ3はほぼ決着。瀧口はそのまま逃げ切り今季3勝目を飾った。2位には林、3位には小川とどちらも8周目の大混乱を先に抜け出した者だった。
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ジェントルマンクラスも集団での混乱があり、その中をいち早く抜け出した汐崎がクラストップでチェッカー。初代クラスウィナーとなった。
クラス2位に若林、3位に山田という結果となった。
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第2ヒート(第6戦)
第1ヒート上位6位がリバースグリッドとなり、第2ヒートが行われた。
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リバースグリッドによりポールポジションは#5 小林良(Vifonte with ぴぃたぁぱん)、セカンドに加藤がつけた。
オープニングラップは小林がトップを死守。しかし2周目の2コーナーで野田、加藤が立て続けにインに飛び込み3位に順位を落とした。
「強い者」が生き残る真の実力勝負へ
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トップ2が後方を引き離しに図る中、後方では平野がペースの上がらない小林をパスし3位に浮上。
小林はここで作戦を切り替えたのか、ペースで勝る平野の背後に喰らい付きトップ2を2台で追う展開へと変化した。
9周目、トップ2が動き始める。野田が2コーナーで加藤を抜き、4コーナーで加藤がやり返す。バトルをする度に、平野、小林が差を詰めていく。
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12周目にトップ2が再びバトルを始める。遂に平野、小林が追い付いた。
そんなことを気にもしないトップ2。6コーナーで加藤が野田のインに飛び込みトップに浮上。その隙を狙い7コーナーに向けて平野はアウト側、小林はイン側で賭けに出た。
この掛けは小林に軍配。アウト側でバランスを崩した平野はそのままスピン。戦線離脱となった。
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ファイナルラップ、トップ争いはこの3台に絞られた。2コーナー進入で守りに入った加藤を読んでいた野田は僅かに失速した隙を狙い3コーナーでインにねじ込みトップに浮上。その後、野田はは守りのラインを徹底し、加藤、小林に一瞬の隙も与えなかった。
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野田はそのまま逃げ切り、琵琶湖MZ初参戦ながら初優勝を飾った。2位には加藤、3位には小林という結果となった。
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ジェントルマンクラスも序盤から波乱の展開に。1周目の4コーナーで汐崎と#81 萬雲恒明(KC NAGAHARA)が接触しストップ。そこに若林が避けきれず接触してしまい、汐崎、若林は大きく遅れを取ってしまった。
そこで生き残った#58 合谷拡勝(Frozen Shoulder team Vifonte)、#61 木村一廊(KOO’ON with 木村一廊)、山田がそのまま逃げ切り、トップ合谷、2位木村は初表彰台、3位の山田は第5戦に続き連続表彰台を獲得した。
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ポイントランキング
瀧口、加藤の差はわずか8pts. CLIMAXは”直接対決”へ
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第6戦終了時点で今季3勝している瀧口が101pts.でトップ。しかし1位1回、2位3回と安定して表彰台を獲得している加藤が93pts.で2位で喰らい付く。
その差はわずか8pts. 最後の戦いとなるCLIMAX(第7,8戦)は2ヒート共に獲得ポイントは1.5倍となるため、差はほぼ無いといえるだろう。
また、CLIMAXで2連勝をすれば75pts.という大量ポイントを獲得できる。ランキング9位の小林までがその権利を持つこととなる。
役者は揃い、物語は最終章へ。
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毎大会、ハイレベルな戦いを魅せるSL琵琶湖 MZシニア。今回も様々なバトル、ドラマが生まれた。
そこには、ドライバー一人一人が互いを尊重し合い、健闘を称え「魅力的なレース」を全員で作り上げている裏付けがある。
もう、世間一般でいう「お遊びレース」とは言わせない。
MZシニアは正真正銘のレーシングカートであり、モータースポーツであり、そして競技だと、胸を張って言える。
ドライバーたちを始め、すべての関係者の心意気がそれを証明していると言えるだろう。
次回、遂に最終大会「CLIMAX」
チャンピオン争いはもちろん、様々な思いを胸に参戦するドライバーたちの”本気の戦い”は物語の最終章にふさわしい大会になるだろう。
写真:BSA imaging (SL琵琶湖公式) 様
TOKONAME CHARSIU📸 様