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【レポート】MZ Senior JAPAN TOUR タカタ大会

2024年6月9日。前大会から約3ヵ月のインターバルを経て、TSタカタサーキットにて開催された。
今大会は前回を上回る8台がエントリー。年齢層も二手に分かれ20代VSベテラン40代の戦いとなった。



雨天決行、水溜りを考慮し急遽コースレイアウト変更へ

前日の夕方から降り出した雨により路面はフルウェット、早朝には大雨となりコースの一部が浸水していた。
その中でも3コーナー出口の浸水が凄く、レーシングカートで通過するのは困難と判断された。

引用:TSタカタサーキット
赤線が変更点

そのためコースレイアウトを急遽変更、3コーナーを通過せずに手前の抜け道でショートカットすることとなった。

急遽変更したとはいえ、今回は前日走行なし。どちらにしてもほぼ全員がぶっつけ本番だったため、さほど影響はなかっただろう。
また、ショートカットにより1周のタイムも通常のドライと同等となり、周回数の減算はせずに行われた。


タイムトライアル

全員がほぼ初めてのコース、適応力が試される展開に

この状況下で参加者に与えられた練習時間は公式練習の20分のみ。限られた時間内でいかにコースを熟知するかが勝負の決め手となった。

トップタイムを叩き出したのは#27 舟橋弘典(Let Wing)、2位に#16 北野信孝(RS Yamamoto)がつけた。この2名のみ1分7秒台をマーク、ランキングトップ2の意地を見せた。


第3戦 「レース 1(Feature Race)」

レース 1(Feature Race)は長丁場15周で行われた。

スタートから舟橋、北野は快調に飛ばし後続を引き離しにかかる。その背後では各所でバトルが勃発していた。

長丁場とは思えない接近戦の連続へ

トップ2が差を広げる中、背後では#86 浅井勇貴(StarFive Vifonte with Ash)、#63 室屋匠(Toko Sports RT)、#35 坂田英之(Vifonte with Ash)の三つ巴の3位争いが続いていた。
中でもペースのある室屋は4周目のショートカットで坂田をパスし4位に浮上。その勢いのまま浅井を猛追する。

その背後では6周目のすり鉢コーナーで#55 岩本雄大(KENT)が#33 長谷部淳一(KENT)をパス、レース2のポールポジションを掛けた6位争いも動き始めていた。

レース後半、5位を走る坂田のペースが上がり3位争いが激しさを増す。
雨でオーバーテイクのしにくい状況で、坂田は室屋を攻略しようと至る所で果敢に仕掛けていく。そして13周目のS字コーナーで室屋をパスし4位浮上。しかし翌周の2コーナー立ち上がりで室屋は僅かに失速した坂田にすかさず応戦、4位を取り返した。
一方、トップ争いは北野が舟橋を猛追し続けるも、舟橋はミスのないクレバーな走りで付け入る隙を与えず、そのままトップを守り切りチェッカー。開幕から堂々の3連勝を飾った。

3位争いは最終ラップのすり鉢コーナーで室屋が浅井をパス、しかし外側から速度を乗せて立ち上がった浅井が室屋のアウト側へ、横並びのままゴールラインへ。

僅か10センチほどの差、1万分の数秒(リザルトでは千分の一秒まで同タイム)で浅井が逆転し、3位表彰台を勝ち取った。


第4戦 「レース 2(Sprint Race)」

レース 2(Sprint Race)は10周で行われた。
レース1の着順からトップ6がリバースグリッドとなり、ポールポジションは岩本、セカンドに坂田が並んだ。

スタートでは若干岩本が出遅れ、ここぞとばかりに後続が問答無用で襲い掛かる。
ここでうまく抜け出したのが坂田と北野だった。岩本は3位に後退、レース1覇者の舟橋は行き場を失い7位に留まる等、これまでと違うレース展開となる。

追い込まれた中で覚醒、新たな勢力層を予感させる展開に

序盤からペースの良い北野は、スタートでトップに立った坂田に猛烈プレッシャーを与えていた。

北野は1コーナーで横に並び、2コーナーで外側から坂田をパス。北野はこのまま逃げ切りを図ると思われたが、坂田は負けじと喰らい付きペースアップ。時には北野を上回るタイムを叩き出す好走を魅せた。

一方、舟橋は5周目には3位まで順位を戻し、ここから唯一1分6秒台を叩き出す驚異的なペースでトップ2を追いかける。
8周目の1コーナーで坂田をパスし、残るは北野のみ。
迎えたファイナルラップ、舟橋は北野の背後まで迫り、坂田もその真後ろで喰らい付き3台パックに。

しかし抜くには至らず。北野が終始トップを守り切り念願の初優勝を飾った。
2位に舟橋、3位には最後までトップに喰らい付いた坂田が入った。

写真提供:EnjoyPhotoLife 中根 修平


ランキングトップ2は引き分け、3位争いも熱い後半戦へ

舟橋、北野のポイント差は10ポイントのまま。二人は全レース1、2位を独占していたためトップ2は抜け出しているが、今後は3位争いも注目していきたい。
浅井が今回27ポイント獲得、今回は欠場だった#15 市原康裕(RS Yamamoto)と#23 舟橋陵(Vifonte with Ash)と同ポイントとなりランキング3位タイとなった。

ポイントランキング

そのわずか2ポイント差に坂田もつけている。3位争いはほぼ同ポイントで「前に出たものが勝つ」展開となりそうだ。
また、優勝は25ポイント獲得できることから、次大会でこのポイント争いに名乗りを上げるチャンスは誰にでもあるといえる。
次大会は9月8日に福井県のタカスサーキットで開催される。ここで誰が抜け出るか、はたまたは新たな挑戦者が勢力層を書き荒らすのか、シーズン後半がとても楽しみである。


リザルト


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